通帳やカードなくても引き出し可能 熊本県の金融機関

熊本県内の各金融機関は被災した一部の店舗を除いて18日から通常どおり営業し、通帳やキャッシュカードなどがなくなった場合でも、本人と確認できる運転免許証や健康保険証などがあれば、預貯金を引き出すことができる措置を窓口で行っています。
「肥後銀行」は。熊本市中央区の味噌天神支店、東区の東町団地支店、託麻支店、益城町の木山支店、広安支店で18日休業しています。これら5つの支店を除く県内外の117の店舗では通常どおり営業していて、預金通帳がなくなった場合でも20万円を限度に預金を引き出すことができます。一方、ATM=現金自動預け払い機は店舗ではすべて利用できるということですが、スーパーなどに設置しているATMについては地震に伴う停電などの影響で稼働していないところがあるということです。

「熊本銀行」は、熊本市中央区の中央支店、東区の託麻支店、日赤通支店、益城町の益城支店は18日休業しています。ただ、益城支店では18日午後3時まで、ATMのコーナーに臨時の相談窓口を設置し、預金通帳やキャッシュカードなどがなくなった場合でも本人と確認できる運転免許証などがあれば50万円を上限に預金を引き出すことができるということです。休業している4つの支店を除く県内外の66の支店では通常どおり営業していて、預金通帳などがなくても本人確認ができれば預金を引き出すことができます。ATMについては中央支店と託麻支店を除くすべての店舗で利用できます。ただ店舗外のATMについては停電などのため一部で利用できなくなっています。

「熊本第一信用金庫」では、益城町の益城支店が休業していますが、支店前に臨時の窓口を設け午後3時まで行員が預金の引き出しに応じています。19日以降も午前9時から午後3時まで臨時の窓口を設けます。そのほかの27の店舗では通常どおり営業しています。これらの店舗では預金通帳などがない場合でも本人と確認できる運転免許証などがあれば限度額は設けず預金を引き出すことができるということです。また、運転免許証などがなくても行員とのやり取りで本人であることが確認できた場合は20万円を限度に預金を引き出すことができるとしています。ATMは益城支店を除く店舗で利用できます。

「熊本中央信用金庫」はすべての店舗で営業しています。預金通帳などがない場合でも免許証などで本人確認ができれば20万円を限度に預金を引き出すことができるということです。ATMについては八代市役所内と玉名市の栄屋立願寺店の2か所が停電などの影響で稼働していないということです。

「熊本信用金庫」は県内の18店舗すべてで通常どおり営業しています。預金通帳などがない場合でも免許証などで本人確認ができれば原則として20万円まで預金を引き出すことができるということです。ATMについては店舗ではすべて稼働していますが、店舗外のATMは停電などのためほとんど利用できないということです。

「天草信用金庫」はすべての店舗で通常どおり営業していて、すべてのATMが稼働しています。預金通帳などがない場合の預金の引き出しについても検討を進めているということです。

各大手銀行も本人であることが確認できれば預金の引き出しに応じるとしています。
引き出せる金額の上限はそれぞれ原則として「りそな銀行は」20万円、「三井住友銀行」と「三井住友信託銀行」は10万円としていますが、「みずほ銀行」は上限を設けておらず「三菱東京UFJ銀行」は相談の状況をみて引き出せる金額を判断するとしています。

また「JAかみましき」も被災して営業できない一部の店舗を除いて30万円を限度に貯金を引き出せるよう対応するとしています。

各金融機関では預貯金の引き出し以外でも、事業資金や住宅ローン、それに被災した住宅の修復に必要な資金などについて店舗や電話での相談窓口を設けていて、連絡先についてはホームページで確認できます。


熊本県内の証券会社の対応です。

熊本県内に5つの店舗がある地元の大熊本証券では印鑑などを紛失しても本人と確認できる運転免許証などがあれば、株式や債券、投資信託などを売却して現金に替える手続きを行っています。現金の支払いには通常4日程度かかりますが、即日、現金が受け取れるようにしています。

大手証券会社の野村証券と大和証券SMBC日興証券などでも預けているお金を引き出したり株式などを売却したりして、現金を受け取れる手続きを、できるだけ早く進められるよう対応しています。