安倍晋三首相は16日早朝、熊本県を中心に震度6強など強い地震が相次いだのを受け、首相官邸で非常災害対策本部の会議を開いた。首相は「自衛隊をはじめ、対応にあたる実動部隊を大幅に増強するなど、政府の総力を結集して取り組む」と述べ、被災者の救出援助のために派遣する自衛隊を大幅に増強するよう指示した。
首相は会議で「被災地域が広範にわたっており、被害がさらに拡大する恐れもある」と指摘。関係機関と被災自治体が情報を共有し、「早急に正確な被害状況を集約、把握する」よう指示した。
菅義偉官房長官は会議後の記者会見で、被災地で活動する自衛隊の規模について現在の2000人態勢から16日中に1万5000人、17日以降に2万人に増やす方針を示した。
16日未明に起きた強い地震の被害については「各地で火災が発生しているほか、閉じ込め53件、生き埋め23件、家屋・アパートの倒壊、トンネルの崩落などが発生している」と述べた。運転中の川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)などの被害状況については「異常はない」とした。
16日午前1時半ごろからの相次ぐ強い地震を受け、午前3時すぎから首相と菅長官らが相次ぎ官邸に入った。その後、関係閣僚も集まり、午前5時すぎから非常災害対策本部を開いた。