我々の銀河周りを周回、未知の銀河が発見される
灯台もと暗し?
天球の今まで何もないと思われていた場所に、未知の銀河が発見されました。しかもそれは、我々のいる天の川銀河の周りを周回する銀河だったんです。
その銀河とは、ケンブリッジ大学の研究チームが超大型望遠鏡VLTで発見した矮小銀河「Crater 2」です。その発見は突然のようでいて、銀河ごといきなり爆誕したわけでも、遠くから急接近してきたわけでもありません。ただただ見逃されていたのです。
しかも「矮小」銀河という分類ながら、そのサイズは天の川銀河の6分の1程度あり、我々の銀河を周回する銀河としては4番目の大きさです。また距離という意味でも太陽系から390光年の位置で、宇宙レベルではお隣さんと言ってもいいくらいの近さなんです。
にもかかわらず、どうしてその存在に気づけなかったんでしょうか? Monthly Notices of the Royal Astronomical Societyに掲載された論文によると、Crater 2は非常に暗い銀河でもあるのです。実際、今まで発見された銀河の中では最も暗い銀河のひとつです。そのため研究チームからは、「か弱い巨人(the feeble giant)」という別名まで付けられてしまいました。
でも、そんな近くに未知の銀河があるということは、意外なところに隠れた銀河がもっとあるんじゃないかということで、すでに同じように大きくて暗い銀河の探索が検討されています。天の川銀河の周りだけでも、宇宙には知らないものがまだまだひそんでいるようです。
source: Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
Ria Misra-Gizmodo US[原文]
(miho)
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