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地震情報

[発表時刻] 2016年4月17日 05時43分 気象庁発表

2016年4月17日05時41分ごろ地震がありました。

[震源地] 熊本県熊本など [最大震度] 3 今後の情報に警戒してください。詳細

熊本21施設、透析不能に 医療体制に打撃

人工透析には電気と大量の水が欠かせない=兵庫県西宮市で2006年(写真と本文は関係ありません)
日本透析医会ホームページの「災害時情報ネットワーク」に寄せられている各医療機関などからの情報

 14〜16日に起きた熊本地震は、熊本県内の医療提供体制にも打撃を与えた。厚生労働省によると、県内で腎不全患者の人工透析を行う医療機関は、15日に4施設、16日にさらに17施設(午後5時現在)が停電などで対応できなくなった。各施設はインターネットの専用掲示板を使い、患者の受け入れ態勢整備を急いでいる。【熊谷豪、下桐実雅子】

 日本透析医会は、ホームページの「災害時情報ネットワーク」のコーナーに、地域別の最新情報を掲載している。それによると、熊本県内にある透析可能な94医療機関のうち、14施設の建物が半壊または一部損壊し、ほかに機器故障で受け入れができなくなった施設もある。そうした医療機関からの患者受け入れ要請は、県内で透析が必要な患者6300人のうち300人以上に達する。

 受け入れ先の事情が変わったケースもある。厚労省などによると、14日に震度7の地震があった益城町の益城中央病院では、入院患者10人中6人を熊本中央病院(熊本市)に搬送した。だが16日未明には同市も震度6強の揺れで多くの負傷者が出て、同病院から「透析できない」と支援要請があったという。

 同病院はネットワークの掲示板に「市内の透析施設は、透析不能状態に陥っています。透析患者を可能な限り招集し、輸送が望まれます。できれば、この掲示板に指示をお願いします」と書き込んだ。熊本市民病院(同市)も「建物の倒壊の危険性も考え、入院患者12人、外来患者、月水金10人、火木土13人の透析をお願いします」と要請した。

 掲示板では、県内外の施設から受け入れの表明も相次いでいる。ただし「透析担当の専属スタッフが少ないので、スタッフの同行も必要」「依頼の際には透析液を持参いただくと助かります」などと、人手や物資の確保に苦慮している様子もうかがえる。

 透析は機器に血液を通し、血液中の老廃物や不要な水分を取り除いて、血液をきれいにする。電気と大量の水が必要だ。不純物が混じった水は使えないため、掲示板では「熊本市内では(地震による)水質悪化もあり、透析不可が激増する可能性がある」との指摘も出ている。

 一方、患者らで作る全国腎臓病協議会(東京都)も災害対策本部を設置し現地の患者会と連絡を取りながら情報収集を進めている。全腎協によると、停電中の施設も自家発電によって透析を続けているが、エレベーターが動かないため、高齢の患者の付き添いなどの人手が足りないとの声が届いているという。

 また、水や機材の不足から、通常は1回に4時間程度かかる透析を2時間に短縮している医療機関もある。金子智常務理事は「緊急避難的に命をつないでいる状況。透析は週3回程度行うのが一般的だが、前回の透析から日にちがたっている患者もおり、速やかな対応が必要だ」と懸念する。

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