私達は面接を受けるとき、自分がどれだけ有能であるかをアピールする。
それが本当であれ誇張であれ、そうしないと面接に受からないからである。
他のライバル達に対して差をつけなければならないからである。
その『私は有能ですアピール』が本当のことなら何も問題はない。
しかしそれが誇張表現だった場合、やがて困難な事態に直面することになる。
そう。
いざ雇われた後に、本当は無能だったということがいつか必ず露見するからだ。
逆転の発想
ここで問題なのは、その人物が無能だったことではない。
実際は無能なのに有能であるかのようにアピールしたことだ。
雇った側からすると「話が違うではないか!」ということになるからだ。
メッキがはがれたその人物は周囲から冷たい扱いを受けるようになり、排斥されることになってしまう。
そこで逆に考えてみよう。
面接の際、自分を有能であるように売り込むからこそ、入社後に実は無能であるとばれた時の落胆が激しく、風当たりが強くなるのである。
ならば、最初から無能だというレッテルを貼ってもらえば良いのではないだろうか。
無能な働き者
無能で働き者の人間は射殺すべきという言葉がある。
正確には以下のような内容だ。
有能な怠け者は司令官にせよ。
有能な働き者は参謀にせよ。
無能な怠け者は下級兵士にせよ。
無能な働き者はすぐに射殺せよ。
無能な働き者に対してだけえらく冷たい言葉である。
無能な働き者は間違った命令でもそれを疑わずに実行してしまい、大きな損失を生むからというのが理由らしい。
私もこの言葉に感銘を受け、無能な怠け者を目指した。
このことを知るまで、私は無能な働き者だったからだ。
ひきこもって怠惰な生活を続けることにより、今ではすっかり無能な怠け者と化した。
これで私は1ランク上の存在になれたはずである。
ドラえもんで例えるなら肉を唐揚げにしようとする奴に対して蒸し焼きにしろと言えるくらいには偉くなれたはずである。
しかし、無能なままでは入社するのが難しい。
結局会社に潜り込むためには、有能とまではいかなくともそこそこやれる人物であることをアピールする必要がある。
そして入社した後、冒頭で書いたようにいつしか無能であることがばれてしまい、私に対する風当たりが強くなるのだ。
どなたか解決策をご存知でしたら教えてください。