ホワイトファング
第1話 ホワイトファング
ホワイトファング
@antiyutori
第1話 ホワイトファング
初めまして。中高時代 排除屋をやっていた者です。なあに排除といっても大層なもんじゃありませんよ。
2人で喧嘩している人みたらどっちかの援護攻撃 といった類の子供同士の痴話喧嘩を終わらせる者とでも覚えておいてください。
名前は…まあ名乗るとしたら「ホワイトファング」と言っておきましょう。
何故今になって話し始めたのか、気まぐれです。排除屋は闇の住人です。黒幕になる事もあります。
だけどそれは正しい方法ではありません。
喧嘩は2人から始まったら二人のものの筈。どうして第三者が介入するのか。それはただの野次馬。
さあ皆さん低俗な話になりますがスタートですよう!
それは私が高校一年生だった頃の話です。
知り合いの女王様気取りで普段は「天然」を演じていた女子生徒と目立たない地味な男性生徒でトラブルが発生したんです。正直関わりたくはありませんでした。
私もキャラ作りというか演技をしていました。いや演技でもしないと性格が悪いので誰にも相手にされなかったレベルなんです。
低質な性格の人間が殆どを占めていましたけどね。私と彼女はその中で最も悪いレベルでした。
頭がじゃなく性格がね。いやもう「お前ら何だ!?」と言われてもおかしくなかった。
だから「演技をする事」で隠したんです。運が良い事に全員演じていた。詐欺師ばかりの中で嘘をついてもばれないもんです。
互いに突っ込まれたらヤバい事を裏でやっていた。素がそれ。
話を戻しましょう。
目立たない眼鏡をかけた男子生徒(以下メガネドッグ)が女王様気取りの女子生徒(以下ホワイトクイーン)に恋心を抱きました。
もっといえば「恋心」では無くただ「異性と会話がしたい」という思春期特有の欲望だったのでしょう。
そこに下心は無く純粋な「社交目的」だったのではないかと思います。
私はメガネドッグの友達ではないし彼の事は教室やクラス内でしか知りません。だけど「こいつおかしくね?」と思える行動はありました。
私が彼を理解できなかっただけです。排除をやるのに相手を理解する必要はありませんから。
メガネドッグはホワイトクイーンを理解できなかった。クラスの中でしか知らないからホワイトクイーンの素を知らなかった。
今思えば彼に「お前はホワイトクイーンをチワワみたいに思ってるんだろうが実際には猛犬いやもうケルベロスだから。」と言ってあげればよかったんだと思います。
ホワイトクイーンの中学時代を知っている私にとっては「こいつに惚れる男なんているのか?」と思える程だった。
それが収まりを見せたのが高校に入学してからだった。いや収まったんじゃない隠していただけだった。
常に本性全開だったら彼女はメガネドッグよりも酷い目にあっていたでしょう。
案の定 男を受け入れる事が出来ない心が狭い醜悪な性格のホワイトクイーンはメガネドッグを拒んだ。
「自主退学に追い込んでやろうか」と吹聴したと私は聞きました。
ホワイトクイーンは面倒くさい事を他人に押し付けて自分は綺麗なまま何食わぬ顔をして日々を過ごすタイプのずる賢い「嫌な女」でした。
私は自分からホワイトクイーンに売り込みました。
「代行しようか?」とね。
ホワイトクイーンの排除案通りにやったらメガネドッグはマジで死んでた。殺人事件が発生していた。
それはいつか足がついてしまう。
ホワイトクイーンの感情のまま出た言葉は今はここでは言えませんが信じられない位攻撃的でした。
私は考えました。
「蛙の釜茹で」では無く何度か相手に理解を促す手段に出ました。
「文句つけ」みたいですけどそれがぎりぎり可能だった。
教室の中でやりました。昼飯時間終了直前とかの「空いた時間」にね。
それでもメガネドッグはホワイトクイーンに粘着を続けた。
どこからそんな執念が湧いてくるかわからないけど彼の感情は私の理解を超えていた。
私はいつか彼を小突きました。怒鳴って殴る。
それが効果的でした。
メガネドッグもホワイトクイーンの素の醜悪さに気が付いたのかやめました。
外野が何度か言ってたけどもう時間がたってやめました。
ピタリとね。
多分ホワイトクイーンが裏で何か言ったんでしょうね。「もういうのやめろ」って。
女王様タイプですからすっげーきついんですよ。
もう16年も前になりますね。
現在ホワイトクイーンは就職してよろしくリア充やってます。彼女の素を知らない人間を騙しながらね。
メガネドッグの方は…俺は彼の将来知りません。もう無関係ですからね。
皆さん俺みたいなのに気を付けましょう。