フェティッシュの火曜日
2016年4月19日
まっくらの中でごはんを食べるイベントがある
まっくらの中でごはんを食べるイベントがあるらしい。海外でいう「ブラインドレストラン」を日本でやってるのが「暗闇ごはん」というイベントだ。
視覚をなくしてごはんを食べるといろいろなことが浮かび上がってきた。 > 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー お寺で行われている「暗闇ごはん」はお寺で行われている。主宰の青江覚峰さんはお坊さん(しかもMBAも持ってるらしい)で料理マンガの監修もされている。
今回はそのマンガ『サチのお寺ごはん』に出てくる精進料理を中心に暗闇でたべるイベントだそうだ。 口頭で説明が入る。「何だと思われますか? ご自由に喋ってください」「だれかの言葉につられるんですよね」など体験をリードする役割
わからないままたべていくそもそものシステムがおもしろい。
まず参加者はアイマスクを着け手を引かれて席につく。会場の広さもテーブルの大きさも前に誰がいるのかもわからない。 そこから暗闇のまま精進料理のコースをいただく。ぼろぼろこぼすし、自由にしゃべっていいが何たべてるかは教えてもらえない。 最後にアイマスクをとると会場の広さや状況がわかり、その後何をたべていたのかもすべてわかり感動する。 これらを見えない状態で一品ずついただく。何をたべてるのかはかなりむずかしい
どこに何があるのかもわからない。こぼしたり変な食べ方もしてしまう ※アイマスクをしながら撮影したのでブレまくってます
感覚をとぎすまして食べるくらやみの中でたべるごはん体験は大変おもしろかった。
これが本当のスローフードかというほどにおぼつかない手つきでおそるおそる箸がつまんだものをかじる。何をたべているのか、何味なのか、自分の頭の中がぐるぐる回る。 (……ヤングコーン!? ヤングコーンだ!!) 思わず「ヤングコーンですよ!」と口に出す。 「ヤングコーン?」 「おお、ヤングコーンだ…」 ヤングコーンひとつでみんながここまで感動できる日がくるとは思ってなかった。 今となってはそれがどうしたんだという話である。 そもそも精進料理が初体験だったが、暗闇にすることで素材や味の微細なちがいを感じられた。なるほど、このイベントは精進料理に合っているのだなあ。 主催の青江さん。最後に全部の料理の説明がある。今日は監修をつとめるマンガに出てきた精進料理だったらしい。ダシが大豆だったりするやつだ。なんと繊細な…
暗闇ごはんを自分でもやってみるしかし考えてみたら目隠ししてごはんをたべるというシンプルなものだ。青江さんにきいたらぜひお家でもやってみてくださいとのことだった。それはおもしろそうだ。
自分でメニューを考えてデイリーポータルZ編集部の古賀さんと藤原くんに味わってもらうことにした。 持ち込みOKのカラオケに呼び出されたデイリーポータルZ編集部の古賀と藤原
本来うまいもの
うまいものを食べさせるここからはオリジナルのブラインドレストランである。古賀&藤原に食べさせるもの1品目は「最近たべたうまいもの」にした。
本来うまいものを見えない状態で食べるとどうなるのか? たまごパンがとてもおいしかったのでお二人に食べてもらった
不安すぎて怒りさえする古賀:なんかパンみたいな匂いする気がする。なにこれ(笑) ん? なあにこれ?(怒) これさあ、おなじみのたべもの? え、なにこれ? ん!?
藤原:……たまご? 古賀:たまごパン? わかった、ロールパンにたまごサラダがはさまったやつ? でもロールパンにしては硬い気が……ああ、すっごい見たい。 ここでも何が正解かは教えてもらえない。古賀さんは不安すぎてもう怒りさえしている。 実際はもう少し暗いです。おそるおそるたべる二人
見えないとおいしくない――味わえますか?
古賀: 味わえない。見たさがつのる。 藤原:なんだろう?という感じが強いですよね。 古賀:すごく平坦な味というか、起伏のない味になる 藤原:はじめと終わりがない感じですね その後明るいところでパンを食べてもらったところ二人ともこれは美味しいといっていた。 見えない状態でたべると何たべてるのかがわからなくて美味しさより不安が勝るのだ。おいしさは安心がないと感じられないのである。
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