丹波漆の生産増やしたい 京都・福知山、協力隊の女性が植栽
京都府福知山市夜久野町の丹波漆の生産を支援しようと、市の「地域おこし協力隊」の吉川枝里香さん(27)が漆の苗の管理や植栽に励んでいる。「将来はブランド化や商品開発に携わりたい」と意気込む。
同隊は移住者が過疎高齢化地域の活性化を担う。吉川さんは北海道釧路市出身で、漆の上で金粉や銀粉が光る蒔絵(まきえ)の美しさに引かれ、京都伝統工芸大学校(南丹市)で学んだ。国内で使われる漆の大部分を中国産が占めている現状に危機感を抱き、同隊に応募した。
4月から市の嘱託職員として「やくの木と漆の館」(夜久野平野)で働く傍ら、NPO法人「丹波漆」の活動に参加している。
丹波漆の岡本嘉明理事長は「漆の復興に携わる人が来てくれてうれしい。漆の植栽や生産を進め、漆かき職人にもなってほしい」と期待する。吉川さんは「作家や職人が国産漆に不自由しないよう少しでも生産量を増やしたい。6月から始まる漆かきが楽しみ」と話す。
【 2016年04月16日 11時41分 】