三枝成彰氏が批判「安倍政権は教養のなさを反省すべき」
――三枝さんはテレビ番組のキャスターも務められてきました。当時は自由がありましたか。
今とは全然違いますね。言いたいことを100%言っていました。一度だけ、局のスタッフに「勘弁してください」とお願いされたのは、当時絶頂期にあった女性歌手の給料を明かしたときだけです。かなり安いという実態を生放送で話したら、終わった後に飛んできました。でも、芸能界のことに関して制限を受けることはあっても、政治的な発言に関しては野放し。不当な圧力もまったくありませんでした。
――この4月から、安倍政権に批判的なキャスターはニュース番組から一掃されました。テレビ報道は、かなり危機的な状況に映ります。
テレビ報道は最低ですね。NHKはニュースが偏向しているし、安保法制の大事な国会審議を中継しなかった。民放は右寄りの「8」と「4」のニュースは絶対に見なかったけど、最近は「5」と「6」も見なくなり、頑張っていて面白い「9」しか見ていません。権力に最も抵抗しなければならないのは報道なんです。そこが崩れたら、この国は終わりです。自由な発言ができなくなったとしたら、日本は未開の国と同じになる。21世紀の国家ではなくなるんですよ。