All You Need Is Kill 桜坂洋
この作品は、近未来を舞台に、未知の生物「ギタイ」と人類との戦いを描いています。
ハリウッド映画化や、小畑健さんによってコミカライズもされているので、有名な作品ですね。
ジャパンの青年兵士、キリヤ・ケイジは、出撃して死んだはずの自分が、同じ日を繰り返していることに気が付きます。
どうすればこのループから抜け出すことができるのだろう。
考えながらも日々を繰り返すことで少しずつ強くなっていくケイジ。
そこへ彼の秘密を知る一人の女性が話しかけてくるのですが――。
熱いバトル・泣ける感動のクライマックスを味わえる本の紹介です。
以下、裏表紙より一部引用
「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」
敵弾が身体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。
トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。
寄せ集め部隊は敗北必死の激戦を繰り返す。
出撃。戦死。出撃。戦死。
――死すら日常になる毎日。
ループが百五十八回を数えた時、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する……。
終末を思わせる世界観
人類が戦っている未知の生物、「ギタイ」ですが、こいつがまた強いです。
巨大な体躯に重い体重。
手をブンと振れば、人間の体はひと薙ぎにされてしまいます。
地域によっては善戦しているところもあるようですが、じりじりと押しこまれているのが現状。
それでも明るく過ごしている軍隊員たちが印象的です。
ギタイというバケモノに対抗するため、歩兵が身につけているのが、強化ジャケット。
パワーを何倍にも増幅してくれるパワードスーツのようなものですが、防御はあまり強くないようです。
敵の弾丸は貫通するし、衝撃を受ければ壊れてしまうしといった具合。
戦力差は明らかで、10人の歩兵で1匹のギタイを倒せれば良い方という状況なのです。
なんだか絶望的になってきましたね……。
強さと弱さのバランス
上でも紹介した強化ジャケット。
力を何倍にもしてくれるが、一方装甲は弱いという代物です。
強さと弱さの設定バランスが、SFやファンタジーの面白さのモトですね。
超便利な道具・魔法が出てきて、それで終わりでは物語になりません。
折れた竜骨でもそうでしたが、SFでもファンタジーでも、しっかりとした設定と制約がついている作品は面白い。
日常を生きる私たちでは体験できない事だけど、制約があるおかげで感情移入ができるのです。
まとめ
SF好きなかたは楽しめます。
また、タイムパラドックス系の物語が好きな方もぜひ。
近未来が舞台設定ときくと、じゃあなんでもありというイメージになりがちです。
しかし、そこは作者が創る設定と構成次第。
この作品、うまく出来ていますので、意外とスムーズに感情移入できますよ。
なので、SF初心者の方にもおすすめです。
何度もループする中、主人公ケイジに目覚める数々の新たな感情。
ぜひともこれに共感しながら読み進めてください。
最後に訪れるクライマックスで、その感情の波は最高潮を迎えることでしょう。
All You Need Is Kill JUMP J BOOKS 桜坂洋
最後に
最後まで読んでくださりありがとうございます。
今日のオススメ本、いかがでしたか?
こんな時に読む本をお勧めしてほしい。などあれば、コメント等でお知らせください。私、とても喜びます。
読んだ感想などお聞かせいただければ、これもまた、とてもうれしいです。
ぜひ私と、読書体験を共有しましょう。
目的別おすすめ本度
泣きたい時:★★★★☆ 4
笑いたい時:★★☆☆☆ 2
キュンとしたい時:★★☆☆☆ 2
熱いバトル:★★★★☆ 4
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