西川和久の不定期コラム
デル「Latitude 13 7000」
〜13型を11型のサイズに凝縮したビジネス向けノートPC
(2016/4/18 06:00)
デルは3月8日、「XPS 13」のビジネス向けモデルに相当する「Latitude 13 7000」の販売を開始した。個人的にXPS 13は興味があり、その兄弟分に相当するモデルが編集部から送られてきたので、楽しみながらの試用レポートをお届けしたい。
11型のサイズで13型!
冒頭から個人的な話で申し訳ないが、以前ThinkPadの記事でも触れたように、筆者はThinkPad X2系、つまり12型前後が、持ち歩くにしても机の上などで使うにしても、パネルとキーボードのバランスが良いと思っており、好みのサイズだ。
ただ一般的に、10〜11型前後の次は13型が多い。筆者にとって13型は何となく大きく感じられ、キーボードもフットプリントが広くなり、しっくりこない。そんなところに、XPS 13の発表を見て、11型のサイズそのまま13型……これは! と思った次第だ(ただしXPS 13の製品サイトには“11インチの筐体”と書かれているものの、Latitude 13 7000の製品サイトには“12インチサイズ”と書かれている)。
今回ご紹介するデル「Latitude 13 7000」は、そのXPS 13のビジネス向けに相当するモデルだ。主な仕様は以下の通り。
| 【表】デル「Latitude 13 7000」の仕様 | |
|---|---|
| プロセッサ | Core m7-6Y75(2コア/4スレッド、クロック 1.2GHz/3.1GHz、キャッシュ4MB、TDP 4.5W) |
| メモリ | 16GB/LPDDR3 1600MHz |
| ストレージ | M.2 SSD 512GB |
| OS | Windows 10 Pro(64bit) |
| ディスプレイ | 13.3型(非光沢)、1,920×1,080ドット、タッチ非対応 |
| グラフィックス | プロセッサ内蔵Intel HD Graphics 515、Micro HDMI出力 |
| ネットワーク | IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.1 |
| インターフェイス | Thunderbolt 3×2、USB 3.0、Webカメラ、microSDカードリーダ、音声入出力 |
| バッテリ駆動時間 | 約10時間(標準バッテリ) |
| サイズ/重量 | 304.8×210.5×14.32mm(幅×奥行き×高さ)/約1.19kg(アルミモデル) |
プロセッサはCore m7-6Y75。2コア4スレッドで、クロックは1.2GHzから最大3.1GHz。キャッシュは4MBでTDPは4.5W。XPS 13ではCore i5/i7となっているが、本機種はCore m3/m5/m7の構成となる。メモリはLPDDR3 1600MHzで16GB、ストレージはM.2 SSD 512GBを搭載。OSは64bit版のWindows 10 Pro。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics 515。外部出力用として、Micro HDMI出力を備える。ディスプレイは、非光沢13.3型でフルHDの1,920×1,080ドット。タッチには非対応だ。なお最上位モデルにはQHD+(3,200×1,800ドット)でタッチ対応も用意されている。
何と言っても最大の特徴はこのディスプレイ。幅わずか5.2mmと極めて薄いベゼルを採用し、これにより11型の筐体へ13型のパネルを収めている。写真からも分かるように、限界に近いほどベゼルが薄い。
ネットワークは、有線LANがなく、無線LANがIEEE 802.11a/b/g/n/ac。Bluetooth 4.1にも対応している。Giigabit Ethernetが必要な場合は、Thunderbolt 3やUSB 3.0で対応可能だ。
そのほかのインターフェイスは、Thunderbolt 3×2、USB 3.0、Webカメラ、microSDカードリーダ、音声入出力。Thunderbolt 3は電源入力を兼ねているが、もう1つThunderbolt 3とUSB 3.0があるので、充電中にもデバイスを接続できる。
筐体はアルミモデルとカーボンファイバーモデルが用意され、サイズは304.8×210.5×14.32mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.19kg(アルミモデル)。カーボンファイバーモデルだと1.12kgと、若干軽くなる。バッテリは、4セル/34Whrと43Whrの2種類があり、前者で駆動時間約10時間。直販価格は、Core m3/4GB/SSD 128GBで134,980円から(税抜・配送料込)。
またビジネス用ということもあり、カスタマイズで、スマートカード、指紋認証リーダ、デルデータプロテクション(Protected ワークスペースクライアント)、デル データ プロテクション(暗号化 セキュリティ SW)などが選択可能で、3年間のプロサポートが標準で付き、オプションで5年延長も可能だ。なお、今回試用した構成のものはまだ市販されていない。
アクセサリとしては、「USB-C-HDMI/VGA/イーサネット/USB 3.0」、「電源コンパニオンPW7015MC(12,000 mAh USB-C)」、「Dell Premierスリーブ(S)」なども用意されている。
トップカバーはアルミパネルで色はクローム。その他の部分はマットなブラックが使われており、落ち着いた雰囲気の中、カッコいい。実測で約1.2kgあるため、片手で持ち上げるとそれなりに重いものの、ズッシリした感じではなくバランスは良い。なお筐体はMIL-STD 810G準拠の耐衝撃性を備えている。
正面は、写真からも分かるように、とにかくベゼルの部分が薄い。またこの関係でパネル中央上にWebカメラはなく左下に配置している。正面側面には充電のステータスが分かるLEDがあり、トップカバーを閉めた状態でも確認可能だ。左右にスピーカー用のスリットを配置。
左側面にはThunderbolt×2、Micro HDMI、microSIMカードスロット(国内非対応)。Thunderboltは電源入力も兼ねる。トップカバーの下の部分が少しはみ出し、キーボードが傾くようになっており、加えてパネルを最大180度傾けることも可能だ。右側面には、ロックポート、USB 3.0(Powered USB)、音声入出力、microSDカードリーダ。
13.3型のディスプレイは、明るさ、コントラスト、視野角、発色、全て良好。かなりクオリティの高いパネルが使われている。非光沢なので映り込みも少なく、長時間の操作も苦にならないだろう。
キーボードはアイソレーションタイプの86キー。オフ/中/大、3段階のバックライトを内蔵している。主要キーのキーピッチは実測で約18mm強。[BS]や[Enter]キーのピッチが少し狭いものの、全体的に歪な部分もなく綺麗なレイアウトだ。筐体が薄いため、打鍵感やたわみが気になったものの、仕様上、キーストロークは1.9mmあり、また非常にしっかり作られており、気持ちよく入力できる。
タッチパッドは物理的なボタンが2つあるオーソドックスなタイプだ。面積も十分確保され、ボタンのクリック感も程よく使いやすい。
試用した範囲では、ノイズや振動は皆無。発熱も全く気にならないレベルだった。サウンドは、MaxxAudio Proを搭載しており、ビジネス向けとしては珍しく、パワーも音質もクラス以上だ。この点は、国産機でビジネス向けだと、とりあえず鳴る程度のものが多いのだが、考え方の違いだろう。
余談になるが、冒頭でXPS 13の兄弟分として、このLatitude 13 7000をご紹介したが、実は結構違いのあることに気が付いた。
XPS 13、まず左側面には、電源アダプタポート、Thunderbolt 3、USB 3.0と並んでおり、Thunderbolt 3が1つ少ない。タッチパッドは1枚プレートタイプでボタンなし、更に裏4カ所に凸部分があり筐体を支えているが、Latitude 13 7000にはそれがなく、前後2カ所に長細いバーがあるだけだ。サイズも304×200×9〜15mm(幅×奥行き×高さ)と、微妙に違う。
当初金型が同じで、内部の構成だけを変えビジネス用にしたモデルかと思っていたが、届いて確認してみたら、全く別物だったというわけだ。もちろんネガティブな意味ではなく、ビジネス向けとしては非常に完成度の高いモデルに仕上がっているという意味で歓迎したい。
バランスとパワーをうまくまとめた一台
OSは64bit版のWindows 10 Pro。カスタマイズで、Windows 10 Home、Windows 8.1(Pro)、Windows 7 Professional(JP/US版)も選択可能だ。
初期起動時、スタート画面(タブレットモード)は1画面でDell以降がプリインストール。デスクトップはプログラムなどへのショートカットはなく、壁紙の変更のみとシンプルな構成となっている。
ストレージは、Samsungの「SSD PM871 M.2 2280 512GB」。C:ドライブのみの1パーティションに約467.92GBが割り当てられ、空きは443GB。Wi-Fiは「Intel Dual Band Wireless-AC 8260」。BluetoothもIntel製だ。そのほか、TPM 2.0やスマートカード読み取り装置などもデバイスマネージャに表示されている。
プリインストールのソフトウェアは、Windowsストアアプリは特になく、デスクトップアプリは、Dellフォルダに「Dell Command Power Manager」、「Dell Command Update、Dell Digital Delivery」、「Dell Notification Center」、「SupportAssist」、「商品の登録」といった同社のツール系。フラットデザインでかつUIが統一されており、分かりやすい構成だ。
加えて、「Dell Audio」、「Thunderboltソフトウェア」、「タッチパッドの設定」、「Intel Management and Security Status」など、各デバイスのソフトウェアが中心となっている。
ベンチマークテストは「winsat formal」コマンドと、PCMark 8 バージョン2/Home accelerated。バッテリ駆動時間テストはBBench。またCrystalMarkの結果も掲載した(2コア4スレッドと条件的に問題ない)。
winsat formalの結果は、総合 5.4。プロセッサ 6.7、メモリ 7.4、グラフィックス 5.4、ゲーム用グラフィックス n/a、プライマリハードディスク 8.2。メモリのバンド幅は14294.39400MB/s。PCMark 8 バージョ2は2626。CrystalMarkは、ALU 28542、FPU 27061、MEM 38530、HDD 42287、GDI 8818、D2D 3978、OGL 5539。Core i7とまでは行かないものの、Core m7なのでそれなりにパワーがある。
BBenchは、キーボードも含むバックライト最小、キーストローク出力/オン、Web巡回/オン、WiFi/オン、Bluetooth/オンでの結果だ。バッテリの残3%で34,746秒/9.7時間。仕様上約10時間なので、ほぼ同じだ。試用機は34wHrのバッテリを搭載している。
以上のようにデル「Latitude 13 7000」は、13型を11型の筐体に収めたノートPCだ。デザインや操作性も素晴らしく、Thunderbolt 3まで含めた最新のインターフェイスを装備。また予算や用途に応じてある程度カスタマイズすることもできる。
仕様の範囲内で特に気になる部分もなく、コンパクトな13型のビジネス向けノートPCを探しているユーザーにお勧めしたい逸品と言えよう。
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