ブラジリア=田村剛
2016年4月17日20時42分
南米エクアドルで16日夜(日本時間17日朝)、同国沿岸部を震源とする強い地震があった。地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・8。同国政府によると、少なくとも77人の死亡が確認され、600人近くが負傷。犠牲者はさらに増える可能性があるという。建物やインフラにも大きな被害が出ており、政府は沿岸地域に緊急事態を宣言した。
米地質調査所(USGS)によると、震源地は首都キトから西北西に約170キロの沿岸部で、震源の深さは約19キロ。現地では余震が続いており、AP通信によると、ホルヘ・グラス副大統領は会見で「1979年以降で最大の地震だ」と語った。
地元メディアによると、最大都市グアヤキルなど沿岸部に近い都市を中心に大きな被害が出ており、橋が崩れたり、ショッピングセンターの天井が落ちたりしている。管制塔が被害を受けて閉鎖された空港があるほか、キトでも停電や断水が起きているという。
政府は救助や治安維持のため軍1万人の動員を決定。イタリアを訪れていたコレア大統領は急きょ帰国を決め、ツイッターで「冷静な行動を」と国民に呼びかけた。
AP通信は「何もかもが揺れ続けて死ぬかと思った。とても長い地震で家族のことだけを考えていた」と語る住民の声を伝えた。
政府は津波の恐れがあるとして沿岸部の住民に避難を指示。米ハワイ・ホノルルにある太平洋津波警報センターによると、大きな津波の到達はなかった。(ブラジリア=田村剛)
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朝日新聞国際報道部
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