死刑囚が「殺人関与」告白 神奈川の山林を捜索

死刑囚が「殺人関与」告白 神奈川の山林を捜索
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平成15年に前橋市のスナックで起きた乱射事件で死刑が確定した元暴力団会長が、20年前から行方不明になっている男性の殺害に関与したことを告白し、配下の元組員が遺体の遺棄を証言したことから、警視庁と神奈川県警は午前中から神奈川県伊勢原市の山林の捜索を進めています。
捜索が行われているのは神奈川県伊勢原市郊外の山林です。
殺人への関与を告白したのは、平成15年に前橋市のスナックで客など4人が射殺された事件で死刑が確定した、住吉会系の元暴力団会長、矢野治死刑囚(67)で、いきさつを書いた文書を警視庁に送っていました。
この中では、神奈川県伊勢原市に住む不動産業の男性の殺害を仲介し、配下の元組員に命じて遺体を遺棄したなどとしていて、警視庁が元組員から事情を聴くなど捜査していました。
その結果、元組員が「遺体を伊勢原市内の山林に埋めた」と証言し、警視庁などは19日午前中から山林の捜索を行っています。
NHKのヘリコプターが上空から撮影した映像では、林道脇の斜面にシートが張られ捜査員が出入りしている様子が分かります。
関係者によりますと、男性は平成8年に自宅を出たまま行方が分からなくなっていて、当時は伊勢原駅前に所有する土地を巡って暴力団とトラブルになっていたということです。
警視庁などは捜索を進めるとともに、男性が行方不明になったいきさつについても調べることにしています。

矢野死刑囚が書いた文書は

警視庁によりますと、矢野死刑囚が書いた文書は、去年、都内の警察署に届いたということです。
文書の中で矢野死刑囚は、平成8年に知り合いの暴力団幹部から神奈川県伊勢原市に住む男性の殺害を依頼され、別の暴力団幹部を通じて、その配下の組員に実行させたとしています。さらに、自分の配下の組員に遺体の遺棄を指示したと記しています。
警視庁によりますと、殺害を依頼したとされる暴力団幹部や殺害の実行役とみられる組員は、いずれもすでに死亡しているということです。
また、矢野死刑囚が別の殺人を告白した文書が、おととし、都内の別の警察署に届き、平成10年ごろ、東京・豊島区の暴力団事務所で、金銭トラブルから知り合いの男性の首を絞めて殺害したあと、配下の暴力団組員に命じて遺体を遺棄したなどと記しています。
この男性は過去の共済組合を巡る大型詐欺事件を巡って国会で証人喚問された人物で、警視庁によりますと、平成10年ごろに行方が分からなくなり、親族が捜索願を出しているということです。
文書の中で矢野死刑囚は、「毎晩のように、殺害した男性の夢で苦しんでいる。一日も早く穴から出して頂きたい」などとも記しています。