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よしもとばななの本 [本]

よしもとばななの本を読みました。

人生の道しるべ

人生の道しるべ

  • 作者: 宮本 輝
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/10/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

宮本輝とよしもとばななの対談の本で、作家2人が作家の資質とか作家として生きることや死に関してなどいろいろな話をしています。結構薄っぺらい本なのであっという間に読めます。宮本輝が若い時にサラリーマンをしていて会社に行けなくなりそれで作家になり、それからも結核になったりしていたなんて知りませんでした。

小さないじわるを消すだけで

小さないじわるを消すだけで

  • 作者: ダライ・ラマ14世
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2014/10/22
  • メディア: 単行本


ダライラマとよしもとばななが対談したものをまとめた本。よしもとばななのエッセイとダライラマのメッセージと質疑応答みたいな感じでまとまっていて、この本もまた薄っぺらい本で活字まで大きいので30分もかからず読めてしまいます。こんな本が出ていたことを知りませんでしたが、ダライラマもよしもとばななも好きなので私にとっては絶対に読まないと、という本でした。

よしもとばななが初めてネパールのスワヤンブナート寺院に行ったとき、「私はこういう場所にいたことがある、ここに帰りたい…そんな気持ちがどんどん溢れてきました」「もし前世というものがあるなら、私は僧侶としてチベットにいたことがあるに違いない、とその時から思うようになり、ダライラマ法王のご著書やチベットに興味を持つようになりました…」と述べています。私も前世があるならチベット人だったと思うので(ネパールでチベットのお坊さんに前世占いしてもらった時、チベットで尼さんのような生活をしていたと言われ、満更うそでないだろうなあと自分自身納得できるのです。私自身もインドやネパール、チベットのチベット寺にいくらいても飽きず、またチベット文化に心地よさを感じています。チベットの娘さんたちの髪飾りや女性のエプロンに使われてるショッキングピンクと水色を見たとき、この色こそ昔からよく知っていて大好きだと思ったし、チベットに個人旅行できないときに個人旅行できたのもそういう縁からきているのだと思いました。またダラムサラでダライラマ法王にお会いしたときは一日中幸せ感が体の中から湧き上がってきて仕方なかったのを思い出します)やはり、こうしてチベット繋がりで繋がっているからダライラマにもよしもとばななの書いたものにも惹かれるのかもしれません。不思議ですが、理屈じゃないなあと再確認させてくれたよしもとばななの言葉でした。

小さな幸せ46こ

小さな幸せ46こ

  • 作者: よしもとばなな
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/03/09
  • メディア: 単行本

動物のこと、旅先でのこと、作家仲間のこと、食べ物屋さんのこと、家族のこと…、彼女が幸せだと思えること、思い出などが書かれていました。彼女の文章を読んでいると、それは随筆でも小説でも幸せ気分になります。優しい気持ちになれます。だからこそ、たぶんずっと彼女のファンで居続け、彼女の本を読んでいるのだと思います。

ゆめみるハワイ (幻冬舎文庫)

ゆめみるハワイ (幻冬舎文庫)

  • 作者: よしもと ばなな
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2015/08/05
  • メディア: 文庫

写真が入った本。ハワイにまつわるエッセイ。イルカが好きなこと、フラを習っていること、その踊りのうまい知り合いのこと、家族で行ったハワイ旅行のこと、ハワイが天国に近い場所であることなどなど。私は未だにハワイには行ったことがないので、いつか行ってみたい。よしもとばななの感性に似たものがあるといつも思っていて、彼女と同じような体験やその感じ方を時々しているなあと思うことが度々なので、彼女が好きなハワイに行ったら私も何か感じるものがあるだろうなあと思いました。ハワイは、いつか死ぬまでに行きたい場所のひとつです。


 おまけ:

女流画家ゲアダ・ヴィーイナと「謎のモデル」 ~アール・デコのうもれた美女画~

女流画家ゲアダ・ヴィーイナと「謎のモデル」 ~アール・デコのうもれた美女画~

  • 作者: 荒俣 宏
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2016/03/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


映画「リリーのすべて」で夫アイナー(リリー)をモデルにした妻ゲルダの絵が気になってこの本を探し当て読んでみました。たくさんのゲルダの絵が入っていて、また二人の物語が更に語られていて興味深かったです。ゲルダの絵は時に漫画のような、それでいてセクシーでエロチックで、1920年代のパリにあって華やかで、美しくフレンチカンカンみたいな世界でした。当時のたくさんの雑誌を飾り、やはり夫リリーをモデルにして描いているゲルダの絵は一番彼女自身が輝いている時代でもありました。夫がどんどん女性になっていくのを支えるのは心理的にも苦しい時だったでしょうが、皮肉にも夫をモデルにしたことで彼女の絵が売れ出しもてはやされていくのですから、人生とっても皮肉なものです。

映画の中ではリリーのオペは2回あって、それでリリーは亡くなる感じでしたが、実際には4回~5回もしたらしく、しかもリリーは新パートナーとの間に子供を望み、子供が授かることを望んでの手術で命を落としたことがわかりました。またその時既にゲルダとリリーの二人は離婚し(その離婚も簡単にできないためデンマーク国王に直接手紙を書いて認めてもらうというようなやり方で離婚の手続きをし)それぞれ別のパートナーと一緒になり、ゲルダはパリに住み、リリーはデュッセルドルフに住んでいたため、二人の手紙のやり取りもしていて今もその手紙が残っていて、この本にはその手紙の一部も公表されていました。その最後のオペのことをリリーはゲルダに知らせたくなくて、また死を覚悟の上でのオペであったことがこの手紙からよくわかります。そしてリリーが亡くなると、ゲルダの絵も生活も一変。ゲルダはパートナーとも離婚し、家に引きこもりがちの生活を送ったと言うことです。 最後まで本当はこの二人は一緒にいなければならない存在だったのだろうなあと思いました。本にも書いてあったけれど、ゲルダはリリーにとって姉のような母親のような存在だったのかもしれません。この本を読んでまた涙を流しました。


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リリーのすべて [Eddie Redmayne]

「リリーのすべて」を観ました。

ポスター画像

映画公式サイト:http://lili-movie.jp/

トム・フーパー監督作品。エディ・レッドメイン主演。アリシア・ヴィキャンデルはアカデミー賞助演女優賞を受賞。性同一性障害に苦しみ、世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を描いた伝記ドラマ。1920年代デンマーク、コペンハーゲンで暮らしていた風景画家のアイナー(エディ・レッドメイン)はその妻で肖像画家のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に頼まれ、女性モデルの代役を引き受けることに。そこからアイナーは自分の内にある女性性に気づき、アイナーからリリーとして過ごすことが多くなると、世界で初めての性別適合手術を2回受けることを決心する…。

エディ・レッドメイン主演なので観なくては!と思って観てきました。エディの性同一性障害に悩むその姿に胸が張り裂けそうでした。そしてずっーと息苦しかった。やっぱりエディ・レッドメインはうまいと思いました。女性の繊細な動きやその表情など良くとらえていると思いました。そして彼を支える妻役のアリシア・ヴィキャンデルがまたうまかった。奔放で大胆で明るくて気丈ではあったかもしれないけれど、彼女の立場(自分の夫が女性になることを希望していてそれを応援するという立場)を考えたらこちらもまた胸が痛みました。夫がどんどん女性になっていくとき(特に夫アイリーが自分が着ていた下着を褒め、それをその後着けてみたいと言って実際に身に着けていたのを目撃したときのショックといったらなかったと思うし、ゲーム感覚で女装させた夫がパーティで男性とキスしているところを目撃するなんてショックすぎです)、それを受け止められないでいる彼女の表情、戸惑いぶりが忘れられません。そして最後はそれを受け入れ応援する…。大きな愛を感じました。エディはインタビューでこの「リリーのすべて」は「愛を謳っている」と言っていましたが、本当にこの映画は全編愛がぎっしり詰まっていました。男女の性を越えた大きな愛そのものです。

また去年エディがアカデミー賞主演男優賞を獲った「博士と彼女のセオリー」の時も思ったことだけれど、主役のホーキング博士よりも一緒にいるその妻のほうが何倍も大変だし、その愛は強いんだろうなあということです。この「リリーのすべて」もこの映画の主役アイナー(リリー)よりも何倍もゲルダのほうが大変で愛もまた大きいのだろうなと。その愛の大きさに圧倒され続けました。

それにしてもこの時代の性同一性障害者はほとんど精神病者扱いで、治療も放射線治療でたくさんの放射線を浴びせたりして本当に酷かったと思います。初めてのオペに臨んだリリーは、一回目のオペはうまくいっても二回目のオペは失敗に終わります。命をかけてオペして女性になりたかったリリー。切なかったです。そしてそれを見守るゲルダはもっと切なく悲しい…。

この映画はデンマークのコペンハーゲン、そしてフランスのパリ、ドイツのドレスデンを舞台にしており、街並みが素敵でした。特にコペンハーゲンの川沿いの魚市場や黄色の家が並んだストリートなど印象に残りました。そしてゲルダとリリーが住んで使ってるアトリエや芸術家が集まる華やかなパーティー会場、パリに住んだときの部屋や絵画サロンなども。そして何といってもこの時代の衣装。彼らが身に着けていた服はどれもこれもオシャレ。2人とも画家なので絵もたくさん出てきますが、映画全部がまるで絵画を鑑賞しているようでした。格調高く、洗練されていて、上品で。芸術面だけでも抜きんでていて、どのシーンも絵になるような映画はそれだけでも観るに値するのに、その上この映画はキャストも、ストーリーも揃っていたのですから、本当に素晴らしいの一言に尽きる映画で大満足の映画でした( 考えたら監督も俳優も皆、アカデミー賞を受賞している人たちだらけ)

エディが気になり去年のアカデミー賞授賞式直後からすぐにエディがこの映画の撮影に入ったと、ファンブログで知って(コペンハーゲンの街並みやエディのリリー役の様子など写真もたくさん見ていました)それ以来ずっと彼の動きを追っていたので、この映画にはとても思い入れがありました。映画を観ていて、このシーンもこのシーンもファンの人のブログで見てたけど、ここで使ってたのね、と思ったりしました。

スウェーデン人のアリシア・ヴィキャンデル。これから注目すべき若手女優さんの一人だなあと思いました。本当に実力派女優さんという感じです。アカデミー賞助演女優賞を獲った晩、彼女はスウェーデン国王から直々にお祝いの電話を受けていたことをエディがインタビューで明かしていたので、スウェーデンでは今や国民的女優さんなんだろうなと思います。ハリウッド映画にもこれからどんどん出るのでしょう。

またリリーにキスをしたヘンリク役のベン・ウィショーはエディ・レッドメインが好きな俳優さんに名前を挙げている同世代の俳優さんですが、「パフューム ある人殺しの物語」を前に観ていたので覚えていました。でも今は役の中と同じように実生活でも同性愛者で同性婚していて、双子でもあると知ったのでびっくりです。


おまけ: 

デンマーク・コペンハーゲンにあるアーケン美術館で2015年11月7日から2016年5月16日まで行われているGerda Weger展のサイト↓

http://uk.arken.dk/exhibition/gerda_wegener/

ゲルダが描いたリリーの絵やゲルダとリリー(アイナー)と共に映った写真も載っています。

アーケン美術館のゲルダのカタログの一部↓

https://issuu.com/arken_museum/docs/kataloguddrag_til_web_uk/1?e=5419715/31841860

このカタログにはゲルダの絵が更に数点、ゲルダの写真、リリーの写真も載っています。そしてその絵や時代の解説が読めます。ゲルダは55歳で死亡、アイナー(リリー)がオペの翌年49歳で死亡。ゲルダはパリで実力を認められ、アイナー(リリー)と共に20年もパリで生活をしたこと、1925年のパリ万博の時に2つも金賞を受賞したこと、ゲルダはアイナー(リリー)が亡くなった後イタリア人と再婚し離婚するまでモロッコに住んでいたこと、ゲルダの絵はルーブル美術館とポンピドーセンターでしか買い取ってもらえず、デンマークでの買取は彼女の生存中には行われなかったこと、今はデンマーク国立美術館や王立図書館、デンマークデザイン美術館、ラドルフ・テグナー美術館、ティアター美術館などデンマーク国内にも作品があることなど、このカタログから知りました。 アーケン美術館でも何度かこれまでゲルダの展覧会が行われたようです。

コペンハーゲンに行ってみたい。またここにあるいろんな美術館にも行ってみたいです。

女流画家ゲアダ・ヴィーイナと「謎のモデル」 ~アール・デコのうもれた美女画~

女流画家ゲアダ・ヴィーイナと「謎のモデル」 ~アール・デコのうもれた美女画~

  • 作者: 荒俣 宏
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2016/03/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

この本↑気になるので、後で読みたいと思います。ゲルダは現地の言葉ではゲアダというらしい。謎のモデルとはもちろん、リリーのことです。


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スポットライト~世紀のスクープ [アメリカ映画 賞受賞]

「スポットライト~世紀のスクープ」を渋谷ユーロライブで観てきました。

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映画公式サイト:http://spotlight-scoop.com/

アカデミー賞作品賞、脚本賞W受賞。世界の様々な賞の受賞、ノミネートが実に211個と宣伝されています。アメリカの新聞ボストン・グローブ社がスポットライトという欄に載せる特ダネを追った真実の物語。カソリック教会の神父による児童の性的虐待を長らく放置し、教会が問題ある神父を何度も異動だけさせ組織的に見て見ぬふりをしていた事実を暴き、そういった問題ある神父とその被害者たちの証言を600回にもわたって記事にした精鋭の4人の新聞記者たちのドラマ。

観ていて胸が痛かったです。純粋無垢な子供たちが町で誰からも尊敬を集めている神父によって性的虐待を受け、それも小さな新聞社に何度か記事が掲載されても、1970年代の敬虔な信者たちがほとんどの社会では全く相手にもされず、また裁判も教会の権力でもみ消しにされその記録もありませんでした。それは弁護士を立て被害者と教会の直接のやり取りだけの示談で終わっていたからでした。そして大手の新聞社ボストン・グローブ社にもその問題ある神父のリストが弁護士によって送られてきても無視され長い間放置されていました。当時から問題ある神父たちはただ異動を繰り返すのみで、また新天地でも同じような事件を繰り返すといったことが続き、問題解決には至らず長年秘密にされていたのです。

それが2002年の1月に90人近い神父たちの児童への性的虐待としてボストン・グローブ社の一面に掲載され、ようやく明るみに出ることになりました。記事が出ると朝から新聞社の電話は鳴りっぱなしでした。多くの被害者たちが名乗りを挙げたのです。記者たちは2001年の9・11をはさみ、大変な忙しさの中で取材を続けてやっと記事にしたのです。実に全体の神父の6パーセントが問題ある神父で、ボストンのみならず全米各地にそういった神父と被害にあった子供たちがいました。最後にその都市名が羅列されて出てくるのですが、読み切れないほどたくさんの都市名が並び、胸が張り裂けそうでした。

教会という大きな権力を持ち、それなりに尊敬も受けている人たちの信頼が揺らぎ、またそれによってお金を稼いでいた弁護士やら、情報をもみ消してしまった70年代の新聞記者など、真実に向かい合わなかった人々が浮かび上がります。また何より被害にあった子供たち、そして加害者の神父たち、そして衝撃的なのは問題を起した神父の中にも子供のころ性的虐待を受けていたという事実。

映画のテーマがテーマだけに本当に気分悪くなりますが、その一方で使命感に燃えて教会や社会を敵に回しても真実を暴こうとした新聞記者に頭が下がる思いです。

映画はテンポが良く、新聞記者の健闘ぶりがよくわかる映画でした。好きな女優さん、レイチェル・マクアダムスも出ていたので観れて良かったです。


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オデッセイ [アメリカ映画 ドラマ]

「オデッセイ」観ました。

マット・デイモン主演の火星で一人取り残された宇宙飛行士のサバイバル映画です。ゴールデングローブ賞作品賞(コメディ・ミュージカル部門)受賞、主演男優賞(コメディ・ミュージカル部門・マット・デイモン)受賞でリドリー・スコット監督作品でもあったので観たいと思っていました。原作はアンディ・ウィアーのベストセラー小説「火星の人」

 ポスター画像

映画公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/odyssey/index.html

水なし、酸素ほとんどなし、通信手段が断たれ、食料は31日分。地球から火星までは2億2千万キロ以上あり、次の救出までは1400日(4年)かかる。たった一人、火星に取り残されてしまったワトニー(マット・デイモン)はそれでも希望を捨てなかった。自分の持てるすべての知恵、知識を駆使し、水がないなら水を作る。食料がないなら食料(じゃがいも)を作る。通信手段も昔取り残された器材を見つけ出し修理し、通信できるところまで直す。お腹に傷を負えば自分で簡単な手術もしてしまう…。

他のクルーたちはワトニーが既に死んでしまったものだと思っていて、大切な任務がまだ続くからとNASA本部から彼の生存に関しては秘密にされていた。彼の生存が濃厚となると他のクルーたちにかなり時間が経ってからそれを知らせ、地上ではワトニーの救出を何とか成功させようと一致団結する。しかし、急いで作ったロケットは打ち上げ失敗し、そんな中、中国がその新たな技術を持っていてその救出に一役買ってくれる話が舞い込み、また一方では今まだ帰還していない他のクルーたちに更に500日以上の宇宙旅行をさせてワトニーを救出してもらおうと計画が進んでいた…。

この映画で使われていた音楽、ドナ・サマーのホットスタッフやABBAのウォータールー、他にグロリア・ゲイナーのアイ・ウィル・サバイブ(この歌は知っていたが歌手や題名まで知らなかった)が何とも斬新で効果的に使われていて、この映画に欠かせないとっても大事な要素になっていました。70年代のポップスということになるのでしょうが、すごく良かったです。私にはこの3曲しかわからなかったのですが、70年代に青春を謳歌した人にとってはより意義ありより素敵な映画に思えたかもしれません。

マット・デイモンの演技も素晴らしかったです。個人的にはジェイソン・ボーンシリーズが好きで、マット・デイモンがこのシリーズの出演拒否をしていましたが、また復帰してボーンシリーズがこの秋に公開になるので、こちらもとても楽しみです。マット・デイモンはジェイソン・ボーンがはまり役ですが、このワトニー役もはまり役でした。

火星に一人取り残されるようなことはきっとないにしても、ワトニーのような人は格好いいなあと思いました。尊敬に値し脱帽です。そこにあるものを利用して水を作る、植物を育てる、通信手段を復活させる、自分の怪我を自分で治せるなど、自分の知恵と知識と、何より生き抜いてみせるという強い意志や、時にはユーモアのセンスをも持ち合わせなければ決して生き抜くことはできない火星で見事生き抜いてみせるのですからあっぱれです。この現代社会にあってサバイバル的なことはほとんど必要なくても、ワトニーみたいな人であれたらいい。とっても元気をもらえた映画でした。


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キャロル [アメリカ映画 恋愛]

「キャロル」を観ました。

ケイト・ブランシェット主演の「ブルー・ジャスミン」が結構好きだったので、また彼女が出ている「キャロル」も観たいなと思っていました。50年代のニューヨークが舞台で、その時代の雰囲気やら服装やら調度品などチラリと見たトレーラーもショパンの別れの曲に乗せて素敵だったので。

ポスター画像 

映画公式サイト:http://carol-movie.com/

50年代のニューヨーク。同性愛を扱っています。原作はパトリシア・ハイスミスの52年に発表したベストセラー「ザ・プライス・オブ・ソルト」(この作家は「太陽がいっぱい」も書いている)ルーニー・マーラがカンヌ国際映画祭で主演女優賞受賞。他にもニューヨーク映画批評家協会作品賞受賞、トロント映画批評家協会作品賞受賞など数多くの受賞とノミネートをされています。

デパートでアルバイトをしていたテレーズ(ルーニー・マーラ)は、そこに自分の娘のためにおもちゃを買いに来たキャロル(ケイト・ブランシェット)に心を奪われる。おもちゃを買ってその場所に手袋を忘れて行ったキャロルにおもちゃと共に手袋も送り、そのお礼にと食事を誘われるテレーズ。テレーズには恋人リチャードがいて、キャロルは離婚調停中であったが、二人で一緒に旅行をすることになる…。

演じているケイト・ブランシェットが気品あって凛としていて素敵でした。テレーズ役のルーニー・マーラも可愛らしかった。50年代の服装もオシャレ。そして映画全体の雰囲気がやさしくて素敵でした。この時代にあって同性愛者など絶対に理解されなかっただろうなあと思うのですが、それでも二人はお互いに自分の気持ちにまっすぐで、自分に嘘をつかない生き方を選択します。この映画を観ていて同じ50年代を舞台にした「エデンより彼方に」を思い出していたら(この映画は50年代の白人女性と黒人男性の恋愛を扱ってます)この映画が同じ監督トッド・ヘインズによって監督された作品だと知りました。何だ、やっぱりそうなのか~と思いました。どちらも50年代の許されない恋愛。50年代は今より断然社会的に許されないことがたくさんあった時代でしょうし、それでも自分の気持ちに素直に生きていくスクリーンの人々。すごい勇気をもらえます(別に私は許されない恋愛をするわけではないですが…)「自分の気持ちに素直に生きる」シンプルだけど、これが一番ですよね…。


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