アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンドは、資金難に陥っているマレーシア政府の投資会社1マレーシア・デベロップメント(1MDB)に対する資金支援契約を打ち切ったことを明らかにした。1MDBと同社の株主が、10億ドル(約1087億円)超の支払いを行わなかったことが理由。1MDBの債券は急落した。

  アブダビのインターナショナル・ペトロリアム・インベストメント(IPIC)は、証券取引所への届け出で、1MDBとマレーシア財務省はIPICおよび傘下のアーバル・インベストメンツとの拘束力のあるタームシート(条件規定書)の条件に準じて「デフォルト(債務不履行)の状態にある」と指摘した。IPICはこれまで、全ての支援義務を履行してきたと説明している。

  IPICは2015年5月に、1MDBの負債の一部支払いのため同社に10億ドルを提供することで合意。IPICが保証する1MDBの債券35億ドル相当における金利支払い義務を引き継ぐことも明らかにしていた。

  ブルームバーグのデータによれば、1MDBのドル建て債の価格は18日に急落し、昨年11月以来の安値となった。利回りは187ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して7.67%。

原題:Abu Dhabi Fund Ends Financial Support to 1MDB Over Bond Deal (1)(抜粋)