誰も知らない阿蘇山「破局噴火」は起こるか

誰も知らない阿蘇山「破局噴火」は起こるか

推定マグニチュード7・3を観測した熊本地震の震源に近い阿蘇山で16日、小規模な噴火が起きた。気象庁は一連の地震との関係に否定的な見解を示したが、火山の専門家は9万年ぶりの「破局噴火」への警戒を呼び掛ける。列島最大規模の巨大噴火の実績を持つ阿蘇山。ついにその時が来るのか。

「札付き」のカルデラ火山

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過去には3回起きた

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留め金が外れてしまった

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阿蘇はピークを過ぎた

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気象庁「一連の地震と直接関連なし」

  

火山性地震ではないが影響は否定できない

 熊本県で16日未明に発生した震度6強、マグニチュード(M)7・3の地震で、気象庁は「14日以降に発生した地震の本震」と発表。14日夜の震度7、M6・5の揺れは前触れだった。16日朝には熊本県の阿蘇山が小規模噴火し緊張が走った。不気味さが漂う直下型の内陸地震の頻発。専門家は、M8級の「南海トラフ」巨大地震との関連にも警戒を促している。
 気象庁によると、16日未明の地震は、M7・3で、1995年の阪神大震災と同規模。エネルギーは、震度7を観測した14日の地震(M6・5)の約16倍だった。14日の震度7の地震はこの前震だった。前震は、震度7の地震を含め154回発生。本震は「横ずれ断層型」とみられる。
 今回の震源の近くには、熊本県内を北東から南西方向に延びる布田川(ふたがわ)、日奈久(ひなぐ)両断層帯がある。阿蘇外輪山の西側斜面から八代海南部に至る全長約101キロの活断層で、熊本県の内陸部で以前から大きな地震を起こすと考えられてきた。
 産業技術総合研究所の活断層・火山研究部門で総括研究主幹を務める山元孝広研究員は、「14日のM6・5の地震、16日のM7・3の地震ともに二つの断層帯が引き起こした直下型地震だとみて間違いない。先に日奈久断層帯が動いた後に、布田川断層帯がずれた。両断層帯はかねてから、大きな地震を発生させるとわれており、布田川のほうがより大きな揺れになるとの予測もあった」と指摘する。
南海トラフと中央構造線
南海トラフと中央構造線
 さらに16日午前8時半ごろには、熊本県の阿蘇山で小規模な噴火があった。噴煙の高さは約100メートル。気象庁は「一連の地震とは直接関連がないとみている」としているが、本当に大丈夫か。
 先の山元氏は、「今回の地震はいずれも火山性地震ではなく、直接の関連はない。ただ、火山活動に影響を与えることは否定できない。内陸地震の頻発による刺激で何らかの変化が生じることはあり得る」とした上で、気になる警告を発した。
 「過去の例を見ると、南海トラフは発生する50年前から内陸地震が頻発するという傾向が確認されている。2011年の東日本大震災以降、内陸地震の発生頻度は上がっており、南海トラフ巨大地震が確実に迫っているという印象だ」(夕刊フジ 2016.04.16

「その時」はいつやって来る?

  • 日本の火山活動「大規模噴火の準備段階」入りの可能性も

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異例の「連鎖」が意味するもの

 熊本県で相次ぐ地震は、16日未明にマグニチュード(M)7・3の地震が起きて以降、阿蘇地方や大分県などの北東側へ活動域を延ばして活発化している。これほど広域に及ぶ「地震の連鎖」は異例のケース。四国や紀伊半島には大規模な断層帯が横断しているが、さらに拡大する可能性はあるのだろうか。
 熊本県中部には、14日にM6・5の熊本地震が起きた日奈久(ひなぐ)断層帯と、その北にある布田川(ふたがわ)断層帯が走っている。一連の地震は当初、この2つの断層帯付近で発生したが、16日未明になって“飛び火”するように北東側の阿蘇地方で地震が相次いだ。
 さらに大分県の別府-万年山(はねやま)断層帯付近でも地震活動が活発化。震源は布田川断層帯の北東の延長線上に帯状に連なる。これらの断層帯は合わせて別府-島原地溝帯と呼ばれるが、気象庁の青木元・地震津波監視課長は「ここまで広範囲に及ぶ地震は近代観測史上、聞いたことがない」と驚きを隠さない。
 九州の東側にある四国や紀伊半島には、東西に連なる中央構造線断層帯があり、数多くの活断層が分布している。
 かつて、この地域では1596年9月に慶長豊後、慶長伊予、慶長伏見の3つの地震が相次ぎ発生したとされる。地震考古学者の寒川(さんがわ)旭氏は「これらの地震では、大分から四国を経て、豊臣秀吉がいた伏見まで地震が同じ時期に起きていた。中央構造線断層帯が影響したと考えられる」との見方を示す。
 「中央構造線断層帯が一度に動くのは2千年間隔とされ、今は連鎖するとは思えないが、大きな断層帯には無数のもろい活断層があるので、連動して動くこともあり得る」と指摘する。(産経ニュースwest2016.04.17

まだまだ有事は続く

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