仮設住宅は改良されたが、あまり住みたい場所ではない
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引用:http://rentai21.com/wp-content/uploads/2014/04/0111.jpg


熊本地震では多くの家屋が倒壊して、多数の避難者が出ていると推測され、2000年代の新潟地震に状況が近い。

新潟の地震では国による大規模な災害給付金が配られ、約2万戸が半壊か全壊していました。


熊本地震の被害

4月14日の熊本地震は5震度7、16日1時には震度6の余震が発生し、数十名がなくなったとされています。

新幹線や鉄道、空港が被害を受けて交通インフラが停止しています。

被害の全貌はいまだ掴めていないが、数百人が病院で治療を受け、1,100人以上が負傷したと見られています。
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政府は自衛隊の派遣規模を2000人から16日に1万5000人、17日に2万人規模に増員すると発表しました。

警察は1800人から2800人へ、消防も1300人から2700人に増員します。

安倍首相は16日に予定していた被災者視察を中止して、東京に止まる事になった。


15日から16日の状況では、約5万戸が断水し、数万戸が停電し、ガス供給を停止した地区もあります。

倒壊家屋が非常に多く、下敷きになっているが、何軒が倒壊したのかまだ把握していない状況です。

熊本市の病院や市役所も倒壊の恐れがあり、別の場所に避難しているところです。


今回の地震は1地方で強い地震が起きたという点で東北地震や、阪神大震災とは違い、2000年代に起きた新潟の地震に似ています。

2004年と2007年の新潟県中越地震で何が起き、どのような被災者支援が行われたか振り返るのも、無駄ではないと思います。

2回の地震で合計83人がなくなり、7150人が負傷、建物全壊4493戸、半壊1万8574戸、一部損壊13万9278戸に及びました。

熊本地震の今までの集計では、これよりは少なく、2007年の2回目の新潟県中越沖地震(15名没)に近いようです。



新潟県中越地震に近い被害


特徴的なのは大都会の地震と違い、被害の大きさに比べてなくなった人は少ない事で、大きな火災が起きなかったのも影響しています。

1回目の地震は10月23日午後5時56分に発生し、10万人が家を失い避難するという、この地域で最大規模の被災者支援を行う必要が生じました。

この地域の中心地の長岡市には、周辺から被災者が押し寄せて、体育館や公共施設に収容されました。


避難生活の当初は食料や物資の配給もなく、トイレなども不足して、大変不衛生な状況になりました。

配給が行われたところでは、数日後に菓子パンが配られたが、毎日3食菓子パンで苦情が出ていると記録されています。

きっとヤマザキパンとかは保存が利くので大量に集めて配布されたのでしょう。


トイレ不足やし尿処理に苦戦している事が、各地の避難所で毎日記録されています。

水が流れないのでプールや川からバケツで水を汲んで、水洗トイレを流していると書かれています。

保存食では「飲むゼリー」が最も好評だったとも書かれています。


11月に入ると市内で仮設住宅の建設が始まったが、被災者の数が桁外れで、政府の想定を超えていました。

1995年には阪神大震災がありましたが、特に教訓とかは得なかったようです。

新潟は土地が余っているから、どこにでも仮設住宅を建てられそうだが、逆に買い物などに不自由なので建てられない。



仮設住宅と義捐金格差

役場、郵便局、銀行、病院、駅などが近くになければならないので、市内に多く建てられました。

仮設住宅は2007年の時は2004年に使った分が残っていたが、最初の時は用地や資材確保に苦労しています。

阪神大震災からは9年経っていたので、当時の設備は使えなかったからでした。


仮設住宅は3500戸以上が建設されたが、地震が起きた10月23日は冬に近く、この地域は日本一の豪雪地帯でした。

仮設住宅が不足し希望者の半数しか入れないなど問題を残したが、3年半後に撤去され、すぐに2回目の地震が発生しました。

2回の地震で問題になったのが「義捐金」と「給付金」の不公平さでした。


2004年の地震では約370億円が集まり、家屋全壊500万円、半壊60万円から200万円ほどが配分されました。

2004年の義捐金では、途中で配分方法を変えたりして、受取額が人によって違っていたようです。

2007年の地震では約88億円が集まり、家屋全壊240万円、半壊60万円から165万円程度が配分されました。


2007年の時に、義捐金が減った影響で、特に全壊世帯への配分が大きく減ったのが分かります。

政府は地震の前に『被災者生活再建支援制度』で全壊世帯に100万円、大規模半壊世帯に50万円を支給する法律を作っていました。

さらに住宅を建設・購入する場合は200万円、補修する場合は100万円、賃借する場合は50万円が加算支給されます。



国が災害に給付金


2004年の地震では国は全壊世帯に300万円を支給し、義捐金も400万から500万を受け取りました。

2007年の時も給付金は同じだったので、2回目に被災した人は、1回目の人より、200万円も取り分が少ない。

こういう不公平さは以前からあり、1991年(平成3年)6月の雲仙・普賢岳噴火では1軒3200万円の義捐金を受け取りました。


だが1995年(平成7年)の阪神大震災では、被災者が多かったため、分配額は40万円に止まりました。

阪神大震災の時には『被災者生活再建支援制度』が無かったので国と自治体は1円も支払いませんでした。

ただ貸し付け制度があり、被災者に支給した金はその人の借金になり、かえって被災者を苦しめ後に大問題を引き起こしました。


募金が多く被災者が少なければ、理論上1億円以上の義捐金を受け取れる場合もあり、逆の場合は少なくなる。

災害募金をプールしておいて公平に配る方法が考えられるが、募金団体同士でも利害が対立しています。

東北地震では東京電力という準国営企業が補償金を支払った為、かなり例外的と言えます。


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