G7外相 平和公園を訪問

G7外相 平和公園を訪問
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広島市で開かれているG7=主要7か国の外相会合は最終日の11日、各国の外相らがそろって平和公園を訪れて、原爆慰霊碑に献花するとともに、アメリカのケリー国務長官の提案で原爆ドームを視察しました。
来月の伊勢志摩サミットを前に、広島市で10日から開かれているG7外相会合で、最終日の11日、核保有国であるアメリカ、イギリス、フランスを含む、各国の外相らはそろって広島市の中心部にある平和公園を訪れました。そして、原爆資料館を視察し、原爆慰霊碑に献花したのに続いて、アメリカのケリー国務長官の提案で、当初の予定には無かった世界遺産の原爆ドームまで歩いて移動し、視察しました。
一連の行事のあと、岸田大臣は「今回の史上初めてのG7外相による平和公園訪問は、『核兵器のない世界』に向けた機運を再び盛り上げるための歴史的な一歩になったと思う」というコメントを出しました。
G7外相会合は、昼食をとりながら最後の議論が行われています。そして、会合の閉幕後、議長の岸田外務大臣が記者会見して議論の成果などを盛り込んだ共同声明に加えて、核軍縮・不拡散に関する「広島宣言」を発表することになっています。

官房長官「被爆の実情見て感じて」

菅官房長官は午前の記者会見で、「世界の指導者に被爆の実情に触れてもらうことは、核兵器のない世界に向けた機運を高めていくうえでも極めて重要なことだと考えている。各国外相には、しっかり被爆の実情を自分の目で見て、ご自身で考え、感じていただければと思う」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、アメリカのオバマ大統領の広島訪問について、「オバマ大統領の日程はアメリカ側が決めることであり、政府としてコメントすることは控えたい」と述べました。

広島市民「平和を願う契機に」

アメリカのケリー国務長官の初めての平和公園訪問について、原爆でめいとおいを亡くした広島市の75歳の男性は「初めての訪問をうれしく思い、歓迎します。ケリー国務長官や各国の外相には、今回の広島訪問を改めて平和を願う契機にしてほしい」と話していました。また、原爆で姉と妹を亡くし、みずからも爆心地から1キロ余りの場所で被爆した広島市の86歳の男性は「ケリー国務長官や各国の外相には原爆資料館などを見ることで原爆の悲惨さを肌で感じてもらいたい」と話していました。