新断層を発見 益城町中心部の直下に 広島大
熊本県で16日未明に発生したマグニチュード(M)7.3の地震について、中田高・広島大名誉教授(変動地形学)ら同大学の研究グループは18日、震源域の同県益城町中心部の直下に延びる新たな断層を現地調査で発見したと発表した。断層は既に存在が知られていた布田川(ふたがわ)断層帯から分岐しており、同グループは分岐断層が動いたため同町で甚大な被害が出たと結論づけた。
中田名誉教授と、いずれも地理学が専門の後藤秀昭、熊原康博両広島大准教授がM6.5の地震を受け、15日から被災地に入って調査。同日は地形の顕著な変化は見つからなかったが、16日未明の本震の後に調べた結果、地形のずれを約50カ所で確認し、分岐断層の存在が浮かび上がった。
後藤准教授らによると、分岐断層は布田川断層帯の北側で発見。同町上陳地区から西南西に向かって延び、町役場の南約500メートル付近まで達していた。分岐断層の長さは約5キロ、横ずれ幅は最大約1.2メートルで、M7に相当する規模という。
熊原准教授は「分岐断層は布田川断層帯の一部で、二つが同時に動いたと考えられる。川による浸食と堆積(たいせき)が繰り返されて地層が上に乗り、これまで存在が分からなかった」と話した。【石川裕士】