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ドリフターズのオルタネイティブ 作者:スターリン
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プロローグ 落日のミュートゥスライヒ(神聖帝国)

今話題の異世界&地球ものをやろうと思います。かっこいいヘタリアを見たい方はどうぞお勧めです
光明暦2056年11月のある日

エルゴラス神聖帝国


首都「ガラドルン・ゲッセル」にて





 「エルゴラス神聖帝国」 かつてその帝国の名前は異世界『ハイディリス・オクローパ』において、最もネームバリューのある名前の1つであった。世界に存在する多くの国の中でも最も多くの人口を抱え、最も広大な国土と世界1・2を争う豊富な天然資源を保有し、魔法技術や科学技術も常に世界最先端クラスであ
るなど、どこにも引けを取らない超大国であった。




その筈だった



10年前にとある負け犬残党共が、神の気まぐれか何か知らないが伝説にも書かれていた謎の連中を味方に付け、国を作って自分達に反撃してくるまでは……





その連中はドリフターズと自分達の事を名乗っていた。その名前はハイディリス・オクローパに生きる全ての知的生命にとって、誰しもが幼少期におとぎ話や伝説として親などから語られた伝説の集団の名前だからだ。
その名前を知ったこの世界の住人達は、
たちまち彼らに注目をすると同時に警戒をし、彼らの行動を一挙一足見張るようになったのだ。


その集団は紀元前275年ごろに突如出現したと当時の政治家や歴史家は書物に書き記し、ドラゴンやエルフなどの長命種はそう語っている。この集団は類稀なる知恵にてこの世界の科学技術の発展と人類の社会的地位の上昇に貢献し、色々と賛否両論はあるが文明の発展に色々と貢献してきたからだ。肯定派も否定派も、その文明の発展に尽くしたという点に付いては同じ意見を持っていた。


具体的には貧富の格差が大きくなって奴隷や奴隷当然の立場に追い込まれる人々などが多く発生したり、資本家が大きな権力を持つようになって国政に一部影響を及ぼしたり、または新しい技術の発展で農業や鉱山での収穫量が上昇したり、
新しい兵器や戦術を生み出したりして戦争の形態を変えたりしてきたからだ。




中でもその恩恵を多く受けたのがこのエルゴラス神聖帝国であり、この国はそのドリフターズの中の数人が当時の国王一族と結婚することでその知恵を多く他国よりも受け取る事に成功したので、元々小さな小国であったこの国は拡張政策を次々と成功させる事ができたからだ。
具体的には他国よりも発展した軍事技術で戦争に打ち勝ちと同時に、他国よりも発展した科学技術や製造技術などで生産力や工業力などを向上させ、他国の製品よりも良い製品を作ったりなどして経済的にも圧倒するようにしてきたからだ。


これらが原因で次々と帝国周辺の中小国は、戦争に負けたことによる併合か国力の衰退により吸収されていき、帝国は次第に大きな大国の名に恥じぬ国へと成長していった。まるでロシアや中国、それにアメリカの様に、
次々と多種多様な人種や種族をどんどん自国民へと編入し、
まるで餌を貪欲に限りなく求めてありとあらゆるものを貪り喰らう大蛇のように、帝国は領土拡張政策を停止する事は一切無かった。


しかし、やがて帝国にも発展の時期から停滞の時期が来る。
組織という存在は例えどんなに発展し続けても、いづれ安寧という名の停滞の時期が到来し、やがて衰退という衰える時期が必ず来るのだ。
それは古今東西関係なく歴史が証明している。この帝国にもそれは例外なく当てはまり、次第にその拡張の歯車はトチ狂いだしておかしな方向へと進み始めた。


不運な事に、彼らはそこで最悪の選択をしてしまった。自分達がおかしな方向へと進み始めたのを放置したどころか、
その方向へと全力で前進してしまったのだ。その結果、帝国の内情は一見するとその強靭そうな見た目とは違い、かなり薄っぺらとなり悪化して国力衰退の一因を招き、間違った選択を選び続けるしか他に道がなくなるという最悪のパターンに突入したのだ。


その結果、歴史あるこの超大国はドリフターズを数多く有するアトランティスという彼らが建国した国を中心とした、
エルゴラス神聖帝国と敵対するまたは隷属関係から抜け出そうと反旗を翻した周辺諸国、それに帝国国内で非支配層の立場に置かれて外国に亡命した連中などによって構成された連合軍と激しい戦争を繰り広げ、彼らの圧倒的な戦術と科学力によって敗北を続出し、遂には首都で激しい攻防戦を繰り広げる有様だった。






 首都「ガラドルン・ゲッセル」。エルゴラス語で「光の丘」を意味する人口900万人を抱える帝国の栄えある都は、
現在その光り輝く華やかな都の姿を消失し、瓦礫と土煙が渦巻くほの暗い町、
死臭と死体に満ち溢れる絶望と廃墟の街と化していた。


帝国市民が多く行き交っていた目抜き通りには市民の姿は失せ、変わりに幾つも備え付けられた大砲とバリケードが幾重にも通りのあちこちに隙間なく設置されており、その後ろで銃剣つきの小銃を構えた帝国軍兵士が必死にこの首都を守ろうと疲弊しながら、
希望はすっかり失せているが最後の抵抗を試みていた。


彼らにとってもうここで命の限り戦う事でしか、もはや他に選択肢はないと覚悟を決めて、秘かに隠された地下道から脱出を試みる市民や帝国上層部のために、
少しでも多く逃げれるように時間稼ぎをしようとしていた。
だが、そんな最後の抵抗を嘲笑うかのように、アトランティスを中心とした連合軍はいつもの攻撃開始時間より2時間早く攻撃を再開し、
地上に存在する全ての物を吹き飛ばす勢いで激しい砲弾の雨を降らせてきた。



シュワーーン シュワーーン


「さぁ来たぞ。いつもの“アトランティスの花火”だ!伏せろ!!」


バリケードの裏側で待機していた兵士たちは、いつも攻撃の最初に行なわれるロケット弾攻撃(通称アトランティスの花火)に慌てて身を低くして地面に伏せ、周辺に降り注ぐロケットの雨が止むのを待った。特徴的な噴出音と共にロケットがバリケードに向かって幾つも飛来し、
バリケードや辺りの建物に当たって爆発して破片を周囲に飛び散らせ、その破片に当たったり運悪く直撃した哀れな兵士たちの悲鳴や呻き声、それに激しい砲撃の雨に耐え切れない新兵の悲鳴が、直ぐにバックコーラスとして響きだした。


ロケットの攻撃が止んだ後もその声が止む事はなく、帝国兵士たちの間ではその声が周囲に響き渡るにつれて新兵の中には深い絶望に包み込まれ始める者もいたが、ほとんどのベテラン兵士たちはほぼ毎回この攻撃を喰らい続けて慣れてしまったから士気が低下することはなく、
逆に冷静にロケット攻撃の後に行なわれるいつもの突撃に注意を払い、何時でも撃てる様に狙いをバリケード向こうに定めて警戒していた。


彼らの読みは正しく、キャリキャリキャリキャリという敵軍が使用するキャタピラという謎の部品から発せられる機械音が周囲に響きだし、
その機械を利用して地面を走りながらこちらに向かう戦車という、これまた彼らの常識では余り理屈が不明な物体が数両視界に入ってきた。


この物体は分厚い装甲板と大砲を兼ね備えた重さが馬20匹以上に匹敵する代物で、大砲の弾の直撃でもかなりの至近距離でないと、その装甲板を貫通するのは不可能であった。
そして装備する大砲の他に機関銃という、これまた彼らの常識からかけ離れた連発できる銃の2つを用いて、今まで散々に神聖帝国の兵士たちを砲撃して爆殺し、掃射して銃殺し、
そしてその重量を存分に利用して轢き殺してきた、言うならば一種の怨敵に相応しい存在だ。


そんな忌まわしき怨敵でありながら戦場で良く出会う親友でもある戦車の車体の陰に、数人の敵兵士が戦車の車体を遮蔽物として利用しながら紛れ込んでおり、
こちらの攻撃や罠に警戒してゆっくりと進んでくる戦車と一緒に、戦車をサポートするべく車体周囲を細かく鋭く見張り、何時でも撃てるように引き金に指を掛けて警戒しながら随伴歩兵として前進してくる。




ここで何故彼ら随伴歩兵が市街地での戦車に必要かと言うと、市街地は高層ビルやマンションなど高い建物が多く、しかも歩兵が隠れることが出来る死角が多い。ゆえにゲリラ戦を挑むにはもっとも適していて、逆に戦車など小回りの利かない装備の多い正規軍がもっとも苦手とする場所であるから、
どこの国の軍隊でも市街戦は避けるのが大原則である。


それを無視して戦車など車両だけで市街地に突撃させ、大損害を被ったケースは近年だとチェチェンのロシア軍とイラクのアメリカ軍である。チェチェンでロシアの戦車というか戦闘車両がボロクソにやられたのは事実だ。市街戦において、
あろうことか随伴歩兵をつけずに、戦車だけを先行させ無防備に突っ込んでいったのだ。


なぜそんなことをしたのかといえば、
誰もが敵より優勢だと陥る判断の1つ“油断”だ。チェチェンは機甲戦力がない、というところからの基本を忘れた思い込みのせいだ。こういうのは米軍もたまにあるのだ。ロシア軍も戦車だけで突っ込むようなことは流石にしなかった。
最初にロシア伝統の豊富な火砲の火力による猛砲撃を加えた後、戦車と歩兵戦闘車、歩兵が連携しながら市街地に入るというオーソドックスな手順を踏んでいたのだ。


しかし、チェチェンのゲリラたちは戦車が砲を向けられない建物屋上や上部から待ち伏せていたのだ。市街地に入ったT-72や62などの戦車は上からRPGロケットが直撃、
戦車のもっとも弱い上面装甲を貫かれて瞬時に弾薬が誘爆して炎上。被弾した車両の90%が破壊され戦車兵の約7割が戦死するという悲惨なものでした。戦車も反撃しよう試みるが高い位置まで仰角が取れず砲が向けられない。そんな弱点をゲリラはよく知っており、ゲリラ側の一方的な戦いの結果、ロシア軍の損害は戦車約200両、
戦死者約5700名という悲惨な結果となった。


チェチェンにおいてロシア戦車にとって不幸だったのは、
チェチェンの兵士が元ソ連軍の精鋭でもあり、ロシアの戦術や装備の弱点などを詳細に知り抜いていたことだった。装甲車ひとつにしても、
どの部分にどんな角度で撃ち込めば確実に撃破できるか、
ということをチェチェンの兵士は知っていたのだ。いくら機甲戦力があっても弱点やら戦術やらを完全に知られ、敵の意図するフィールドに誘い込まれればやられるのは当たり前だろう。


一方のイラクでのケースでは、イラク戦争後のゲリラ戦で当時のアメリカ軍は最新のC4I(軍隊における情報処理システム。指揮官の意思決定を支援して、
作戦を計画・指揮・統制するための情報資料を提供し、またこれによって決定された命令を隷下の部隊に伝達する。すなわち、動物における神経系に相当するものであり、部隊の統制や火力の効率的な発揮に必要不可欠)装備で戦いに挑んだ。


市街地戦用のM1戦車、高度なC4I機能と遠隔操作できる機銃を備えたストライカー装甲車、コンピュータ端末を持った連度の高い歩兵がお互いにデジタルマップで連携しながら戦う。21世紀の戦場と言われて良い結果を残せるかと思われた。ところが実際にはM1はやはり高い位置の敵に砲を向ける仰角が取れず、
それを補うストライカー装甲車の遠隔機銃は敵歩兵の移動にまったくついていけず、自慢のデジタルマップは速い速度で変化する市街戦についていけずに遅れた情報しか表示できないと、まぁこちらも悲惨な結果で終わった。デジタル戦場とか頭の中ではうまく言っても、実際の戦場で使ってみないと実際に役に立つかは分からないのが実証された。


だが、このイラク戦争では市街戦における戦車の有効性も実証された。装甲は歩兵の盾となり、戦車砲は高くコントロールしやすい制圧力を持つ事が実証されたのだ。戦車をはじめとする装甲戦闘車両は、敵脅威に対する攻撃力と防御力と機動力を兼ね備えた 戦闘単位として“完成された兵器”だ。これなくして作戦目的を達成するのは極めて困難で高価な戦車であっても、費用対効果で言えば最も安価に済むのだ。


他にも市街地の内部で使える対戦車兵器というのは案外、
種類が限られている。また、市街地という複雑に入り組んだ地形は何よりもそこに住民が多数住んでいることからくる。
様々な問題があるし、陣地として見ると切れ目がなく隠れるところが多く、視野が遮られるし、しかも鉄筋コンクリートは銃弾を止める。
よって、守るにも攻めるにも野戦と比べてはるかに多数の兵を必要とするのだ。


戦車は市街地で盾になるというか、このような市街地各所に陣地を築き立てこもる相手に対して陣地自体を見て(装甲で守られているから敵の銃火を冒せる)、
戦車砲を直接向けて狙いをつけて、壁をぶちやぶって(120mm砲弾の威力)中の敵兵を殺傷する、あるいはその威力でもって敵兵に陣地を放棄するのを強いる。 確かに歩兵は市街地のような地形であっても、利用して陣地に作り変えることができるが、それでも戦車ほどに敵火を冒すことはできず、戦車ほど早く走れないし、戦車ほど威力のある攻撃手段を持っていない。


だが、それでも市街地では敵歩兵の肉弾攻撃や敵工兵の罠などは戦車にとって脅威であるのは変わらないので、その対処には罠の解除や軍用車両の通り道の開拓など細かな作業を行なえたり、戦車など車両では入れない屋内などに進入できる随伴歩兵は必要なのだ。故に随伴歩兵達は戦車部隊と一心同体の絆で結ばれており、この日も一行はこの最後の敵の拠点を陥落させるべく、
静かにゆっくりと着実に前進していた。






 その姿を視界に納めながら帝国軍兵士たちはバリケードの後ろで限界まで連中を引き付け、かなりの人数が固まりだしたところを見計らって一斉に攻撃を開始し、敵にこちらが全滅するまでにかなりの出血と時間の消費を強いる計画の実行を、数少ない熟練兵たちは考案していた。


何故そのように引き付ける事を考えたのかと言うと、有効射程範囲内に入った時点で攻撃を開始すれば、直ぐに敵随伴歩兵は戦車の車体に隠れ、戦車は砲塔をこちらに向けて砲撃するのでこのような簡易なバリケードは容易く破壊され、自分達は一矢報いる事もできずにそのまま蹂躙されるのが目に見えているからだ。


だがしかし、かなりの至近距離まで敵を引き付ければどうなるか?それこそ相手の眼が確認できるぐらいまで距離を縮めれば、バリケードに身を隠したまま手当たり次第に撃っても距離が近いので誰かに当たる確率は高まるだろう。それにこちらには至近距離限定だが何とか戦車を撃破または大破可能な攻撃手段があるので、それを行なうのにもやはり距離を縮める必要性があった。


そして何よりも彼らの部隊は全員が兵士であるわけではない。史実第二次世界大戦でのドイツ第三帝国の様に戦力の底が付いて慢性的な兵員不足に陥っていたので、国民突撃隊のように市民らを緊急動員して招集・結成した民兵が大半である。郷土を守るために一般市民を最低限の訓練を施した(この最末期には訓練なしのまま前線に投入されていた)ため、
それゆえ下手な新兵よりも戦力的に役に立たない者ばっかりなので、至近距離ならば流石に訓練を受けていなくても命中率は少しでも高まるだろうと思い、この計画を考えたのだ。




だが、その予想に反して・・・・・



「ひっ・・・!
くっ、来るな。来るな来るな来るなぁーー!!」


「あっ・・・・・あぁ」



パパーーン!



まさか敵の接近に精神が耐え切れず、
思わず構える銃の引き金を引いてしまった者が2人も出るとは予想だにしていなかった。発射された2つの弾丸は1つは戦車の前の地面に穴を穿ち、もう1つは戦車の前面装甲板に弾かれて地面に転がった。この攻撃でバリケードの裏に敵がいる事を知ったアトランティス軍は直ぐに随伴歩兵連中を戦車の後ろに隠れさせて避難させると同時に、この予期せぬ“挨拶”に対して熱烈な砲撃と銃撃による返答を送った。


たちまち戦車の主砲からの砲撃や、随伴歩兵達の持つ自動小銃や突撃銃による銃撃の雨がバリケードに向かって降り注ぎ、バリケードは幾つもの大小の穴を穿たれたり、砲撃で木っ端微塵に吹き飛んだりした。その吹き飛んだバリケードの一部が破片として身体に刺さったり、爆風に巻き込まれたりして全身大火傷を負ったり、砲撃などによって体の一部を失ったりする兵士や、
銃弾で身体に穴を穿たれたりする兵士が続出し、次々と死者や負傷者でバリケード一帯は溢れだした。



(ちくしょうめ!!
これだから民間人を無理やり兵士に仕立て上げるのに嫌な予感がしたんだ。もう、これが最後の戦いだっていうのに、
最後の最後まで味方に足を引っ張られる破目になるとはな・・・・・全く泣けるぜ。ハァ)


そんな悲酸な光景を横目でチラリと見ながらとある老兵は自分の今置かれている現状の事を思い、
その余りの絶望感溢れる現状に思わず溜め息を吐いていた。
彼は本来なら今年で55歳と日本の自衛隊なら1年前に定年退職している“高齢”(基本的に世界共通だが、兵士は55歳を境に体力低下などの理由で定年退職する)なので、兵士になる資格は既に無い筈だった。


普段であれば長年在籍した軍隊を離れて実家の営む農場で手伝いをし、そのまま農夫として残りの半生を終えて過ごす筈だった。しかし、
昨年新たに政府が発令した戦時緊急法案の1つ「国家総動員法」のせいで、軍隊から離れる事はできなくなったのだ。彼は軍隊に約30年間勤めている大ベテランで、市民を動員する今となっては帝国軍にとって宝石よりも貴重な存在であった。


何よりも彼は今の戦いを含めると約50の戦闘に参戦し、
その全てを生き抜いてきたもはや「異能生存体」(装甲騎兵ボトムズシリーズにて定義づけられている概念で、「どんな事態に遭遇しても、
何をされても死なない生命体」の事)としか言いようがない存在だ。だが、流石に今回ばかりは彼も自分が死ぬだろうと確信めいた予感を少しばかり抱いていた。


理由は前述したとおりにまずは部隊を構成する大半が民兵ばっかりであるのと、
後は武器の性能で大きな差をつけられていることだ。彼ら神聖帝国軍やこの世界に存在する諸国の軍の使用する銃火器は、地球で言うならばミニエー銃クラスと19世紀中盤ぐらいのレベルだ。幾ら射程がマスケット銃より伸びて威力も増大したとはいえ、10発マガジンを装填できる自動小銃を使うアトランティス軍に勝てる見込みなど、
不意打ち以外であるわけがなかった。


何よりも戦力差が激しいのも1つの要因だ。神聖帝国が保有する現兵力を1とするならば、アトランティスとその友好国の連合軍は9であった。つまり9倍も数が多く、それで兵器の性能もこちらより優秀な敵と戦っているのだ。これで何か良い予感を抱けるとは常識的に考えてほぼありえないだろう。敗北するのはもはや時間の問題だ。


だが、それでも


「まだだ…!まだ最後まで戦うぞ!このクソッタレな祖国に長年忠義を尽くしてきたのだ。ならば最後まで忠義を尽くしてこの国に命を捧げる他あるまい。既に家族は非難させた。
心残りはない!」


彼は決して諦めたり屈したりせずに、
最後まで抗う意思を持っていた。もはやここまで負ける未来が見えてくると気が滅入るどころか何だか逆に清々とした気分になり、長年色々と思うところはあれど忠誠を尽くしてきたこの祖国に、滅亡し亡国となる最後まで彼はとことん付き合う気持ちで意志が固められていた。


その気持ちは彼だけではなかった。彼と同じく数少ない古参兵や一部の民兵らも同じような感情を抱いており、士気はこんな絶望的状況下においても逆に上昇する一方で死兵と化す勢いであった。彼らの心にあるのはただ1つ、恥ずかしくない誇りある名誉の死を迎え、敵を1人でも多く殺して通達された任務の目的である時間を稼ぐことただそれだけである。






 彼ら以外の神聖帝国の兵士がもはやこの絶望的な状況に絶望し、ほぼ自己放棄となってやけくそになったり、もしくはただ自分が生き残る事を優先して消極的に戦う兵士が多い中、彼みたいな死兵と化した一団はこの落日の帝都の中で一際輝いていた。・・・・・いや、余りにも周りの状況が酷いから余計に輝いたと言った方がよいだろう。


帝都のあちこちで絶望した神聖帝国の兵士が残留している同じ帝国市民に対して狼藉を働き、作戦に必要だとか司令部からの命令と称して物資を強奪していく。
それに逆らった市民はリンチに遭うか、
最悪の場合その場で銃殺されるか刺殺されるかどちらか2つの運命を辿る破目になっており、市民からすれば自国の軍隊であるはずの帝国軍は敵の連合軍と変わらない、寧ろ敵の方がまともだと思うぐらいに侵略者同然に見える有様だった。


そしてそれは、アトランティス軍を中心とした連合軍に対しても同じことが言えた。アトランティス軍は前述の通りドリフターズを中心に建国された国家で、
厳格な規律によって統制されていたので敵とはいえ神聖帝国の民間人に乱暴を働くものは皆無(変わりに見下したりするなど、手は出さないがそれなりの態度を取っていた)だったが、他の連合国を構成する諸国は違った。


連合国を構成する諸国は全てが大小差異はあれど、神聖帝国に対して負の感情を抱いていた。それは史実で言う特亜3ヶ国と日本の関係の様に、ソ連とナチス・ドイツの関係の様に、もはや国家政策をも左右するぐらいに魂にまで刻まれる深い憎しみの感情だ。
ここまでくればもうどうにも止まらない。それこそ原因の相手国家が消滅しない限り、とことん恨み続けるという厄介な感情をエルゴラス神聖帝国に対し抱いていたのだ。


何故そのような負の感情を神聖帝国に抱いているのかと言うと、エルゴラス神聖帝国がやらかした悪行の1つとして有名な国内の人種問題に対する政策の所為だった。詳しい事は後日説明するが、史実のアパルトヘイトと比べるとアパルトヘイトの方が『人道的』な政策と称賛されるぐらいだと言えば、一体どれだけ過酷な人種隔離政策を行ったのかが窺い知れるだろう。


ゆえに長年積もった恨みの感情を晴らして心を満足させようと、彼らはこの陥落寸前の首都だけでなく、ありとあらゆる神聖帝国本国内で独ソ戦後期におけるソ連兵士の様に“自主性”を発揮していた。ある街では全ての家屋からタンスなど家具の類が全て無傷であれば持ち去られたり、とある村では牧場で避難出来ずに取り残された家畜が全てこれまた持ち去られたり、戦場で降伏した兵士たちが本国復興の名目でそれぞれの国に強制連行されたりしたのだ。


流石に民間人には手出しをすると、神聖帝国の今までの所業と変わらないと思ったのか手出しはほとんどしなかった(不運にも被害に遭う民間人は数少ないが存在した)が、その今までの所業のせいで民間人への対応はかなり厳しいものとなっていた。具体的には食糧配給の量を規定量より少なめに配給したり、勝手に施設や家屋を接収したりしたのだ。


こうした連合軍の情報を神聖帝国も色々な伝手から知っていたので、果たして下手に降伏したら一体どんな目に遭うかと戦々恐々し、このように必死に最後の抵抗を繰り広げていたのだ。なので神聖帝国軍上層部には時間稼ぎの思惑だけでなく、万が一降伏する際にこちらの激しい抵抗によって出血を多く強いる事で、講和条約において過酷な条件を少しでも科されないようにしようと目論んでいた。


こうした様々な思惑の下、首都を巡る最後の戦いは激しい接戦を繰り広げて、
まるで溶鉱炉に投入される鉄鉱石の様に次々と人命を両軍共に用意に溶かして行った。そのような神聖帝国が魔女の大釜と化す中、遠く離れたアトランティスの首都「アトランティス」では定例会議が行なわれていた。





同日
アトランティス共和国 首都「アトランティス」にて





 アトランティス共和国の首都アトランティスは、面積は日本の東京23区とほぼ同じ大きさで、
人口は約400万人を抱えるなど地球でも大きな首都を称されるこの世界でも有数の大都市である。
フランスの首都パリの様に区画整理されたこの都市には、
それぞれ地区ごとに特徴あるユニークな構成をしており、
この都市では多くの種族が様々な権利を平等に憲法で保障され、安寧な日々を暮らしながら国家に色々な手段を持って尽くしていた。


ある猫の獣人は国家憲兵隊員と成って治安維持に勤め、コボルトやドワーフなど手先の器用な山の民は鉱山や工場で働き、エルフや妖精など魔法に優れた種族は魔法アカデミーなど研究機関に勤め、
この国で最高の比率を占める人間はその才能によって色々な職場で勤め、アトランティスの国力増強に一役買っていた。


そんな市街地の喧騒をBGMとしながら、市街地から少し離れた場所に存在する小高い丘の上に築かれた、白い大理石が特徴的な大きな宮殿内部にあるとある大広間にて、数人の成人した人間の男性が大きな円卓を囲んで座っていた。彼らの格好はそれぞれ一定の纏まりがあるがバラバラで、灰色の軍服の様な格好をした者もいれば、濃い茶色の襟章が特徴な軍服、所々金色なのが特徴な白い軍服を着ている者もいる。


そして彼らに特徴するのは、それぞれどこかの団体または国家のしるしをイメージするようなマークを施した装飾を、
着用している軍服に装着している事だ。
ある者は白地の中心に太陽の様な赤い丸を中心に底から赤いラインが全方向に伸びている代物を、
赤と白の13本の横ラインが右半分を占めて残り左半分を50の星で埋め尽くされた代物や、赤地に黒と白い十字架の様に斜めにクロスしたマークを主体とした代物、赤地に真ん中に金色の大きな星が輝く代物、緑・白・赤の縦三色旗で真ん中に白と赤い十字架の紋章が特徴な代物、白地に赤い十字+青地に白い斜め十字+白地に赤い斜め十字を組み合わせた代物etc、これらをそれぞれ襟章など目に見えやすい箇所に装着している。


そんなそれぞれバラバラだが一定の整った服装をしている男達は円卓を囲みながら、敵の神聖帝国の最後の拠点である首都ガラドルン・ゲッセル攻防戦についての戦況と、今後の国際情勢に付いて議論を交わしていた。


「遂にこの長年やっていたらしい戦争も終わりですか。我々使者が呼び出された理由と思わしき戦争が終わるのはかなり感慨深いものがありますなぁ・・・・・となると、この後に控えるのは講和条約ですが一体我々、
いや、我が国はどんな要求を連中に突きつけるつもりですか?あのドイツの皆さんに大変不評なベルサイユみたいに、
この世界の常識を踏まえれば過酷な条約を突きつけたほうが良いですかねぇ?」


「馬鹿な!!そんな事をすれば祖国みたく第2のナチスを生むのは明白だぞ!寧ろここはかなり向こうに譲歩した条約を突きつけるべきだ。
向こうがもう過激にならないような国家体制を作れるように、我々は我慢すべきだと思う。なぁ、
ドイツ軍人なら俺の考えに同感だよな!?な!?」


「落ち着くんだロンメル将軍。確かに君の言うことにも一理あるが、この世界で一体神聖帝国がどれ程の事を仕出かしたか知らないわけがあるまい。彼らは君たちの祖国の様に強制収容所を多く建設したりして、それに今も国民突撃隊のように民間人をも動員して無駄に犠牲者を出している有様だ。
ゆえに部外者である我々が簡単に判断を下せる問題ではないのだ。他の国々とも話をしてから決めるべきだろう」


がやがや

ざわざわ


円卓では今後の敵国エルゴラス神聖帝国の処分について激しい議論が行なわれている。どうやら穏健派と強硬派、そして様子見の3つの派閥に分かれているようだ。その議論の中で出てきた国民突撃隊とは一体何かと言うと、当時のイギリスのホーム・ガードや大日本帝国の国民義勇隊のように、本土決戦に備えて17歳から65歳までの民間人の男性の義勇兵により組織された民兵組織である。


この組織は1944年9月の総統命令により本土防衛に備えて、創設された軍事組織を指す。16歳から60歳の文民で構成されており、
指揮官も軍人ではなくナチ党の地元指導者が任命された。
これにより10180個大隊(約600万人)の新しい兵力の創設が予定されていた。動員された兵士(隊員)の質は一般部隊とは格段にばらつきが大きく、
第一次世界大戦に参加した古参兵士もいれば、老人や十代前半の子供もいる寄せ集めであり、士気もお世辞にも高いとは言えなかった。


更に、大戦末期のため武器不足が深刻で、対戦車攻撃用に大量生産された使い捨てのパンツァーファウスト以外は小銃はおろか、拳銃でさえ前大戦時の物をかき集めても全てには行き渡らず、鹵獲したものをそのまま使ったり、個人所有の猟銃までもが駆り出される始末だった。
その上、銃を支給されても弾は満足に無く、小銃一丁につき銃弾が三〇発も支給されれば良い方だったという。


また、武器とともに物資も不足していたため鉄兜等も満足に行き渡らず、制服に至っては国防軍から提供される軍装では到底足りなかった。
そのためヒトラーユーゲント等の党組織やドイツ鉄道の制服、さらにワイマール共和政以前の旧式軍装を流用・改造したり、私服に腕章を着けただけの物まで出るという有様だった(自前とされていたため「野戦向きの服装なら何でも良い」とされた)。 武器もお粗末で訓練もろくに受けず、戦闘経験が殆どない指揮官が多数を占めたため、
戦力的には無いよりましという程度の存在であった。また、
連合国軍との戦闘やその後の敗残兵狩りで、多くの一般市民が巻き添えを食う原因となった。




こうした組織を結成して更に強制収容所を多く建設するなど、神聖帝国はこの会議の参加者が帝国に対してかつてのトラウマを刺激するような否定的な感情を抱かせることばかりをしてきているので、
強硬派の連中は自分達の知っている講和条約の中でも最も厳しい条約の1つを思い浮かべ、その条約に似た内容を突きつけることで神聖帝国から多くの国力や軍事力、それに誇りなどを接収することで2度と同じような真似をすることが出来ないようにしようと考えていた。


その一方で先程名前の挙がったロンメル将軍とやらを中心とした穏健派は、このベルサイユ条約の落とし子と言うべき独裁国家の犯した所業を良く知っているので、第二・第3の発生を防ぐ為にもある程度は譲歩すべきだと考え、強硬派の意見には全面的に反対だった。残りの中立派はここが“自分達の知る世界”とは違うので、自分達の常識に基づくのではなくこの世界の常識に則り、自分達の同盟国らともよく相談してから神聖帝国に突きつける条約を考えるべきだと考えていた。


「ドゥーチェ(イタリア語で国家指導者を指す称号の一つ。
日本では統帥、統領、総領、総統、首領とも訳されている)はどう思いますか?
過酷な条件を突きつけるべきかどうか何か意見はございますか?」


そんな一行の議論を聞きながら、とある参加者が円卓の上部で肘を組んで座ったまま先程から無言で目を瞑っている男に尋ねた。ドゥーチェと呼ばれた中年の男性は深い溜め息を吐くと、次のような事を発言した。


「確かに戦後の事を考えるのも重要だが、諸君らは大事な事を忘れてはいないか?そう、それぞれの祖国に帰るという大事な目標を・・・・・!」


その言葉を聞いて一行は互いに無言となり、黙り込んでしまった。そう、彼らはあくまで漂流者なのでこんなこの世界の事を深く悩まなくて別に問題はないのだ。彼らにある目標はただ1つ。それはそれぞれの祖国に帰ることだ。


「イタリア・ドイツ・アメリカ・イギリス・日本。この5ヶ国にそれぞれ諸君が生きて帰還出来る日は一体何時来るのだろうか・・・・・」


彼はそうぼやきながら着用する軍服の胸ポケットからとある手帳を取り出した。その手帳はかなり使い込まれた痕跡を残しており、表紙にはこう記されていた。
「ベニート・アミルカレ・アンドレア・ムッソリーニ」と





これは史実で不運な最期を遂げた、または戦死した勇者達が異世界で繰り広げる、それぞれの祖国への帰還に向けて繰り広げる壮大な冒険劇である。

はたして何故彼らはこの世界に飛ばされたのか?

彼らをここに飛ばした者の思惑とは?

すべては神のみぞしるだろう

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