アンドレ・ザ・ジャイアントというプロレスラーがいた。身長2メートル、体重200キロ以上もある史上最強クラスのレスラーだった。
このアンドレに果敢に勝負を挑み、勝つことのできるアントニオ猪木先生の口グセがある。それは、
「ありがとう!!」
今日は、この「ありがとう」について考えてみる。
突然だが、「右手よ下がれ!」と頭の中で思いながら、右手を上げてほしい。たぶん、上がらないか、上がってもスムーズに上がらないハズだ。
人は感情で生きているので、頭で思っていることと逆の行動を取るのは難しい。たまに言行不一致の人はいるけど、感情まではウソをつけない。
つまり、自分の感情をコントロールすることで行動をある程度コントロールすることができる。何事も感情が先に来るよ!ということ。
例えば、地震の恐怖で眠れぬ夜を過ごしているとする。恐怖という感情が行動をコントロールしてしまって、体が震えたりこわばったりして眠れなくなる。
こんなときは、恐怖という感情を変えてしまえばいい。今にも地震が来ているのにそんなことできるか!と怒られそうなのだけど、人は自分の感情だけはなんとでも変えることができる。
ただ、恐怖はとても強いアンドレみたいな感情なので、なかなかやっかいだ。そこで、猪木がそうしたように感謝の感情を使ってみよう。
試しに、目を閉じて誰か感謝している恩人なんかを思い出して、感謝してみてほしい。心から「ありがとう!!」と思っている状態で同時に「地震コワイ!」という恐怖を感じようとしてほしい。
なぜだかコワイと感じることができないのがわかると思う。つまり、猪木がアンドレにアリキックを食らわした状態。アンドレはヘタに大きいものだから、アリキックをかわすことができないのだ。
猪木よりも強いレスラーがいないように、感謝よりも強い感情はないので、感謝している限り他の感情に人が支配されることはない。絶対に。
ワタクシも恐怖で眠れない夜を何度も過ごして来たけど、夜、布団に入って猪木先生にリングインしてもらうことで、なんとか安眠を得られるようになった。
目をつぶってひとりひとり家族や友達、ネコにもありがとう!と頭の中で思い続ける。そうしている内は、体の緊張がほぐれてリラックスすることができる。つまり、自分の行動をコントロールすることができる。
行動を先にコントロールしようとしてもうまくいかない。寝なきゃダメだ!と思って恐怖に震える体を止めようとしても、体はなかなか言う事を聞いてくれない。なぜなら、感情が恐怖に支配されてしまっているから。
だから、「ありがとう!!」と猪木先生は叫んだ。恐怖心に打ち勝つために、感謝の感情を巧みに使っていたのだ。
眠れない夜はご唱和ください。
「イチ、ニイ、サンで、ありがとう!!」
これだけ覚えてもらえれば大丈夫。お世話になった人を思い出して、羊を数えるように、ありがとう!と思っていれば眠りやすくなるハズ。
ワタクシは何もできないけれど、元気があればなんでもできるから、なんとか体を休めて元気を蓄えてほしい。