スウェットパンツにシャカシャカ素材の上着を引っ掛けて、午前二時にTSUTAYAに向かう夜道がいい。
部屋着のワンピースにパーカーを羽織った女の子に一緒に歩いていてほしい。
もうシャワーは浴びてるから、途中でニオイのつく飲み屋には入らない。コンビニのアイスはあり。
んで、深夜のTSUTAYAには気だるい空気が立ち込めている。電気も心持ち暗い。
まだ一日を終わらせたくないのだ、みんな。目的とかはなくて、寝るまでの時間を延長している。
結局、映画は借りたり借りなかったり。眠たげな店員に送り出されて、家に帰る。
大学時代はそうやって、毎晩のように家の近くのTSUTAYAに行っていたような気がする。
『インセプション』にめちゃくちゃ興奮して、いつかこんなすげーモノ作りてえ〜〜〜って思って。
地に足が着かないまま上京した社会人三年目、何とか人間らしい生活を取り戻しつつある。
というわけで引っ越ししました。高円寺の彼女の家に転がり込んだのが去年の春、早いもので一年。
その前は社宅だったので、ようやく自分の家を持つことができた。今度は僕が彼女を呼んで。
いよいよ30だし、人生の節目だし、もっとオトナになんなきゃなーと思うことばっかりなのだけど。
なんて言うか、ぜんぜん変わってない気がする。大学時代と同じことしてる。
『インセプション』みたいなモノを作りたいなんてどの口で、と当時の自分を二、三発殴りたいけど。
でも今、『ピッチ・パーフェクト2』と『007 スペクター』を借りてきて観ている。
別に焦んなくてもいっか、と思った。ジェームズ・ボンドだって、ずっと抱くか殺すかばっかりだし。
TSUTAYAのコレめっちゃ好きなんですよね pic.twitter.com/EAuIRFKS0f
— 朽木誠一郎 (@amanojerk) 2016年4月17日