【サンパウロ=宮本英威】南米エクアドルで16日夜起きた地震で、同国のナバス治安調整相は18日、死者が350人になったことを明らかにした。負傷者は少なくとも2068人に上る。倒壊した建物の中に閉じ込められたり、がれきの下敷きになったままの人は依然として多く、犠牲者数は今後も増えるとみられる。約1万4000人が救助活動にあたっている。
コレア大統領は17日に被害が甚大だったマナビ州に入った。18日には死傷者数が今後「確実に増えるだろう」との見通しを示した。同時に「エクアドル人はこの困難をどのように乗り越え、前進するかを知っている」とも述べた。
在エクアドル日本大使館によると、これまで在留邦人の被害は確認されていない。マナビ州で在留届を出している日本人男性4人と連絡が取れていなかったが、菅義偉官房長官は18日の記者会見で「ほとんどの方とは連絡が取れ、安全を確認した」と述べた。
地元紙によると、約1000キロの道路に被害が発生している。マナビ州ポルトビエホ近郊では刑務所の壁が地震で損壊した。受刑者約180人が逃走したが、このうちおよそ30人は再び拘束された。
ロイター通信によると、南米のベネズエラやチリ、メキシコは救助隊や物資を送っている。赤十字は800人のボランティアを組織した。
地震は16日午後6時58分(日本時間17日午前8時58分)ごろ発生した。マグニチュード(M)は7.8で、政府は6州について非常事態を宣言した。1979年12月におきた約600人が死亡し、2万人が負傷した地震以来の大規模な被害と伝えられている。