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【プロ野球】

吉村同点弾&サヨナラ弾 九州男児の大活躍でタカ6連勝

2016年4月18日 紙面から

ソフトバンク−楽天 延長12回裏無死一塁、サヨナラ2ランを放ちバンザイしながら生還する吉村。右は楽天・戸村(22)=ヤフオクドームで(式町要撮影)

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◇ソフトバンク9−7楽天

 ソフトバンクが今季初のサヨナラ勝ちで6連勝。3−7の9回に内川の適時打と代打の吉村の3ランで追い付き、延長12回無死一塁から吉村の2打席連続本塁打で試合を決めた。楽天は抑えの松井裕が4点リードを守り切れずに5連敗。

     ◇

 打席に向かう吉村に工藤監督がささやいた。延長12回無死一塁。「一塁のままだったら打っていい」。手堅い送りバントも予想される場面。武者震いした吉村はフルスイング。打球は歓喜の左中間席へ飛び込んだ。2打席連続の劇的弾はサヨナラ2ランだ。

 「悔しい状況が続いていたけど、先日の地震があって、打てないぐらいでどうこう言ってたらダメだなと。いろんな苦しみを持って闘っている人がいる。自分がやれることをしっかりやろう、と心に決めて」

 9回裏には起死回生の同点3ランを放っていた。3点を追う一、二塁で代打。2死、フルカウントと「あと1球」の状況から松井裕の直球を右翼テラス席へ放り込んだ。

 熊本地震の影響で試合が中止された前日まで、開幕から16打席凡退。福岡県出身で、東福岡高では巨人・村田の4年後輩にあたる。自主トレ地でもあった隣県の熊本で大災害。知人の店舗のガラスが割れ、家屋の中が散乱した現況を聞く。「自分の悩みはちっちゃいな…」と省みた。福岡で余震に身構えつつも、思った。「寝るところがあればいい」

 土壇場で追いつき、しのぎ、今季最長4時間52分を競り勝った。「すげえ! 鳥肌2回立っちゃった。すげえの一言」。興奮さめやらず「今年イチ」とも形容した工藤監督は「募金もそうだし、最後まで諦めないプレーが出ていた。少しでも力になれれば」と被災地を思う。

 プロ野球の思いは一つ。お立ち台の吉村が代弁した。「僕だけじゃなくホークス、他球団の選手も全員、気持ちを込めてやっています。先日、内川さんが言ったように僕らは野球選手。野球しかない。でもそれで勇気を与えることができれば、また応援してもらえると思うんで。一生懸命、僕らは戦っていきます」。九州唯一の球団が劇的勝利を見せた。

 

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