主要モバイル決済のひとつであるSquare(スクエア)。
このSquareでは現在、VISAやMasterCard、アメリカン・エキスプレスといったクレジットカード決済が可能なわけですが、残念ながらその中には日本を代表するブランドであるJCBが含まれていません(詳しくは下記記事にて)。
この理由は単純で、Square側が支払うことができる加盟店手数料と、JCBカード側が求めている手数料に乖離があると思われるため。
要するにJCBとしては『そんな低い加盟店手数料しか払えないんじゃ、Squareさんにはうちのブランド決済はさせられないよ』という状況なのでしょう*1。
なぜかアメリカでは決済できるJCB:
そんな日本国内ではJCBカード決済ができないSquareですが、実はアメリカ合衆国においてはなぜかJCBカード決済が可能。
これはJCBカードとアメリカの国際ブランドであるディスカバーカードが提携関係にあることに起因しているんですが、日本じゃ使えないのにアメリカじゃ使えるって、なんとも面白い状況ですよね。
アメリカでJCB決済できる仕組み:
ではなぜ、アメリカのSquareではJCB決済が出来るのでしょうか?
理由としては日本の国際ブランドであるJCBと、アメリカの国際ブランドであるディスカバーカードが提携関係にあり、お互いの加盟店でそれぞれのカードが使える状況にあるため(業界用語でいうと加盟店の相互開放といいます)。
- JCBとディスカバーカードは提携関係にある
- アメリカのSquareではディスカバーカード決済ができる
- 結果、アメリカのSquareではJCBカード決済ができる
更に加盟店相互開放をわかりやすく書くとこんな感じでしょうか。
- JCBカード:JCBだけでなく、ディスカバーが使えるお店でも使える
- ディスカバーカード:ディスカバーだけでなく、JCBが使えるお店でも使える
そしてSquareは日本ではJCBと提携がありませんが、アメリカではディスカバーカードと提携があるためにJCBカード決済もできる…というわけです。
アメリカの決済手数料はもっと安い:
ちなみに。
日本におけるSquareの加盟店手数料は現時点で3.25%ですが、アメリカでは2.75%という手数料に設定されています。
この低い料率でもビジネスが成り立っているのであれば日本のSquareでもJCB決済ができるはずなんですけれども、JCBとしては国内の高い料率を維持するために首を縦に振らないのでしょうか?今度、機会があればJCBの方に聞いてみたいところです。
VISAやMasterCardばかりが使えるように:
また、仮に今のままだとVISAやMasterCardが使えるお店ばかりが日本国内に増えていってしまうので、更にJCBブランドの地位低下に繋がってしまうようにも思いますね。
- 現状:Squareが普及すれば、JCBが使えないお店が増加する
個人的にはJCBブランドがこの先、生き残っていくためにはもっと多くの場所で快適に使えるようにすることが重要だと思っています。少なくとも「JCBって使いにくいよね」と利用者が感じてしまうような今の状況は、少しでも早く改善しないと危ないです。
以上、日本ではJCBカードの取り扱いのないSquareだが、アメリカではなぜかJCBカード決済が可能!ディスカバーカードとの相互開放により…という話題でした。
参考リンク:
クレジットカード決済を導入すると資金繰りが悪化するとか、高い手数料負担が重荷だ…と思っている経営者の方は、下記記事もあわせてご覧ください。最近じゃわずかな加盟店手数料でカード決済が導入できますし、資金繰りも決して悪化はしませんよ。
*1:あくまで推測に過ぎませんが、JCBの加盟店手数料はVISAやMasterCardとくらべて高めに設定されていることが多いので、モバイル決済の低い手数料じゃ割にあわないのだと思われます。