早急に実態解明を 市民団体が記念集会
約6万人が死亡したシベリア抑留問題の解決に向けて日本と旧ソ連両政府が「捕虜・収容所協定」を結んでから25年となる18日、抑留経験者らでつくる市民団体が東京・永田町で記念集会を開き、日本政府に早急な実態解明を促した。
第二次世界大戦後、ウズベキスタンに抑留された大阪府豊中市の池田幸一さん(95)は「なぜ悲劇が起きたのか。未来に向けて共同で調査・研究し、次代に伝えることが大切だ」と訴えた。
富田武・成蹊大名誉教授(ロシア・ソ連政治史)は日本政府がロシアから入手した抑留者約50万人分の個人資料を行政機関個人情報保護法に基づいて研究に使いたいと求めた。
しかし、集会に出席した厚生労働省の担当者は「個人情報の取り扱いは慎重に検討する必要がある。学術研究目的に提供するには膨大な分類作業も必要だ」と消極的だった。
富田名誉教授は外務省に対しても「(日本側未入手の)ロシアの保有する抑留関係文書は、政府レベルで申し入れないと入手できない」と要望した。【青島顕】