三枝成彰氏が批判「安倍政権は教養のなさを反省すべき」
歴史を勉強して見極める教養が必要
――今の自民党には南京大虐殺を「なかった」と強弁する人たちもいます。都合が悪い過去をすべて隠そうと必死に見えます。
中国で戦っていた軍人たちは、「揚子江デ7000人銃殺ス」「2万人近ク銃殺」などと書かれた日記や手紙を残しています。中国が主張する30万人はオーバーだけど、防衛省も11万人と認めていますよ。当時は自分の兵隊を食わせることもできなかったんだから、捕虜を食わせられるわけがない。それで現場は「処理セヨ」と命じられ、殺したんです。記録としても残っているし、資料を読んで勉強すればわかること。日本人が悪いとか何とかじゃなく、これが戦争の現実なんですよ。従軍慰安婦の問題に関しても認めようとしませんが、似たような例は世界中にあったんです。「ヒステリックな韓国人が一方的に言っているだけ」で済ませる教養のなさを反省してほしいですね。
戦前の日本が進んだ道は、当時としては誤りではなかったかもしれない。正義だったかもしれない。でも、正義だったことが悪にもなり、悪が正義にもなる。実際に戦前は善だったことが戦後、悪になったんです。それがまた最近になって「善だった」といわんばかりになっている。それが本当かどうか、歴史を勉強して見極める教養が必要なんですよ。