「慰安婦」をテーマにしたドキュメンタリー「三十二」が12日午前、南京利済巷慰安所陳列館で寄贈式典を催した。同作品の顧問を務める中国「慰安婦」問題研究センターの蘇智良センター長は、現在身分を公開している中国の「慰安婦」生存者は残り21人となったと紹介した。新華社が伝えた。
ドキュメンタリー「三十二」は2012年12月に撮影を開始、中国侵略日本軍の「慰安婦」制度の被害者である韋紹蘭さんと、この高齢者の中日ハーフの息子である羅善学さんの物語を描いている。「三十二」に続き、監督の郭柯氏は2014年初めに再び「慰安婦」をテーマにしたドキュメンタリー「二十二」の撮影を開始、撮影場所は湖北省、海南省、山西省等五省におよび、「慰安婦」制度の被害者22人の生活の現状を記録し、作品はすでに完成して間もなく封切られる。
中国慰安婦問題研究センター提供の統計によると、70数年前の第二次世界大戦中、約40万人のアジア女性が日本軍の「慰安婦」となり、このうち20万人以上が中国の女性で、人間性を蹂躙する被害を受けた。1990年以降、100余人の高齢被害者が続々と果敢に立ち上がり、日本軍の暴挙を明らかにして日本政府を提訴した。衰弱した高齢者ばかりだが、命ある限り闘うことを決意した女性たちだった。蘇センター長によると、4月7日に山西省の趙蘭英さん(享年93歳)が亡くなり、11日に葬儀が執り行われたばかりで、これで現在身分を公開している慰安婦の生存者はわずか21人となった。
蘇氏は、「ドキュメンタリー『三十三』と『二十二』は彼女らの被害体験を記録しているだけでなく、すべての生存する『慰安婦』の暮らしの現状を映像資料に留め、国内外のより多くの人々に彼女たちの実体験を知ってもらうに資するものである。一人又一人と他界されるに連れて、その史料価値もさらに際立ってくる」と述べた。(編集MI)
「人民網日本語版」2016年4月13日