南京大虐殺記念館が慰問文…中国で共感広がる
「みなさんご無事ですか?」ネットに発表
【北京・河津啓介】熊本県の地震被害を受け、中国・南京市の南京大虐殺記念館がインターネット上で同県日中友好協会に対し「友人のみなさんご無事ですか?」と慰問メッセージを発表し、16日以降、各中国メディアが相次いで紹介して話題になっている。
同館は15日夜、公式のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて、20年あまり同館を毎年訪問し被害者への慰霊活動を続ける熊本県日中友好協会の会員らに対する慰問メッセージを掲載。同県が南京大虐殺に関わったとされる旧日本軍の第6師団の拠点だったと指摘したうえで、同協会会員らが生存者を招いて証言を聞く会合を定期開催していることなどを紹介した。同館によると、翌日午後5時までにメッセージの閲覧数は300万を超え、SNS上で1万件以上転載されたという。
中国人ネット利用者の反応をみると「記憶は恨むためにあるものではない」「軍国主義に反対するが、現在の日本は別だ」との好意的な評価が目立った。同館は16日にも公式SNS上で「大虐殺などの歴史を忘れてはならない」と強調しつつ「想定を超えた反響だった。ネット利用者の理性的な考え方と人間性に、喜びを感じながら見られた」と伝えた。
同協会事務局は「ありがたい励ましの言葉だ。中国のイメージが改善され、両国の友好につながれば」とコメントした。