米「為替スーパー301条」発効に韓国為替当局ピリピリ

 米財務省の為替レート報告書発表を前に、韓国の外国為替当局や金融市場がピリピリしている。「為替のスーパー301条」と呼ばれる米国BHC法案が先月発効されたのに伴い、今年から為替操作を疑われる国に指定されると、投資・通商で不利益を受ける可能性があるためだ。BHC法案とは、米国の「貿易促進法2015」内の「貿易相手国の為替」関連規定の通称だ。不公正な貿易相手国に対して報復措置を取ることができるスーパー301条のように、BHC法案に基づき、為替操作が疑われると指定された国に対しては投資・通商の制裁を加える。米財務省は、1988年から6カ月ごとに為替報告書を出しているが、今年からこの報告書に為替操作の疑われる国(深層分析対象国)を盛り込むことにした。当初は先月15日に報告書が出ることになっていたが、発表時期が延期されている。韓国政府は、来週にも報告書が公開されると見ている。

 韓国政府と韓国銀行は、韓国がリスト入りする可能性は高くないと見ているが、外国為替市場では「韓国は米国との貿易でかなりの黒字を出しているので、この法案の適用対象となるのでは」という懸念の声が上がっている。これに関連して15日のウォン対ドル為替レートは前日より1ドル=10.5ウォン下げた1146.2ウォンで取引を終えた。先月初めと比べると、1ドル=81ウォン(6.6%)以上のウォン高だ。

 韓国経済研究院のキム・ソンフン副研究委員は「経常収支黒字や対米貿易黒字を大幅に出している中国・台湾・韓国などは為替操作が疑われる国に指定される可能性が高い」と語った。淑明女子大学のシン・セドン教授は「米国は韓国に対しさまざまな貿易報復措置を断行するかもしれない。韓国政府はもっと積極的に韓国の立場を説明しなければならない」と述べた。

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者
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