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2016年04月18日 09時03分 UPDATE

九州新幹線、なぜ脱線 震源が近すぎ微動検知間に合わず? 脱線列車にストッパーなし (1/2)

熊本地震で九州新幹線の1編成で全車両が脱線した。脱線はなぜ防げなかったのか。

[産経新聞]
産経新聞

 熊本地震では、九州新幹線の1編成で全車両が脱線した。フル規格新幹線の脱線は過去3件あるが、全車両脱線は初。各新幹線で対策を強化する中、九州新幹線も新技術の導入を進めていた。なぜ防げなかったのか−。

画像 地震の影響で脱線した九州新幹線の回送列車を調べる鉄道事故調査官ら=15日午後、熊本市西区

 国土交通省によると、新幹線の主な脱線防止対策は3つある。まず、高架橋の補強。阪神大震災の被害を踏まえたものだが、新しい九州新幹線の高架橋は、すでに十分な耐震強度を持っており必要なかった。

 次に、地震の初期微動を検知して列車を止める、早期地震検知システム。沿線などに設置した地震計が大地震を予知し、変電所から列車への送電を自動的に止めて非常停止させる。九州新幹線では今年3月末までに18カ所に地震計を設置。脱線現場も同システムの対象区域だったが、「震源が近すぎて間に合わなかった可能性がある」(国交省)。運転士も非常ブレーキを使ったが、脱線を防げなかった。

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