独立してブロガーとして仕事をすること、5年。色々な人を見てきました。「独立に成功できない人」に共通していることについて、えげつないですが書いておきましょう。
1. 「初めての商品・サービス」にコストをかけすぎている。
たとえばみなさんが、新しいサービスを打ち出そうとします。
失敗する人は、だいたいこの時点で、コストがかかりすぎています。
シンプルにいえば「最初からいいサービスを出そうとしすぎる」という感じですかね。いや、正確にいうと「創業者が一方的に『これはいいものだ』と信じ込んでいるサービス」ですね。
だいたいの場合、その種の商品・サービスはリリース直後に「実はニーズがそこまで強くなかった」「ニーズとずれていた」「機能が多すぎた」ことがわかります。
創業者の頭のなかで面白いものでも、それがすなわち、市場にフィットするとは限らないのです。
2. 撤退、方針展開できない。
んでもって、最初にコストをかけて作ってしまっているがゆえに、商品・サービスを撤退すること、方向転換することも困難になります。
「せっかくお金をかけて作ったから、がんばりたい」とか思っちゃうんですよね。愚の骨頂!
その結果、「いまいちイケてない商品」にだらだらとリソースを費やすことになり、結果的に失敗します。こういう失敗は、ウェブサービスやアプリというより、リアルな商品・サービスに多い気がしますね。
だらだらと続けている姿は、周囲から見ても「ダサい」ものです。「あぁ、この経営者はイケてないな」と思われる前に、さっさとやめるのが大切です。
3. 情報収集能力が絶望的に欠如している。
これもひどい言い方ですが、起業に失敗する人は、そもそも情報リテラシーが絶望的にかけています。これがどういう悪影響をもたらすかというと、以下のようなドツボに陥ります。
- 競合となる商品・サービスを知らないので、差別化に失敗する。二番煎じであることに気づかず、二番煎じをやってしまう。
- 時代の流れが読めないので、先行者優位を取ることができない。。
- 人や事業を見る目が育たないので、最悪の場合詐欺にあう。
めっちゃブラックな話ですが、詐欺にあった起業家の方って、けっこう見てきているんですよ……。暴力団まがいに人たちに騙されるケースだったり、明らかに劣悪な商材を買わされてコスト増大して潰れるケースだったり……。
4. 人を見る目がない。
これは情報収集能力と関係しますが、起業に失敗する人は、「目利き」ができませんね。ゆえに、最悪のケース、詐欺に遭うのです。変な塾とか入っちゃってたりすると、なんかもう目も当てられない……。
人を見る目がないので、人材採用もはかどりません。
優秀な人を採用することができたとしても、スタッフに「え?この社長、ちょっと人を見る目なさすぎじゃない……?」と絶望されて、逃げられます。
んで、残るのは会社に依存して生きるしかない無能な人々……いやだって、ほんとにそういう会社多いんですって!
5. ビジョンを語れない。
これはもう当たり前の話ですが、「求心力」がない経営者は失敗しやすいですね。
逆にいうと、実務がどれだけできなくても、しっかりとビジョンを語り、行動できるリーダーは、経営にも成功しやすいです。
うちのパートナー企業「リツアンSTC」の野中社長とかすごいダメな感じですが、ビジョンを語るのはとにかくうまくて、そこに人が付いていき、会社として成長している感じです。
社長は実務ができなくていいんですよ。「これからの社会がどのようになるか」、そして「自分たちの会社がどこを目指しているか」を語り、関わる人たちを元気にしていく(エンパワーしていく)ことが、本当の仕事なのです。
6. 助けを呼べない。
だいたいにおいて、経営というのは危機に陥るものだったりします。
どれだけ優れた経営者でも、判断ミスを犯すことはあります。自然災害や為替リスクなどを含めて「自分たちではどうしようもない経営リスク」も存在しますしね。
ぼくがやっているようなデジタルメディア系事業も、「いきなり売り上げが半減」なんて状況は普通にありえます。
そういうときに重要なのが、助けを呼べる能力。ここが弱かったばかりに潰れていった企業は、かなりあると感じています。
ほんとうは、助けを呼べば、助かるんですよ。恥を捨てて助けを求めればいいんです。でも、多くの人はそこで声を上げることができない。
会社にかぎらず、個人の人生でもそれは同じだったりしますね。ぼくは死にそうになったら、このブログを使って全力で助けを求めるので、どうぞよろしくお願いいたしますw
7. 採用の時点でミスマッチだらけ。
優秀な人を採用すると、失敗するんですよ。わかりますか、これ。
「優秀な人」よりも、「一緒に気持ちよく働ける人」を採用したほうが、長期的にはうまくいきます。
「チームビルディングの失敗」というのも、よく見かける失敗パターンです。くだらないことで社内がもめていたりするのを見ると、「この会社やばいな……」と思って、距離を置きたくなります。最近だとクックパッドとか「大丈夫かよ?」と心配になりますよね。顧客や社員を無駄に不安にさせるのは、明らかにマイナスです。
8. 儲かることしかやらない。
これも逆説的ですが、「儲かること」しかやらないと、経営は失敗します。
なぜか?儲かることは、みんなやるからです。当たり前ですね。儲かるなら、そりゃあやりますよ、みんな。
みんながやるので、当然競争は苛烈になります。顧客の奪い合いが始まり、商品の単価は下がり、宣伝コストが増大します。何を作っても「他の人と同じもの」にしかなりません。
明らかに儲かる領域に足を踏み入れるときは、注意が必要です。同じように考えて、同じようなことをしようとしている人が、1,000人はいると思ったほうがいいでしょう。
9. 無駄なところに多大なコストをかけている。
「3.」の情報リテラシーの話とも通じますが、ダメな経営者は、コストカットができていません。
いまどきウェブサイト作るのに何十万もかけてたり……。「Wix」使えば無料でできるのにねぇ。
今はいい時代で、たとえば社用の携帯電話を「IIJmio」あたりにするだけで、通信費は大幅に削減できる可能性があります。うちは夫婦でスマホ代、3,000円くらいしかかかってませんよ。
「BIGLOBE」「Nifmo」のように、法人向けの格安SIMを提供する会社も増えてます。さっさと移行すべきですよ、マジで。
経理に関しても「freee」を使うだけで、相当手間が削減できます。請求書を簡単に発行・管理できる「Misoca」もいいですよ。
クラウドソーシングも効果的に活用すべきですね。「クラウドワークス」を覗いてみると、会社で発生する「雑務」はかなり安い値段で外注できることがわかります。
他にも人事労務をサポートする「SmartHR」、バックオフィスを全般的にサポートする「Bizer」などなど、多様なコスト削減サービスが登場しています。Bizerはぼくも使ってますが、マジでこれ便利です。
オフィスに関しても、基本的に自宅で十分ですし、どうしても必要ならコワーキングスペースで十分ですよ。東京・渋谷でも、LightningSpotとかなら月1.5万ですよ。
細かいところでは、簡易社食サービスの「オフィスおかん」とかもいいですね。月額30,000円から、社食を導入することができちゃいます。
こういう新しいツールを使うリテラシーがない経営者は、危機感持ったほうがいいと思います。無駄なコストがあるなら、人材の確保、事業投資に回りましょう。
どうすればいいの?
成功確率をあげるためには、以下のことを気をつけるといいでしょう。
- 商品やサービスは、コストをかけずにリリースする。反応を見ながら、商品を最適化していく。
- ダメなときは積極的に撤退する。または、方針転換する。
- 社長として自ら、情報収集を行う。社員に任せるのはダメです。好奇心を持って、最先端の情報を仕入れ、議論しまましょう。
- 長期的に経営に成功している人の姿を見て、人を見る目を養う。結果を出している人の姿から学びましょう。
- 社員はもちろん、社会に対して、ビジョンを積極的に語る。そして行動する。
- 会社の危機には、助けを呼ぶ。今までの行動が正しければ、助けてもらえるはず。
- 社風に合う人を採用する。優秀な才能には、むしろ「外部メンバー」として関わってもらう。
- 儲かることだけではなく、「儲からないこと」をいかに巧みにやるかを考え続ける。
- 無駄なコストは削減。格安SIM、freee、Bizer、クラウドワークスなどなど、新しいツールを積極的に導入する。
あなたの独立・起業がうまくいくことを祈っております。
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