通信改善へ気球基地局 福岡で日本初
熊本県を中心とする一連の地震を受け、ソフトバンクは18日朝、携帯電話がつながりやすくなる災害無線中継システムを載せた気球1基を福岡県八女市で上げた。災害時の通信環境改善に気球を利用するのは日本で初めてという。
気球を上げたのは、八女市の矢部村高巣公園付近。気球から半径5〜10キロの範囲で、同社の携帯電話がつながるようになる。
同社によると、この地域一帯では地震による通信障害は発生していないが、山間部のため電波状態が悪い。今回の地震で、福岡県から熊本県阿蘇方面へ向かうルートとして通行車両が増えると予想されており、被災地支援に向かう人々の連絡手段が途切れないようにと、気球の利用を決めた。
気球は安全上の理由から日中のみ上げるため、夜間はつながりにくくなる。また荒天時には上げられない。同社は所有する10基のうち2基を、今後の被災状況に合わせて運用する方針だ。【岡礼子】