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いまさら聞けないテスラ・モーターズの歴史とイーロン・マスクが目指す未来

いまさら聞けないテスラ・モーターズの歴史とイーロン・マスクが目指す未来

更新日:2016年4月18日

今月1日に「モデル3」を発表したニュースで話題となったテスラ・モーターズ。しかし、まだ創業して間もない会社ということもあり、どういうメーカーなのかいまだによく知らない​方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、そんなテスラ・モーターズの歴史とこれからについて迫ってみたいと思います。

2003年に創業した「ベンチャー企業」

テスラ ロゴ

テスラ・モーターズは、2003年にアメリカはシリコンバレーを拠点として生まれました。 社名の由来は、発明家のニコラ・テスラ氏。創業者と思われがちですが、実は彼はテスラ・モーターズとは何の関わりもありません。
ニコラ・テスラ

テスラ・モーターズはこれまでの自動車メーカーと異なり、シリンコンバレーに本拠地を構える企業であり、その性格はどちらかといえば既存の自動車会社よりはIT系ベンチャー企業に近いところがあります。 出資者を見てもグーグルやイーベイといった、シリコンバレーの著名な企業家が名を連ねています。

電気自動車に特化したラインナップ

テスラ充電

画像出典:www.teslamotors.com

テスラ・モーターズが作るのは、すべて電気自動車です。モデルの数も絞り、ひとつひとつを大々的に売り出すスタイルは既存の自動車メーカーと一線を画しています。 2008年に最初のモデルとして発売されたロードスターは、日本円で1000万円以上。人気の高いモデルSも1000万円以上の価格でした。最新モデルの「モデル3」は比較的お手頃価格となっていますが、それでも他社メーカーの一般向けモデルに比べれば高めの値段設定です。

テスラを率いるCEO、イーロン・マスク氏

現在テスラ会長兼CEOを務めるイーロン・マスク氏は、南アフリカ共和国出身の起業家です。10歳から独学でプログラミングを習得し、12歳の時には最初の商業ソフトウェアを販売するなど、幼少時から抜きん出た才覚を発揮していました。
イーロン・マスク

画像出典:ja.wikipedia.org

17歳でカナダのクイーンズ大学に入学するも、その3年後にはビジネスと物理学を学ぶためにアメリカのペンシルベニア大学へ進みます。そこで経済学学士号を取得したのち、物理学を修めるためにカリフォルニアのスタンフォード大学へ向かいました。
しかし、スタンフォード大学院に入学したのち、すぐにインターネットブームに合わせて起業するために2日で退学。弟と共同でZIP2社を立ち上げ、後に買収された際に資金を手に入れます。
イーロン・マスク

画像出典:ja.wikipedia.org

1999年にはPayPal社の前身となるX.com社の共同設立者になり、2002年にはロケットの製造開発に携わるスペースX社を立ち上げます。宇宙輸送を可能にするロケットの製造開発に携わり、人類の未来の可能性を創造するべく尽力したのです。
宇宙探査や再生可能なクリーンエネルギーの追求に取り組んだマスク氏は、電気自動車メーカーとして登場したばかりのテスラ・モーターズに投資を始めます。そうして2008年、テスラのCEOに就任することとなりました。

歴代モデルたち

ロードスター

テスラ ロードスター

画像出典:www.teslamotors.com

2008年に発表されたテスラ初のモデルは、スポーツカーでした。 社名の由来であるニコラ・テスラ氏の発明品であった交流誘導電動機を中心としたパワートレインを設計し、その特性を生かして生まれたモデルです。1回の充電で394kmもの航続距離と3.9秒で0-100km/h もの加速性能を持ち、高級車にも関わらず2400台以上を売り上げました。

モデルS

テスラ モデルS

画像出典:www.teslamotors.com

続いてテスラは、2012年、世界初のプレミアムEVセダンである「モデルS」を発売しました。 100%の完全な電気自動車として開発されたモデルSは、7人が乗れるスペースと1800​ℓもの荷室容量というファミリーセダンの特性と、約5秒で100km/hまで加速するスーパーカー並みのスペックを見事に両立したものでした。
テスラ モデルS コックピット

画像出典:www.teslamotors.com

そして何より人々を驚かせたのは、主な操作がすべてダッシュボードに設置されたタッチパネルで行えるということです。 本来ならシフトレバーや煩雑な装置が並んでいたあたりはすっきりとし、次世代車として新たな形が世の中に呈示されたのです。 モデルSは2013年にアメリカのカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、現在でも高い人気を博しています。

モデルX

テスラ モデルX

画像出典:www.teslamotors.com

2015年に発表されたのは、クロスオーバー車「モデルX」です。 このモデルでは、安全性が何よりも重視されました。フロア下にバッテリーを取り付けることで重心が下がり、横転リスクを大幅に低減。アクティブセーフティも搭載され、高速走行時でも自動ブレーキが作動するよう設計されています。
TテスラモデルX ファルコンウィング

画像出典:www.teslamotors.com

注目すべきは、このファルコンウィング。幅の狭い駐車スペースでもドアの開閉に困らず、自動車の可能性がぐんと広がりました。

モデル3

テスラ モデル3

画像出典:www.teslamotors.com

そして、現在の最新モデルとなる「モデル3」。 フロントグリルが無い斬新なデザインに、驚いた方も多いはず。印象的なホイールとスタイリッシュな前面が、一目見てテスラだと物語る印象的なデザインです。 大人5人乗りと、先代より少々コンパクトになったこちらのモデルは、低価格であることもポイントの一つです。日本円でおよそ380万円ほどになるだろうと予測され、1000万円超が当然だったテスラに手が届くと世界中のファンが喜びました。

これからのテスラが目指すものは?

テスラ 工場

画像出典:www.teslamotors.com

テスラは現在、続々と生産拠点を拡大し、生産速度をますます上げています。スーパーチャージャーの 増設など、どこにいてもテスラを活用できる社会に向けて、拡大を続けているのです。 現在ネバダ州に建設中であるギガファクトリーでは、「モデル3」の生産を促進。企業や住民のエネルギーコストを削減し、電力貯蔵用バッテリーパックの生産も行うとのこと。
テスラ モデル3

画像出典:www.teslamotors.com

テスラは、新たに参入してきた自動車メーカーという枠組みでは、もはや語ることができません。
エネルギーイノベーションに重点を置くテクノロジー企業であり、新たなアイデアを提供するデザイン会社でもあるのです。

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