「みんなちがって、みんないい」といえば、谷川俊太郎先生と並び小学生の国語の教科書ではたいてい載っている金子みすゞ先生の詩『私と小鳥と鈴と』の締めのヴァースです。
(いまの教科書事情はわからないので、もう載っていないのかも……)
若い子は見る機会がなかったかもしれないので、全文を引用しよう。
わたしと小鳥と鈴とわたしが両手を広げても
お空はちっとも飛べないが飛べる小鳥はわたしのように
地べたを早くは走れないわたしが体をゆすっても
きれいな音は出ないけれどあの鳴る鈴はわたしのように
たくさんな歌は知らないよ鈴と小鳥と それからわたし
みんな違って みんないい
──個性だ優劣だと嫌な時代に鋭いメスをつきつけるような詩ですね。ナンバーワンよりオンリーワンなんてもはやただの焼き増しですから。
いや、まあその哲学というか概念自体はずっと前から存在していたのでどこが出典〈ルーツ〉とかわからないんdけど。
とにかくそういう詩がある。これを念頭に置いて話を進めていきます。
Creepy Nuts『たりないふたり』発表
R-指定が大阪出身でUMB三連覇とかDJ松永がTOCさんの後ろでタンテしてた人物とかそういうのは割愛しまして(そんなのはメディアに任せりゃいいのだ)……先日アルバムを出しました。
Creepy Nuts(R-指定&DJ松永) Trigger Records 2016-01-20
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1/20発売、予約したのは1/10くらい。なのに手元に届いたのが2/2というさっぱりな状況。
タワレコyahoo店しっかり!
みんなちがって、みんないい。
金子みすゞ先生の詩がちゃんと前向き・ポジティブなメッセージを持っていたのに対し、このアルバムの2曲目『みんなちがって、みんないい。』では様々な”MC”に向けてdisを飛ばしていってるんです。
みんなちがってみんないい
とか言いながら、蓋を開けてみるととどのつまり完全なdis曲だった、というところにぐっと来まして。この人全然「いい」と思ってないよって。
※その後、ラジオなどの情報で本人が「別に嫌っているとかではなく、こういう人聴いたことあるでしょ?的なニュアンスで作った」という旨の話をしていたことを知り、なんだか複雑な気持ちになった私です。※
発想と構成も面白くて、こればっかりは歌詞カード眺めるだけでも駄目だし、音だけでも味わいきれない部分が多いなと。知人はダウンロードしたらしいが、歌詞は取得できなかったそうで。RAPは異口同音で韻を踏むのなんてザラなので、テキストは必須ですよ。
ほいでちょこっと漏らすと、あの女MC1の「いんとかふろーとか」の部分は耳だけじゃひらがなに開いたユーモアはまず気づけないし、SALU的フロウよろしくのヴァースで横文字が爆発的に増えるのとか。これがほんの一部分だからまあ歌詞カードって大事。という話。
SALUっぽいのとか出てきてR-指定はSALUが嫌いなんかな、と思ってたけど、よくよく聴けば様々な”MC”が”言いそうなこと”なんですよね。だから、それぞれのMCに関しては「どこどこ生まれなんちゃら育ち」みたいにあからさまな引用や翻案は使っていない。
浮かび上がる逆説的な、オリジナリティはどこいった問題ともとれますが。
こってり関西弁でレゲエの人とか、脚韻で「ない」の連発とか呂布カルマ?とか さっきのSALUっぽいのとかCHARLESとか(HALCALIかなとも思ったり)、女MC2はDAOKOっぽいなあとか、ファンキーモンキーベイビーズだなとかソナーポケットってこんな感じだっけかとか。
あーあるある。いるいる。みたいな。ついつい笑っちゃう出来です。
いや、でも流石にファンキーモンキーベイビーズみたいな奴らは大嫌いだろ。
たりないふたり(5曲目)の下地について
これ発売前にぱっと思いついたネタなんですけど、
『たりないふたり』ってタイトルあるじゃないですか。
これの出典は
南海キャンディーズ山里亮太とオードリー若林正恭の拗らせ二人組によるトーク&ネタ番組『(もっと)たりないふたり』から来てるんですが、
なつ「なかなかどうして面白い番組だった」
たりないふたり公式サイト〈http://www.ntv.co.jp/tarinai/index.html〉
で。
たりないふたりが曲のタイトルにもなってて、どんなバックトラックだろうと。
「たりないふたり」から連想して、X JAPANの曲をサンプリングとかじゃないかな、とか予想していたんですよ。で、twitterにそれ書こうと思ったところで、「これ、Xのファンの方からお叱りもとい〇〇予告とか来たらどうしよう……あいつら私と違うところでガチだからな。ちょっとしたbeefじゃ収まんないぞ」と思いとどまり、そういえばドリフのメンバーもふたりたりなくなったよな、、と。
なつ「長さんと荒井注ね」
もしも……DJ松永がドリフの曲をサンプリンで使ったら……的なやつですよ。
ということで「ドリフのズンドコ節がループで流れてます。かっこ嘘」みたいなネタツイートしたんだけど、まあ世間は無反応でした。平和平和。私がいたって居なくたって至って平和。
で、蓋開けてみたら、ズンドコ節からエッセンス持ってきた感じに聴こえないこともない!?
いや、聴こえる!?
間奏で一音上がる転調から戻ってくる感じとかそれっぽい!? 私は間違っていない!!
※修正→一音じゃなくて4度のポジションです。すみません。。。
とか勝手な解釈でひとり楽しんでいる私でした。そういうの楽しいよね(わな)
4/6日に心斎橋pangeaでライブがあるそうで、ぴあチケットも完売してましたね。CDも追加プレスが決定しているらしく盛況ですね。一次で確保していて良かった良かった。
フリースタイルダンジョンの話
内容が飛び飛びで申し訳Night。
人気沸騰中のフリースタイルダンジョン。面白いですね。流派Rではワンコーナーだったフリスタがそれ一本で番組になるんですから、凄い時代だなと感じます。
で、
こないだのDOTAMA回といいますか、#17、#18(REC4-4.5)とDOTAMA対R-指定で因縁の相手、みたいな扱いでR-指定が紹介されるときにUMB2014の映像が流れるじゃないですか。
なつ「昭和生まれのクソ眼鏡~、ってやつ」
──そう。あのフロウって先攻のDOTAMAがいっこ前に言ったやつの意趣返しなんですよ。
「平成生まれのポニーテ~ル」ってやつ。
そこまでこだわることでもないんだけど、R-指定のフロウだって誤解が広がるのもなぁ。なんというか、あのフロウはねぇ……ニヤニヤ
『トレンチコートマフィア』のMADについてのこぼれ記事
〈うぃーわートレンチコートマフィア〉
年度が変わり環境が変わるこの時期のためのちょっとした小話。
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