なんだかんだとネタにされがちな「埼玉県」でございますが、元県民歴10年を超える自分としては、観光地としても意外に悪くないと思うんですよ、はい。
自分が青春を過ごした土地でもある川越は、情緒あふれる小江戸の街並みが人気ですし、緑豊かで花々にも囲まれることのできる森林公園は、家族向けのピクニックスポットとしては鉄板。トトロの森も、西武園も、鉄道博物館も、アウトレットパークもあるんだよ!
また、良くも悪くも「人混みを避けて羽を伸ばせる」というのも、魅力のひとつなのではないかしら。週末の川越はそこそこ混雑するものの、それでも鎌倉や夢の国ほどではござらぬ。他のスポットも良い具合に観光客が分散しているので、人波に流されて疲れるようなことはないはず。
そんな埼玉県内において、ここ数年、西武鉄道が推しに推しまくっている観光スポットが、「秩父」でございます。特急を使えば池袋から最短78分、日帰り旅行目的で行くならば、アクセス面でも悪くない。最近は『あの花』*1『ここさけ』*2の聖地としても人気っすね。
――というわけで、その「秩父」で今、芝桜が見頃を迎えたと聞いて、ちょろっと足を伸ばして見に行ってきました。ネット上の写真を見るかぎりでは、「公園の一角で整備されている程度っしょ?」なんて思ってましたが、想像以上にどーん! と広がっていて、ビビった。
目指すは秩父、羊山公園の「芝桜の丘」
きっかけは、西武鉄道の駅で見た、こちらのポスター。西武沿線と言えば、過去に巾着田の曼珠沙華*3を見に行ったことはあるものの、秩父はあまり何度も行った覚えがないなー? と思いまして。いい機会だし、ぶらっと足を伸ばしてみようかと。
――来ました。横瀬駅。レッドアロー号でどびゅーん! と目指すのもアリですが、そこは特急料金をケチった僕氏。週末の割に満席ではない西武線をガタンコトンと揺られ、あっという間に秩父郡横瀬町に到着でござる。
目的地である「羊山公園」までは、西武秩父駅・横瀬駅のどちらからでも、徒歩約20分ほど。両駅ともにレッドアロー号が停まりますが、羊山公園までは横瀬駅から向かったほうがいいかもです。そちらのほうが人が少ないし、道すがらに花々を楽しむこともできるので。
横瀬駅から羊山公園までは、随所に各国語で書かれた案内板が立っているので、どんなに方向音痴の人でも迷うことはないかと。自宅前にちょっとした花壇を設けているところもあり、観光客らしいご婦人グループが「あら〜!あらあら〜!」なんて、お花談義に“花を咲かせ”ていました。
羊山公園に到着。入り口は複数箇所に設けられており、入園料は一般300円、75歳以上250円となっております。中学生以下は無料ですって!
上の写真は、帰り際に西武秩父駅方面の入退場口から撮影したもの。お昼すぎなので、かなりお客さんの数も増えております。横瀬方面からの入り口は撮り忘れてしまったのですが、人も少なく、すいすい歩いて、一切並ぶことなく入場することができました。
ちなみに、西武鉄道のサイトに「羊山公園までは横瀬駅から向かわれることをオススメします」と書かれている理由のひとつが、おそらくコレっすね。
横瀬駅から羊山公園に入る「宇根口」以外の入り口には、いずれも大きな規模の駐車場が設けられており、車で来訪した人も数多く通り抜ける格好。帰り際に見たら、軽く声を漏らすほどには入場待ちの渋滞ができていたので……。電車で横瀬駅から向かえば、最もスムーズに入れるかと。
9種類40万株の「芝桜」がお出迎え
横瀬駅方面から羊山公園に入り、最初に目にした光景が、こんなん。白……いや、奥まで見ると、全体的に“ピンクい”。そして、お昼前にも関わらず、結構な賑わいっぷり。――冒頭に書いておきながらすんません、割と混んでいました。
とはいえ、ちょっと斜面に登って見渡してみると、まだ人はまばらといった印象。美しくデザインされた芝桜の周囲に設けられたベンチを見ても、余裕で座れるスペースがあります。……にしても、思いのほか“ピンク”かつ“広い”ので、びっくりした。
全貌がそれとなーくわかったところで、一面に咲き誇る芝桜のなかへと歩いてみます。遠くから見ると「どピンク!!!!」としか思えず、規模感もまだわかりづらい。
きれいに整備されている道々を、芝桜を縫うようにして歩き、近づいてみると――なんか、モコモコしてる。飛び込んだら気持ちよさそう……(※柵を乗り越えてはいけません)。
この芝桜の丘、見頃を迎えた4月15日から「芝桜まつり」と称して、各種イベントも併催されているそうな。
まだ始まったばかりということもあり、芝桜自体も、場所によっては咲き始めらしいところもちらほら。満開になると、これ以上の物量でもって咲き誇り、視界を彩るという話。とんでもねえ!
近づいてみると……あら、かわいい!
全部で9種類の芝桜が植えられているらしく、場所によって咲き方も違っているので、間の通路を歩きながら眺めるだけでも楽しい。個人的には一番下、白の花弁にピンクの線が入っているやつが好きです。「多摩の流れ」という名前らしい。かわ……いい?
反対側の斜面まで歩いてきました。チューリップ畑を発見。
こちらでは特産市が開かれており、休憩スペース兼おみやげ売場としても賑わっている様子。屋台も数多く出ているし、ベンチもたくさん用意されていたので、お昼ごはんはこちらでいただくのもありかと。日本酒もあるよ! “ポテくまくん”が地味に気になる……。
羊山公園の「芝桜の丘」はこれから満開を迎えて、「芝桜まつり」も5月8日まで開催されているとのこと。池袋から特急であっという間なので、興味のある方はぜひぜひ。
おまけ:秩父ぶらり散歩
芝桜を堪能してからは、夕方までぶらっと秩父の街を歩いてきました。画面中央、見覚えのある橋*4も行きたかったけど……ちと時間的に厳しかった。
お昼ごはんは、西武秩父駅からほど近い「手打そば こいけ」さんにて(食べログ)。
シンプルながら喉越し抜群、香り豊かな麺は味わい深く、ここ最近で食べた蕎麦のなかでは断トツにおいしかったです。これだけで大満足なんだけど、ケチらないで、天ぷらとビールも頼めばよかったかしら……。次はまた別のお店で、わらじかつ丼を食べたい。
お腹を満たしたら、とっとこ歩いて秩父神社へ。なんだか妙な“青い”集団がいると思ったら、お仲間さんだった。前情報で知っていれば、むしろ一緒になって参加したかった……*5。
秩父神社に、見覚えのあるマークを付けた青パーカーの集団がいるから何かと思ったら、Ingressの非公式イベントやってるのね!たのしそう!
— けいろー (@Y_Yoshimune) 2016年4月16日
うむ。
今度は、聖地巡礼に来よう、そうしよう。