最大12市町 震度7想定
県防災計画 佐賀平野断層帯で
2016年04月16日 10時42分
地震が少ないといわれる佐賀県だが、県内にも大規模地震が起きる可能性をはらむ活断層が走っている。佐賀平野を東西に走る北縁断層帯など五つの断層があり、県が策定する地域防災計画では最大震度を7と想定する。
県地域防災計画によると、県内と周辺地域に14の活断層があり、うち五つを「佐賀県への影響度が大きい」と位置付け。佐賀平野北縁断層帯のほか、県東部をかすめる日向峠-小笠木峠断層帯、唐津市の城山南断層、伊万里市から松浦市に延びる楠久断層、鹿島市や太良町などを走る西葉断層がある。
政府の地震調査研究推進本部では、マグニチュード(M)6・8以上の地震を引き起こす可能性がある活断層の評価をまとめている。今回の熊本地震の震源近くを走る布田川・日奈久断層帯は、30年以内にM7・5以上の地震が発生する確率が「最大6%」と全国でも高い部類だった。県内では、佐賀平野北縁断層帯でM7・5程度の地震が起きる可能性を指摘している。
佐賀平野北縁断層帯は、地質断面の調査などから平均活動間隔が「6600年~1万9000年程度である可能性がある」という。ただ過去の活動時期が把握できておらず、今後の発生確率を算出できない状況にある。評価書は「過去の断層活動に関する信頼性の高いデータを取得する必要がある」と課題を指摘する。
県地域防災計画では、佐賀平野北縁断層帯について鳥栖市から佐賀市、武雄市、白石町まで最大12市町で震度7を想定。冬の深夜に発生した場合、死者約4300人、負傷者約1万6000人を予測する。建物被害は、冬の夕方で約5万8000棟の全壊・焼失としている。
他の断層でも日向峠-小笠木峠断層帯が鳥栖市や基山、みやき、上峰、吉野ケ里町で、城山南断層が唐津市の一部、西葉断層は鹿島市・太良町の一部で震度7を想定。790人~50人の死者が発生するとみている。
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