■例のアイドル曲の歌詞に対する批判について

ビートルズの曲で、「マックスウェルズ・シルバーハンマー」という曲があるんですけど、

この曲は、殺人鬼が人を殺しまくっている、ということを明るく能天気な曲調で歌う内容です。

連続殺人という行為を肯定してるようにも読める。少なくとも否定はしてないです。

クイーンの「ボヘミアンラプソディ」という曲は、

銃で人を殺して、一瞬反省するけど、結局逃げて、なにもかもどうでもいい、という内容の曲です。

TMネットワークの「イパネマ８４」という曲は、

遠い海の向こうで街が燃えたりミサイルが飛んでたとしても、自分たちには関係ないから、浜辺で遊び続けよう

という内容の曲です。

ビートルズは世界一有名なバンドで、

クイーンの「ボヘミアンラプソディ」は歴史的名曲とされている曲で、最近も人気投票で一位になりました。

小室哲哉は日本でもっとも（いろんな意味で）有名な音楽プロデューサーです。

もし、例のアイドル曲が非難されるのが当然なのだとしたら、上に挙げた曲も非難されてなきゃおかしいはずなんですけど、

それらの曲を非難してるひとを観たことがないです。

正しくないとされている価値観を敢えて肯定する歌詞創作の系譜というか、悪趣味ソングと言うか、ナンセンスソングの系譜があるわけです。

例のアイドル曲は、あきらかにそういう悪趣味ソングの系統なわけです。

だから、礼のアイドル曲を非難するのであれば、悪趣味ソングの系譜全体を非難しなきゃいけないはずなんですよ。

たぶんアメリカなんかだと、そういう悪趣味ソングの系譜全体を叩く人はいるような気がするし、それだったら筋は通ってると思います。まったく賛同しないけど。

でも、礼のアイドル曲を叩いてる人のなかで、そういうことをやってるひとがいるとは思えない。

「女の子は頭からっぽのほうがいい」というのは皮肉です。

というか、それを皮肉と解釈することによって生じる不都合って、ないですよね。

日本のみんなが「女の子は頭からっぽのほうがいい」を皮肉だと解釈するようになれば、

日本のみんなが「女の子は頭からっぽのほうがいい」を皮肉だと思うようになれば、

必然的に「女の子は頭からっぽのほうがいい」を真面目に信じるひとはいないということになるはずです。

「みんなが「女の子は頭からっぽのほうがいい」を皮肉だと思わない世の中」

よりも、

「みんなが「女の子は頭からっぽのほうがいい」を皮肉だと解釈する世の中」

のほうがいいと、個人的に思います。

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