【コラム】「えせ歴史学」「植民史観」…レッテル張りに勤しむ韓国の歴史学者たち

 こうしたなか、一部の若手大学研究者たちが在野の歴史学者を「類似歴史学」「えせ歴史学」などと批判していることを危惧している。1970-80年代に上古史をめぐる議論が噴出した際、大学の歴史学者に激しくかみついた主役たちが歴史学と無関係だったのとは違い、今の在野の歴史学者たちは大半が歴史関連の博士学位を持っている。また、狭義での古代史研究者ではないものの、古代史に関する論文や著作を出している識者までを「えせ」と呼ぶのは、学問的な仕切りにとらわれた短見に思える。

 もちろん、こうした荒っぽい表現が、大学の学者たちの歴史観を「植民史観」と決め付ける一部の在野の学者に対する応酬だということを知らないわけではない。彼らは大学の学者たちを「植民史観の末裔」と呼び「植民史観を解体すべき」と声高に叫ぶ。さらに一部の政治家や社会リーダーがこれを支持し、一緒になって大学の学者たちを非難している。20世紀初めの日本による植民地統治を支えていた植民史観が、21世紀の韓国で大学歴史学界を支配しているという主張は、こじつけにすぎない。しかし、政治攻勢に別の政治攻勢で対応するのは学問的ではなく、理性で解決すべき論争に感情で対応する状況をもたらす。

 現在、上古史の研究者は在野の歴史学者、大学歴史学界の主流派と非主流派に分けられる。このうち、大学の非主流派の学者たちは主流派が見逃していた部分を追求し、新たな地平を開いてきた。「植民史観」と「えせ歴史学」の対立構図は、こうした実態にふたをしてしまう。今、私たちに必要なのは朝鮮王朝時代の派閥争いを思わせる感情的なレッテル張りではなく、オープンな姿勢で理性を持って対話し、討論することだ。

李先敏(イ・ソンミン)先任記者
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