2010年、代表監督時代の岡田武史氏 (写真=KIMINORI SAWADA)

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5月18日放送の「FOOT×BRAIN」(テレビ東京系)に、元日本代表監督の岡田武史氏が出演。ブラジル・ワールドカップ(W杯)で日本代表が勝つために必要なもの、そして4年前に「W杯ベスト4」を目標に掲げた意図などを語った。

岡田氏はブラジルで勝つために、「勝負に対する強いメンタリティを持て」と提言。「ボールを取られたら、どんなことがあっても、最後にもう一度粘って、相手のものにさせない」ような、強靭なメンタリティの必要性を説いた。

「どんな事があっても勝ちたい」という強い執着心

2010年のW杯南アフリカ大会の前にも、日本がW杯のアウェー戦で1勝もしていない中、過去の敗戦の映像を選手たちに見せ、「これ、戦術で負けたのか? ビッグチャンスとビッグピンチ、失点、全部、並べて見てみろ。戦術でやられているか? こいつがたった1回、まあ大丈夫だろうと行かなかったから、やられているんだろう。こいつがスライディングしていたら、やられていないな?」と問いかけたという。

「要するに、一人ひとりが『どんな事があっても勝ちたい』という強い執着心を持ってやるかというところに、掛かっていると思っているんですよね」と繰り返した。

「個」を対等にすれば、組織では俺たちは絶対に勝てる

さらに、2010年のW杯で「ベスト4」を目標に掲げた理由について、「2年後に(代表メンバーに)選ばれるかどうか分からないW杯に対して、モチベーションを維持させるため」だと明かした。

2010年当時、岡田氏は「『個』を彼ら(強豪国)と対等に近い状況にすれば、組織では俺たちは絶対に勝てる」と考えていた。

そのために「ボール際で勝つこと」「1試合での走行距離」を重視していた。1試合で選手が走る距離は「10キロ〜11キロ」。それを1人あたり1キロ多くすると、合計10キロ分の走行距離が増えるので「1人選手が増えたのと一緒」。「12人だったら勝てるだろう」と選手に説明したそうだ。

代表チームではできないトレーニング

それには、体幹トレーニング等が必須になるものの、「こういうことを代表チームではできないんですよ。日ごろ、自分のチームでやってもらわなきゃいけない。でも、自分のチームでは、監督から言われて、試合に出なきゃいけない、勝った、負けた、2部に落ちそうだとか、みんないろいろあるわけですよ」と内情を明かした。

さらに、2年後にW杯のメンバーに選ばれているかどうかも分からない選手たちに、「どうやって真剣に取り組ませるか」を考えた。その答えが「ベスト4」だった。高いけれども、決して不可能ではない目標だった。

コートジボワール、ギリシャより間違いなく上

「いまヨーロッパでやっている選手なんかは、だいぶ(勝利への執着心を)感じ出している。そこで今回の大会は期待しています」と語る岡田氏。グループリーグに関しては、「日本はコートジボワール、ギリシャより上ですよ。間違いなく」と日本代表の活躍に期待を寄せている。

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