3月20日から22日までの3日間、青春18きっぷを利用して旭川から函館、青森へと行ってきました。
3月26日に北海道新幹線が開業すると、もう在来線では津軽海峡を越えることができなくなるし、青春18きっぷだけで越えることもできなくなる(オプション券を購入すれば新幹線に乗れるけど)んで、最後に一度乗っておきたいってのがありました。
さらに、北海道新幹線の開業を前に、いくつかの列車が廃止されてしまうので、「カシオペア」や「スーパー白鳥」の最後の姿を見ておきたいという理由も。
その時の様子をまとめたので、よろしければご覧くださいませ。
あ、今回、載せてる写真のほとんどはiPhone6での撮影です。一眼は持って行ったんだけど、面倒くさくてあんまり出さなかった。どうやらそんなに撮り鉄体質ではないらしい。
事前に購入しておいた青春18きっぷ。
一片のチケットを見ているだけで、これほど心が浮き立ってくることってなかなかないよね。
いつもの旅行は妻と二人旅なんだけど、今回は珍しく一人旅。
「おれんじ食堂」とか「リゾートしらかみ」には大喜びで乗るんだけど、さすがに何時間も普通列車を乗り継ぐ硬派な旅は遠慮したいらしい。
1日目 - 3月20日(日)
旅のスタート地点、旭川駅。
うむ、見事なまでに誰もいない。
この旅一本目の列車、8時10分発、岩見沢行きの普通列車に乗り込む。
隣の可愛らしいキハ40と比べるとブサイクやな。
日曜日の朝だからか、車内はガラガラに空いている。
座席は転換式のクロスシートで、座り心地もなかなか良好。
ホームには橇を曳く逞しいばん馬の像が。今じゃ「ばんえい競馬」、岩見沢じゃ開催されてないんだけどね。
岩見沢から札幌行きの「いしかりライナー」に乗り、江別駅で下車してさらに小樽行きのいしかりライナーに乗り換え。みんな同じ顔だ。
岩見沢から乗った列車は座席が8割方埋まっていたけど、こちらは空いていたので、海の見える右側の席をキープできた。
札幌駅に停車。
向かいのホームの端には、札幌行きラストランとなる「カシオペア」を待つ人達がずらりと並んでいる。
銭函駅を過ぎると列車はしばらく海沿いを走る。波飛沫がかかりそうなほど近い!
小樽駅に到着。ホームは小樽らしいノスタルジックな雰囲気。
お次は長万部行きの2両編成のディーゼル車、キハ150に乗り込む。
朝ドラ「マッサン」の影響がまだ続いているのか、車内は余市に行くと思しき観光客で溢れ、満席になった。
4人がけのボックスシートに4人座るのは狭い。
案の定、余市でほとんどの乗客が降りて車内も空いたので、小樽駅構内にある鶏の名店「なると」で買ってきたザンギをもぐもぐ。うまいー。
倶知安駅に長時間停車。ホームに出て身体を伸ばす。
「羊蹄山見えるかな?」と思って左側の座席に座ったんだけど、残念ながら裾が見える程度で上の方は雲の中。
手前の畑には、融雪剤が模様を描いている。
JRの駅を全て五十音順に並べたときに、一番最後になる蕨岱(わらびたい)駅。
小樽を出て約3時間。小雪の舞う長万部駅に到着。ぬふー、長かった。
駅の跨線橋の上から。「鉄道の街」として栄えた名残か、何本ものレールが走ってるのが見える。
おはまんべーっ!
一時、Twitter上の発言で物議を醸した長万部町のまんべくん。
実際に観光案内所にいることもあるんだとか。会ってみたかった。
おや?見慣れない車両があるな。
おお、北海道新幹線開通と同時に開業する、「道南いさりび鉄道」の観光列車かな?
私達の乗る普通列車に連結されてるんだけど、回送なので残念ながら乗ることはできず。
長万部を出発した函館行きの列車は、噴火湾に沿ってのんびりと南下。
進むにつれて、道南の秀峰、駒ケ岳の姿が大きくなっていく。
森駅で30分ほどの長時間停車。
ホームの跨線橋からは延びるレールと海と駒ケ岳の姿を望むことができる。お気に入りの風景。
反対側の空も朱く染まってきた。
すっかり暗くなった19時25分。旭川駅を出て11時間と15分、5本の列車を乗り継いで、ようやく函館駅に到着。
函館に来るのは一昨年の夏以来かな。北海道新幹線開業を前に、ちょっと浮かれムード。
函館駅前のキラキライルミネーション。
お腹も空いたので、函館駅の近くにある「ラッキーピエロ」へ。
ラッピと言ったら「チャイニーズチキンバーガー」が有名で私も大好きなんだけど、今回はそのチキンが添えられた「チャイニーズチキンオムライス」をオーダー。
おおう、想像以上のボリュームのものが出てきたw
卵は分厚くて中のケチャップライスは家庭的な懐かしい味。醤油ベースのチャイチキとの相性もいい。
お腹がいっぱいになったところで函館駅に戻り、寝台特急「カシオペア」のラストランを見送りに行く。
函館駅の発車標に「特急カシオペア」の文字が浮かぶのもこれが最後。
カシオペアが入線するホームには、すでにずらりと人の列ができてる。
さすがに良いポジションをキープするのは難しかった。ま、そこまで「撮る」ことにはこだわってないからいいんだけど。
二両のディーゼル機関車に牽引され、カシオペアがゆっくりと函館駅のホームに滑り込んでくる。
先頭の機関車の周りは写真を撮る人達でごった返し、レンズを向けるのも難しい。
部屋の窓には、乗客が列車への感謝を伝えるメッセージの書かれたボードを掲げている。
結局、カシオペアもトワイライトエクスプレスも北斗星も、乗れずじまいだったなぁ。
ここで連結された電気機関車に牽かれたカシオペアは、たくさんの人達に見送られ、上野に向かって走り去っていった。
観光列車として復活するという話も聞くので、そのときには乗ってみたいと思うんだけど、凄い料金高いんだろなぁ。
今回、2泊お世話になった函館市内のゲストハウス「ペリーハウス」。
妻との二人旅のときは、市街地ではビジネスホテルに泊まることが多いんだけど、今回は一人なのでさらに安く泊まれるゲストハウスを選んだ。
部屋は二段ベッドのある個室。清潔だし、テーブルやクローゼット、FF式のストーブもあるので、充分快適。この狭さも落ち着く。
これで1人3300円ならなかなかいいかな。
キッチンには調理道具や食器がひと通り揃ってるので、自炊しながら滞在することもできそう。
今回、持って行った「おやつセット」。
ラムネやビスコ、キャラメルといった、私の大好物がコンパクトに詰まってる。
2日目 - 3月21日(月・祝日)
翌朝、ゲストハウスから函館駅まで2kmくらいなので、お散歩がてら歩いて行くことに。
今回は市内観光の予定はないんだけど、やっぱり函館はいい街だなぁ。
函館朝市にあるお気に入りの店「きくよ食堂」で巴丼をいただく。
ウニ!イクラ!ホタテ!海鮮丼界における最強のトリオだよな!
三連休の最終日で混雑する函館駅へ。
この日はまず木古内行きの普通列車に乗り込む。一両編成のディーゼル車、キハ40。
しまった、のんびり海鮮丼食べてたら、海側の座席もう空いてなかった・・・
1時間ほどで木古内に到着。
まもなく開業を控えた新幹線の駅が背後に。
誕生するものへの期待と消えゆくものへの惜別が交錯する駅構内。
新青森行きの「白鳥」を見送る。この列車が運行されるのも今日で最後。
駅のアナウンスが「本日はJR北海道をご利用いただきましてありがとうございます」の後に「また、14年間、白鳥・スーパー白鳥をご利用いただきましてありがとうございました」と続くのが寂寥感を誘う。
新幹線の木古内駅。当然だけどまだ誰もいない。
開業しても閑散としてるのは変わらなさそうだけど。
木古内の駅前に「道の駅」ができていたので寄ってみる。
おお、かつてこれほどまでに男らしい顔ハメ看板があっただろうか?
青春18きっぷの特例で、木古内から青森県の蟹田まで、特急の「スーパー白鳥」に乗車する。
あれ?いつも見てる面長の車両と違うのもあるんだ。初めて見た
「三連休の最終日だし、運行最終日だし、自由席に座るなんて絶対無理だろうなぁ」と思っていたんだけど、意外と席はあいていて、窓際に座ることができた。
やっぱり特急のシートは快適だなー。
青春18きっぱーは当然ここで下車。
「カニスマ駅長」ってゆるキャラが、と思ったら実際にタラバガニの駅長がいたらしい。
ネコやイヌやウサギの駅長は聞いたことあるけど、まさかカニまで駅長になっていたとは。
数年前に亡くなったそうだけど、やっぱり美味しくいただいたんだろうか?
蟹田駅からは三厩行きの普通列車に乗り込む。白地に赤い帯の入ったキハ40の二両編成。
北海道の緑の帯が入ったカラーリングのほうがめんこいな(身びいき)。
駅舎は立派だけど、開業したら全国の新幹線の駅で最少の利用者数になるんやろなぁ。
ローカル線らしいのどかな車窓を楽しみながら約40分、終点の三厩駅に到着。
果ての終着駅と言ったら、稚内駅や根室駅、下北半島側の大湊駅もあるけど、それらの駅よりも最果て感が強くて、旅情をくすぐられるいい駅だ。
レールもここまで。
三厩駅の駅前。なんにもねぇ・・・
というわけで
後編に続きます!