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標本即売会「JUVISY」 in Paris

Category : ジュビシー(フランス パリ)



☆告知☆

みんなよってりゃぁ!第3回★かぶ☆のクワカブプレ
★かぶ☆さんのところで毎年恒例プレ企画発動中!!(↑クリックで別窓で飛びます)協賛は本日まで、応募は10月1日からです。要チェック!!




行ってきました、フランスのパリにて開催のJUVISY(ジュヴィシー)。前回のリヨンで行われたパピリヨン(←クリックで記事に飛びます)以来の欧州での大規模標本即売会。この前は軍資金の準備不足と滞在時間の短さもあってあまり詳しくレポ出来ませんでしたが、今回はどうでもいい話を交えつつ若干詳しく書こうと思います(^^♪



今回は日帰りでアムステルダムから新幹線「タリス」を使いパリまで行ってきました。このタリスはここ1ヶ月の間にISによる銃乱射テロが行われた今一番ヤバヤバな新幹線です。私は安かったので今回飛行機ではなくこちらを使いましたが・・・正直不安でしたね(^_^;)幸いISは現れなかったものの厳重警備の下、運行されていましたね。フランスというと花の都パリとか言って、さぞかし優雅で上品なイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、現実は全く違います。街は汚い、とにかくゴミで汚い。そして治安がすこぶる悪い。スリやひったくりでは警察はもやは動きません。日中でもどうどうと強盗が行われる程度ですから、今やパリの治安はヨーロッパの先進国でも最低レベルだと言っても過言では無いでしょう。そういった事もあるだけに、今回は緊張して臨みました。リュックにも南京錠つけましたし。・・・大事な標本が強奪されてはたまりませんので(^_^;)

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ジュヴィシー着!新幹線でアムスから4時間!(この日は工事で4時間でしたが普通は3時間)。駅降りてすぐのところにこんなにデカデカと看板が。これはさぞかし大きな即売会なんだろうなぁ。



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会場は広い!リヨンより広いです。そして異様に暑い(笑)外はもうコート着ないと肌寒いくらいなのに、中はかなり暑い。会場は体育館みたいなところなんですが、扉を数箇所あけただけじゃ熱が逃げていきません。コミケの東西ホールを想像していただくとイメージしやすいです、あんな感じでしたね。あーもう駅から小走り来たので汗ダラダラです。

到着はなんだかんだで12時過ぎ。出遅れてしまったので、まずはぐるっと急いで一周。大体どこに何があるかを確認して、入口のすぐ近くにブースを構えるパイネによってきました。Kさん(これ伏せてる意味あるのかな?笑)にまずはツケの返済をして、ブースの中で一休み。実は会場にルンバッシャーの♀を持ってくる様に頼んでおいたのですが、どうやら本人わすれたみたいです(笑)まあ急いで無いのでいいのですが、近いうちに入手してくるとの事なので楽しみですね~!


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毎度お馴染み縦置き展示。これだと標本も見やすいし、沢山おけるしで一石二鳥なんですよね~。日本の会場は狭いですから中々こういう事できませんが、見てる方は品定めしやすくて便利です。


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この他にもネプチューンはかなりありましたが、どれも同じようなのばっかでイマイチでした。144mmくらいでいい型があればと思ったのですが、143mmで胸角が下に向いてる型の悪いのしかありませんでしたね。

そういえばギアスの大きいのを買おうかと思ってましたが今回は断念しました(^_^;)サンタカタリーナとかエスピリトサントとかのいわゆるプランディー・ギアスを探してたのですが、そちらもありませんでした。Kさんにこれを言ったところ、なんと衝撃の発言が。「そもそもプランディーなんてなかったんですよ(笑)」 えっ!? 「実際に聞いてみたんですけど、ミラー二のプランディーのタイプ二十数体は買った標本で、基準産地のサンタカタリーナなんてのも嘘。自宅の庭の場所をラベルに書いただけなのでそもそも記載自体が間違いなんだそうです(笑)」 ちょwwwwww!?これには思わず笑ってしまいました(笑)まあプランディー型として一個持っておくのも悪くないと思うので、いつか機会があったら入手したいと思います。


フトタマ


フトタマ。右上からオリッサ・ベルトローニを抜いた以外は誰も抜いた痕跡ナシ(笑)まあ会場にはかなり多くの人間がフトタマだしてたので、ここで(若干高い)買う必要もないかもしれないですからね~。そういえばプルチラ・プルチラをあまり見かけませんでした。シリアは値段そこそこしましたが、数は結構あったので入手はわりと簡単に出来るな~と言うイメージです。


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大型カミキリ(特にセルビコルニスとタイタン)は沢山あります。アルミラトゥスもありましたがやはり想像通り高い。120mm超えるのも2つしかありませんでしたし。他のカリポゴンに関してはバルバトゥスは不作でしたね~レモイネイはやはり珍品なので、そもそもあまり出回らないそうです。セリケウムに関しては誰か一人くらい持ってるかな~と思いましたがゼロ。私が来る前にもしかすると売れてしまったのかもしれませんね。


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リッキー(って書いてあったけど多分エクアトリアヌス)の上翅がメチャクチャ綺麗な個体があって2600円とかなり安くて悩みましたが、サイズは130mmぐらいしか無かったのでやめました。どうせエクア買うならいいやつが欲しいですからね~
タランドゥスの88mmが2万円ぐらいで買いだったのかな~と。ボルネオのフェモラリスは97mmが2万6千円で売ってましたが、展足ぐちゃってたので本当に97mmあるかどうか微妙でした(笑)他にもお買い得商品をあげたらキリがないのでこのあたりで・・・。これはお金があればあるだけ使っちゃいますね。


今回はいくつか頼まれてた物もあったのですが、時間があまりなくてゆっくり時間を掛けてみる事が出来ませんでした、スミマセン(涙) KBさんから頼まれていた某大型カミキリはコロンビアの標本商と直接かけあってなんとか安く購入。しかしそもそも大きいのは数が本当に少ないらしく、言われていたサイズを購入出来ずに申し訳なかったです。Mさんのはディスセンデンスを忘れてました。本種は黒くて他の種類と見分けがつきにくいので、今度はしっかりと探して見ます。Yさんの幼虫標本は何とか購入できました。前回のリヨンではカブトムシの幼虫を販売している業者を紹介しましたが、あの他にも蝶や蛾の幼虫を売ってるところがありました。毛虫の標本、買っとけばよかったかな~?






短い滞在時間でしたがタイムアップ。Kさんとは途中一緒にぐるぐる回って品定めしてたのですが、最後時間がなくてしっかり挨拶できなくて申し訳ない事をしました。最後まで粘りすぎたせいでこれからダッシュで走らないと駅まで間に合いません。しかしあらかじめ余裕を持って着けるように15分前行動をしていた為少し余裕がありました。

だがこの余裕こそが、後に大変なハプニングを呼び起こすことになるとはこの時思ってもいなかったのである・・・。



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駅に到着。途中間に合わん!と感じダッシュしたので汗ダラダラ。しかもホームについて標本を確認すると、走ったせいで箱の中のピンが外れ巨大なアクティオンのメスが4cmのかよわい幼虫標本へダイブ!なんと大事な幼虫の触覚が破損してしまった・・・(泣)後でボンドで修理して渡しますが、私のミスなので頼まれて買った物ですから流石にお金を取るわけにはいかない・・・(^_^;)

さてブルーになってたとこに更なる追い打ちが!なんと電車が来ない!私が走ったのにも関わらず、電車は私が駅についた瞬間に出て行ってしまったようだ(泣)次の電車はあと20分後。ここから新幹線に乗るためのパリ北駅までは30分。ま・・・間に合わん!

それでも絶望的な状況を回避する為に同じ方面に向かう電車に取り敢えず飛び乗って、乗り継ぎで行くという無謀な作戦に出た(笑)しかしそれしかない!間に合わなければ新幹線に間に合わないどころか家に帰れくなくなる!おいおい冗談じゃぁないぞ。必死でスマホで路線図と乗り換え案内を探す!探す!しかし無い!フランス語で全くわからんぞ(涙)

この瞬間早くももう新幹線は諦めました・・・。もう流石にアウトです・・・。さようなら俺の座席、さようなら俺の新幹線代・・・・。フランスに一泊するか、遅い電車にのるか、それともいっそのことシャルルドゴール空港まで行って飛行機で帰るか!?いずれにせよ帰宅時間は遅れること間違いナシなので家に電話。まー色々言われましたねぇ(笑)





・・・がしかし!なんと奇跡が!家にいた父から電話が来て、父のスマホのアプリを使って運行情報を調べたところ、今日に限って新幹線が遅延してるそうではないですか!。幸運な事に・・・まだホームにいるとの情報が入ってきました。急げ!とパリ北駅構内をいつ以来かの全力疾走(片手に標本箱ぶら下げながら)!!間に合わんと思っていただけにこのチャンスを逃してはいけない!と無我夢中になって(途中迷子になりながらも)なんとかホームまで到着!即座に乗車!
ギリギリセーフ・・・・奇跡だ・・・!しかし不運にも違う車両に乗ってしまったので自分の席にはつけず、結局2時間の間疲労困憊の体にムチ打ってずっと立ってますごしてました。途中、「ああ、そういえば今日朝から何も食べてないなぁ・・・腹減ったなぁ・・・」なんて考えながら。




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午後8時半。ようやく目的地であるアムステルダム セントラルステーションにつきました!いや~、なんだか夜の駅はゲームの最終決戦場みたいな不気味な雰囲気を醸し出しています。私はセントラルステーションのこの場所には初めて来たのですが、中々駅の構内もハリポタみたいな不気味で面白いです。今度写真撮りに来たいですね~

さて、このセントラルステーションから自宅まではメトロの51番線を使って30分。4時半に会場を出たので実に4時間半の長旅でした。もうすぐ家について戦利品を鑑賞できるぞ~!とそわそわしてたのです が! 問題はこの後に起こりました。

メトロの改札に向かったのですが、私がいつも家に帰るのに利用してる51番の電車が・・・ない!見つからないのでバスで帰ろうかと外に出てみるとバスが・・・ない!おっかしいな~と冷や汗かきながら散々歩いた挙句、結局駅員に聞いてみる事に。

私 「すみません、51番のメトロに乗るにはどこに行けばいいですか?」

駅 「・・・は?何ですかそれ?」

私 「いや、だから家に帰りたいんです!アムステルフェーン市に向かう51番のメトロはどこですか!??」

駅 「あー・・・キミどこから来たんだ?そしてどこに行きたいの?」

私 「いやだから、さっき言ったようにアムステルフェーン市にある自宅に帰りたいんですよ!!今パリから新幹線できたところですよ!それがどうしましたか!?」













駅「ここベルギーですけど」

「ベルギーですけど」

「ベルギーですけど」

・・・





オーシット!!ここはアムステルダムじゃなかったのか?何故!?電車の放送でもアムステルダム セントラルって言ってたし・・・。

そう考え込んでフリーズしてると、駅員が指差した方向には駅名が書かれたプレートが。そこには「Antwerp Central」の文字が・・・アントワープ・セントラル・・・

・・・ああ~あ、やっっっぱりどこかオカシイと思ったんですよ。一難去ってまた一難とはまさにこのとこですな。ちょくちょくアムステルダム・セントラルステーションは来てるはずなのに見覚えの無い景色だし。メトロ51番がなくて5番とか3番とか一桁のしかないし。バスの番号も違うし。車内放送はフランス人だったから「アンットゥブ・セントラァル」って言ってたからアムステルダム・セントラルをアントワープ・セントラルと聞き間違えちゃったよ・・・。あ~やっちまった・・・


もう仕方が無いので全てを受け入れました(笑)インフォメーションとチケット・オフィスまでダッシュして何とか今日最終の新幹線を「アントワープ」セントラルから「アムステルダム」セントラルまで購入。これだけで8000円ぐらい取られたぞ・・・フェアで有り金全部使わなかったから良かったものの、カードにもあんまりお金入ってないし無かったら大変なことになってました。流石に標本箱抱えながらこれから近くのホテル探す気力はもうありませんでしたし・・・それにスマホの充電も殆ど無かったのでこの時は本当にヤバかった(涙)

本日の最終列車は9時半発。ホームで1時間程待った後、ようやく乗車。今度こそは無事にアムスに到着。そしてしっかり51番のメトロがあることを確認し帰宅。家についたのは12時半でしたとさ。会場を出てから実に8時間の超ロングジャーニー。日本の新幹線並のスピードと丁寧さがあれば2時間でついたのにねえ・・・(笑) 私は一人旅をすると必ず何かしら事件が起こると言うジンクスを持っています。飛行機に乗ろうと思えば乗り遅れ、バスに乗ろうと思うと時刻表の読み間違え、新幹線を使えば下車駅を間違える・・・。しかし今回は流石に参りました、懲り懲りです。夜の街は治安が悪いので、標本取られたらどうしようかと緊張しましたよ。こうして今回の一人ドタバタ遠征記は幕を閉じたわけです。そんな感じでお三方、代理購入した標本には多大な苦労と私のミスによる新幹線代がかかっているのです(冗談です爆)



さてさて、どうでもいい話が長くなってしまい申し訳ありません。今回の戦利品を全部ではありませんがちょこっとだけ紹介したいと思います。


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ヒルデブランディ。頼まれてたやつの一部ですが、私も中々カッコよくて気に入ったので購入。通常タイプじゃなくて横スジタイプですが、中々くっきりしてていい個体じゃないかと我ながら思います。個人的にはフェルドスパシカの光沢のあるパープルタイプが一番欲しかったのですが、上翅全体がパープルの奴は無かったので残念です。




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そして何といっても今回の目玉がこちら!こいつらです。いや~ほんとこれ手に入っただけでもわざわざきた甲斐がありまたよ~。

画像見て何か気づきませんか?んっ!?ってなった方はよく見てますね!真ん中の赤いラベルが付いてるラミレス、実はこれホロタイプ標本なんです。いや~、まさかラミレスのホロタイプを我が家で保管する日が来るとは思わなんだ。記載者本人から買ったので間違いなく本物ですよ!


※追記
実はこのラミレス、ホロタイプだと思っていたのですがパラタイプだということが判明しました(汗)どうしてこんな事になってしまったのかと言いますと、購入時には写真のホロタイプのラベルが標本と一緒に背面にセットされてたからです。しかしこの標本とは別に、付属パーツのように針にささった状態のパラタイプと書かれたラベルもついてきました。ホロタイプとパラタイプ、どちらのラベルを信じれば良いか判断にこまりましたが、やはり直接セットされていたのでホロタイプの方が信用できるのではないかと思いホロタイプとして記事に書きました。その後本種の記載文を見たのですが、そこにはなんとこの個体はパラタイプであるとの記載が・・・。なぜホロタイプのラベルがついていたかは謎(実際のホロタイプはアロタイプと共にフランス自然史博物館に保管されている)ですが、とにかく今後は原記載通りにパラタイプとして扱いたいと思います。

左は40年前に得られたブラジルの中々形のいいアクティオン。ペアで買って♀の方は80mm近い大型だったので満足。これでアクティオンはペルー、フレンチギアナ、エクアドル、コロンビア、ブラジルと5カ国になりました。右は極太アクティオン。実物はもっと凄いです。これでアクティオンは手元にあるのだけでも15体になりました、マウントすると凄い迫力になりそうです(^^♪




そんなこんなで終始ドタバタだった今回のジュヴィシー。道中は最悪でしたが、フェアとしては素晴らしいものでした。大型甲虫好きな私にとっては大手町なんかよりはるかに欲しいものが沢山ありましたね。毎年その年にとれたものを持ってきているので新鮮さがあります。次回はチェコ・・・でフェアがあるのですが、こちらは小型種メインでM下さん達はこちらにも出店されるそうですが私はパス。11月にはジュヴィシーと並び欧州最大規模のフランクフルト・インターナショナルインセクトフェアがドイツで開催されるので、今の所行くつもりでいます。来年は・・・時間をもって行動しようと心に誓った、そんなフェアでした(^_^;)


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Posted by 魁秀(かいしゅう) on 27.2015   8 comments

エレファスゾウカブト、イイジマゾウカブトのお話パート1

Category : クワカブ考察

本日は大手町でしたね~私は流石に行けませんでしたが(涙)行かれた方はさぞ楽しまれた事でしょうね。
しかし今回は大手町の3日後(つまり今週の週末)に2日間かけて、フランスのパリで欧州2番目に規模の大きいジュヴィシーが開催されます。もちろん出撃しますよ!帰ったら記事書く予定なので、よろしければご覧下さ~い!久々のフェアでテンション上がりますね。



さてさて、今回はエレファスゾウカブトに関するお話。つい先日むし社より「カブトムシ図鑑」が刊行されましたね。本日知人に頼んで会場で代理で購入してもらいました。一部の界隈では盛り上がりを見せている(!?)今回の図鑑。勿論私が真っ先に気になるのはゾウカブトのページですが・・・(^^♪ 思ったより大きな図鑑のようで、わざわざ航空便で送ってもらうわけにもいかないので見たいページだけスマホで撮影してラインで送ってもらいました。
現在出ているカブトに関する図鑑の中では一番のスケールですね~。種類によっては解説が少なかったりするのもちょこっとあったりしますが、1万円切ってこのボリュームなら満足です。カブト好きの方は1冊手元に置いておく価値あり!標本もむし社のコネを使いいろんな人間から借りてきてるので、見ごたえあります。勿論誰もが知ってるY氏のヘラヘラ173mmや、I氏のエレファス139mmも載ってます!解説もそこそこ充実していて、中でも清水氏によるエレファスゾウカブトに関する種の再検討について面白い解説が書かれていました。今回はそれについて私の意見を交えながらちょっと語りたいと思います。





☆エレファスゾウカブトの分類再検討とは?☆


はじめに、図鑑に載っていた清水氏の再検討の内容と言うのは要約すると以下の様になります。


○現在我々に一般的に知られているエレファスゾウカブトMegasoma elephas elephas Fabricius, 1775 を再検討した結果、Johan Christian Fabricius氏が本種を記載する際に使用したタイプ標本はベネズエラ、コロンビア、パナマにかけて生息する亜種イイジマゾウカブトMegasoma elephas iijimai Nagai, 2003である可能性が高いと判断した。よってMegasoma elephas iijimaiとされる特徴を持つグループをMegasoma elephas elephas Fabricius, 1775として適応し、パナマ以北に生息するグループはMegasoma elephas ssp.として扱う

※イイジマゾウカブトMegasoma elephas iijimai Nagai, 2003ってなんだ?という方は過去記事「イイジマゾウカブト襲来(http://degeiko.blog.fc2.com/blog-entry-43.html)」(←文字クリックで別窓で飛びます)を0お読みください。



という一般のエレファス好きからすれば中々ビッグなニュースだったのではないかと思います。一応ゾウカブトについて詳しく知らないと言う方の為に超簡単に説明しますと、「いつも我々がエレファスだと思ってる(メキシコとかコスタリカの)エレファスは、実は原名亜種では無かった!イイジマゾウカブトこそが原名亜種で、そのいつものエレファスはエレファスssp.(暫定)だよ!」という話です。

中々衝撃的な展開だとは思いますが、実は私は一番最初に報告を聞いたとき、そこまで驚きませんでした。なぜかと言うと私もこの清水氏と同じように、Megasoma elephas elephasはssp.iijimaiではないのか?と以前から密かに考えていたからです。

・・・ってこんなこと言うと嘘つけ!といわれるかもしれませんので、私なりの根拠と清水氏の再検討に関しての理由をご説明しましょう。





○清水氏によるMegasoma elephas記載に関する指摘○



まず始めに、清水氏が今回の再検討を行ったきっかけとなったのは、第一に記載に使用されたタイプの存在が不透明なものであったからだと推測出来ます。本種(Megasoma elephas elephas Fabricius, 1775)はJohan Christian Fabricius氏が記載(※1)した事から始まりました。

私は(おそらく清水氏も?)原記載を確認していませんが、清水氏はMilan Krajcik氏が自著に「Fabriciusによる本種の基準産地はアフリカのGuinea」と記しているのを確認されました。勿論Megasoma属は南米アメリカ大陸に分布するため、アフリカにてエレファスが得られたと言うのは間違いであり、ラベルミスが発生していると推測出来ます。

そして次に、氏が調査をしたところ古い年代のラベルがついているエレファスの標本の多くがベネズエラから得られた個体であり、その標本は外見上の特徴、また生息地から永井氏が2003年に発表(※2)したssp.iijimaiに当てはまる事が確認されました。さらにこの年代の標本からはパナマ以北に生息する現在原名亜種Megasoma elephas elephas とされているグループの個体が確認されなかったことにより、FabriciusがMegasoma elephas elephasの記載に使用した標本は、実は永井氏によって2003年にssp.iijimaiとして記載された特徴を持つ個体だったのでは無いか?という推測がなされました。つまりこの場合永井氏のssp.iijimaiは無効であり、その永井氏が新亜種として記載した個体こそがMegasoma elephas elephas Fabricius, 1775に対応すると言う事です。

氏はベルリン自然史博物館のデータベースやMoffe(1658)の昆虫図鑑を調査しそう判断した様ですが、私は実際に欧州各地の標本管理施設に保存されているssp.iijimaiの特徴を持つ標本を確認しました。
私が標本の所持しているのを確認しただけでもRoyal Belgian Institute of Natural Scienes、Naturalis Biodiversity Center、Leiden Universityの3施設が所持しており、実際に標本を確認したRoyal Belgian Institute of Natural Scienes、Naturalis Biodiversity Center蔵の標本においては明らかにssp.iijimaiの特徴を兼ね備えた♂の個体を確認しています。

この様に、私もこの清水氏の再検討の報告を見る前から欧州の各所でssp.iijimaiと見られる個体を複数見ている為、氏と同じようにFabriciusが記載に使った標本は実はssp.iijimaiとされている物では無いのか?と疑問に思っていました。



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○左からNaturalis Biodiversity Center蔵、Royal Belgian Institute of Natural Scienes蔵、魁秀蔵。左2個体は古い標本。全てイイジマゾウカブトと言われる特徴を持つ個体。欧州における生物標本コレクションの権威であるロンドンの Natural History Museum の保管庫には、同様の個体が数多く保管されているのでは無いだろうか?





ただ承知の事だとは思いますが、この再検討は記載論文に書かれた図やタイプ標本(そもそもタイプを指定しているか定かではないが)を踏まえての指摘ではなく、あくまで上記の理由を根拠とした推測だという事です。ですので現在この推測をより確固たる物にする為にも、まず記載資料を実際に確認して検討する事が必要です。
私がMilani Krajcik氏が2009年に記載したMegasoma svobodaorumに関する記載論文(※3)を読んでみたところ、Krajcik氏はMegasoma elephas Fabricius, 1775 に対し

originally erroneously described from Guinea [all taxa of Megasoma are known only from American continents], which type specimen is probably lost.

と言及している一文が見受けられます。タイプとされる標本がどこで保管されているのか知る人間があまりにも少ない為、タイプが紛失した可能性もあるかもしれません。あるとすれば欧州の博物館に保管されている確立が高いですが、どこに収蔵されているかを記した資料を残念ながら私は見たことがありません。





・・・とこのように、私も清水氏と同じような事を考えていて、大学に無事進学出来た際にはこれをテーマに研究したいな~と思っていただけに今回の発表は驚き半分、悔しさ半分でした(涙)

さて余談ですが、そんなこんなで私は清水氏の再検討案を支持しているわけですが、そうなるとこのブログでは今後普通のエレファスをエレファスssp.、イイジマをただのエレファス(原名亜種)として扱わなければいけなくなるので非常にややこしい(^_^;) なのでメンドくさいので当ブログでは今まで通りのメキシコやコロンビアのエレファスと、パナマやコロンビア、ベネズエラのイイジマで行きたいと思います(爆)
 まあマジメな理由を言うと、私は清水氏の意見を支持しているとはいったものの、タイプ標本の検討やその当時の歴史的背景の十分な考察無しににパナマ以南の個体群を原名亜種としてしまうのは時期尚早なのではないかと思います。

最近はイイジマに限らずいくつかの種で記載の見直しがされてますね。こういうの見るとワクワクしますね(^^♪






タイトルを見ていただいた方ならお気づきかもしれませんが、今回はパート1です。イイジマの展脚も完了し、この間の一時帰国の際に埼玉の自宅から比較用のエレファスも持ってきたので、次回はパート2として比較編やりますよ~。恐らくジュヴィシーのレポ後になると思いますが・・・。今回の図鑑やビークワのゾウカブト特集、永井先生の記載論文にも詳しい判別方法が記載されていなかたので、イイジマとエレファスの私なりに見つけた差異及び断定方法を解説してみたいと思います。




※1 (Fabricius J.C. (1775) Systema Entomologiae, sistens insectorum classes, ordines, genera, species, adiectis synonymis, locis, descriptionibus, observationibus: Officina Libraria Kortii ; Flensburgi & Lipsiae 30 + 1-832)
※2 (Four new subspecies of the genus Megasoma (Coleoptera, Scarabaeidae) from South America by Shinji Nagai)
※3(New species of Megasoma Kirby from Bolivia (Coleoptera,Scarabaeidae : Dynastinae. ANIMMA.X,No.29)






Posted by 魁秀(かいしゅう) on 24.2015   10 comments

これぞオランダ

Category : オランダ


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オランダ キンデルダイクの風車風景<世界遺産>
Hollanda Yel değirmeni<Dünya Mirası>



はい、これぞまさに皆さんのイメージするオランダの風景では無いでしょうか?(^^♪
世界遺産のキンデルダイクの風車です。自宅から高速道路を使って30分強。久々の秋晴れのいい天気だったので(オランダは今は雨季です)、ちょこっと行ってきました。




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何故風車がこんなにも沢山あるのか?

実はオランダの国土の四分の一が海抜0m以下です。一番高い場所でもオランダとスイスの国境沿いまで行って500mの山があるかないか・・・というくらいですので、国土の大半が平地で出来ています。その為歴史的にに見ても多くの水害に悩まされ続けてきました。

そこでオランダ人達が考えついたのが土地の干拓。数多くの風車を設置し、風車の力で水を徐々に徐々に海へと運び出してゆくのです。海抜0m以下の場所を干拓するには風車は欠かせない存在だったわけですね。最盛期にはなんと1万基以上の風車が可動していたそうです。こうして土地をどんどんと広げていった事によって、オランダと言う国は発展していきました。よく「この世界は神が作ったが、オランダはオランダ人が作った」なんて言われていますよね。


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風車の中も見学可能。現在でも現役の風車は多数あります。風車は普通、無人では無く中に誰かしら人が住んでいます。水害を防ぐため環境の変化による水のコントロールを24時間体制でしなければいけないので、風車自体が家になっている場合が殆どです。



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中のリビングはこんな感じ。なんだ、意外と広いじゃん!と思うかもしれませんが、実際はかなり狭い(^_^;) なぜかといいますと・・・




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5階建てぐらいになっているのですが、真ん中には最上階から地下まで続く大小無数の歯車が。これで水を運び出してる訳です。ですので室内はどの部屋もかなり窮屈で、ベッドに関してはどれも足を伸ばして寝ることが出来無いレベルです。しかも常に歯車が回る音がしますので、夜は眠れそうにないですね~・・・汗




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オランダの伝統工芸品、木靴もあったので体験。硬そうなイメージでしたが(まあ事実硬いんですが)、履き心地は意外と悪くない!なんだか下駄を履いてるみたいな感覚です。でも運動とかには向かないかもしれませんね~。




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短い夏も終を告げ、季節はもうすっかり秋。コート、ジャンパー必須です。画像はススキ・・・ではありません、ヨシです。




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のんびりとした田舎の風景。これからまた長い冬が始まります。欧州の冬は日が昇るのが朝10時、日没は夕方4時と圧倒的に日が出ている時間が短い。それでもってその期間が長い(^_^;)気が滅入りそう・・・(笑)



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去りゆく緑を惜しみつつ・・・



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本当にのどかでほのぼのとした場所です。秋風が吹く中での散歩は心身ともにリフレッシュさせてくれます、いい場所ですね。


ちょっとl今回は私のカメラの設定ミスであんまり綺麗じゃない写真に仕上がってしまって申し訳ないです、折角の綺麗な風景が・・・(^_^;) 帰り際まで気づかなかったのが惜しかったです。また今度訪れると思うので、その時には注意してバシっと撮ってきたいと思います。


Posted by 魁秀(かいしゅう) on 15.2015   8 comments

ふてぶてしい虫が好き

Category : クワガタ標本
くーらん



クーランネブト。右の♂は以前展足したのですが、触覚がイマイチ気に入らないのでこれから触覚だけ再展足します。ちなみに昔本種は3回飼育にトライしましたが、ことごとく失敗しました。この前も野外から生体が入ってましたが、野外でとってくる♀はほぼ産卵済みで産まないのと、聞くところによるとクーランは若干癖があるらしい?ので難関種ですね。野外で50mmぐらいのペアでも結構な値段する虫なので、飼育品をみつけてブリードに挑戦したほうが賢明です。

しかし幼虫を大きくするのも難しいらしく、知り合いから聞いた話では成虫になっても1年寝るヤツもいるとか言ってたので困ったものです。これだけデカければ羽化ズレもありますしね。私はもう本種に関しては大人しく標本買って眺めてるだけにします(笑)



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あらためてよく見ると結構カッコイイ。65mm以上の個体になるとクーラン!世界最大のネブト!って感じしますけどそれ以下だとアゴや内歯の発達も弱くカッコイイよくないですね。とかいいながら画像の♂は64mmでギリ65mm無いのですが(笑)

これがまた67mmとかになると内歯も上に上がって全然違った印象になるので面白いですよね。最大の73mmの標本なんて全然違います。機会があればもっとデカイのを買いたいですが、67mmこえたあたりから極端に数が少なくなる印象です。買いたいのは山々なんですが安い虫ではないのでタイミングが合わないんですよね。ゾウカブトにしろネブトにしろ私はサイズを問わず、横に迫力のある体積のある虫が好きな様です。ヒラタはタウルスとかテルナテみたいな横に太いのが好きですし、ノコギリでもハステルティやフォルケプスみたないスラっとしてないのが好きです。迫力ありますからね~。

ってかどうでもいいですが毎回「○○買いたいです~」って書いてる気がしますね(汗)まあ言うのはタダなんで・・・(笑)





☆飼育ネタ☆

ブケットフタマタ羽化!


え?なんで羽化するような虫がいるのかって?



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実はこれ、一週間前まで日本に帰っていた時の出来事です。ちょっと遅れてしまいましたがご報告します(^^♪

この虫の親を買ったのはおととし2013年の冬。そこから採卵してビンでマット飼育をしていたのですが・・・オランダへ引っ越す前にそれらの幼虫は全て知人に引き取ってもらいました。しかし中には幼虫が溶けて死んでしまったと思われるビンもあったので、それらはメンドくさいので捨てずに家で放置していました。

しかし一週間前の帰国の前夜、なにやらそのビンからコソコソという音が・・・。まさかね?と半信半疑で蓋を開けてみると、そこには自力ハッチで羽化していた新成虫がいるではありませんか!これには驚きました。生オガ発酵マットを使用していたのでマットの状態も劣化することなく保たれていた様ですね。流石です。1年間放置(餌交換ナシ)、さらには冬場は10度を切った環境でもよく耐え抜いて羽化してくれたものです。ちなみにこんな感じで死んだと思って放置していたビンがあと2本あったのですが、それらを確認して見たところ小さな♂がマットの上で☆になっていました。早期羽化だったので餌を食べられずに死んでしまったのでしょうね。本当に申し訳なく思いました・・・。



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とりあえずこの日はゼリーが無かったので、パルコで買ってきた1パック480円の高級おスイカをあげておきました。しかし次の日には出国しなければいけないので、どうしたものか・・・。〆て標本にして持って行ってもいいのですが、なんだ可哀想になってしまったので近所の知り合いの子供にケースごとプレゼントしてきました。よすよす、これでよし。




ちなみに余談ですが、ブケットも個人的にはビックリしましたがもっとビックリする事件が同日に起こりました。

我が家の駐車場で車の運転手席のガラスが割られていたのです!ヽ(`Д´)ノ 鈍器で複数回に渡って叩いた跡があったのと、指紋が一切検出されなかったことからプロの犯行でしょう。カーナビを狙ったものと思われますが、幸いこの車にはカーナビは無く、鼻をかんだティッシュゴミしかありませんでした(笑)私が住んでいる付近は普段そんな事件が起きるような場所ではないので驚きました。駐車場のまわりは我が家の庭になっていて、片側にはマツやツバキの木、もう片側にはコンクリの塀があり姿を隠しやすい場所なので犯行に及びやすかったのでしょうね。

私が日本を出る前日に気づいたのが不幸中の幸いでした。次の日、出発間際に見つかったら対応出来なかったと思いますし・・・。結局、出発前日の夜の出来事だったので早く寝たかったのにも関わらず、警察の対応を夜までして疲れました(涙)う~ん、ガラス代は保険で降りたので結果オーライだったらしいですが、なんだかこの様な事件は気味が悪くて嫌ですね~(ーー;)



Posted by 魁秀(かいしゅう) on 12.2015   8 comments

標本整理、こんな感じです

Category : カブトムシ標本



アムスに戻ってきました(^^♪
いや~、あっという間の日本滞在期間でした。なんかこっちはもう秋ってか冬です。日中の最高気温15度、みんなコートやジャンパー着てます(笑)う~ん、ヨーロッパは冬が長いから気持ちがどんよりして嫌ですねー・・・。本当は日本滞在記に続きを書こうかと思いましたが、ちょっとワケあってそれは後回しです。なので今回は標本ネタです。




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修理をまつヘラたち。しかし今はメガソマばっかやってるますし、箱不足なので展足される日は果たしてくるのだろうか・・・!?(汗)
これらは浦和の自宅から一部暇つぶし用に持ってきた要修理品ですが、箱が足りないのですし詰め状態です。

基本的に野外品を集めたいのですが、やはりヘラヘラや一部のリッキーはどうしてもコレクションに飼育品が混じってしまいます。ヘラを真剣に集めた事は無いのですが、人と交換したりしてるうちにいつのまにか集まってました。と言ってもオキシ、リッキー、モリシマイしかワイルド持ってませんし、大した個体もないんですけどね。

最近エクアが欲しいですね。この前韓国のコレクターが出してたヤツが地味に上翅綺麗で欲しかったのですが、それこそ今度ジュヴィシー行けばなんかしらありそうなんで買うのやめました。この前エクアドル?だったかそこらでヘラネプいっぱい持ってきてた人いましたし・・・。上翅の黒点が無いのは勿論ですが、折角お金出して買うなら150mmぐらいあるのが欲しいですね。エクアは数採れてるんで探せばいくらでもあると思いますが、まあそういうのはそこそこお値段するのでメガソマ集め終わったあとかな~と思ったりします(^_^;)



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修理が完了したイイジマ(左)と展足が終わり箱に詰めたいが、もはや箱不足でタッパーで保管する羽目になったギアス・ルンバッシャー(右)。いやー、イイジマは結構接着しました。元々この標本をアメリカから送ってくれた方自身は標本の事を知らない方だったので、梱包はラップにくるんだだけでしたから輸送中に符節がポロポロ折れました。しかも税関で荷物あけられてチェックされたみたいなので更に符節が・・・。まあちゃんとパーツが残ってれば修理自体は気合でなんとかなるんでいいですけどね。

私なんか素人に毛が生えたような初心者コレクターなので標本も大したモノは持ってませんが、唯一どんな人にも自慢出来る一品がこのイイジマです。だからしつこくブログのトップや現在のツイッターのトップにしてるわけです(笑)イイジマ自体は現地ではそこまで珍しくない筈ですが、標本商もなければ取ってくる人間もいないので入手難易度がまず高い。現在の入手難易度はメガソマでは一番でしょう(いや、Mato Grossoのフジタが一番でしょうね)、右のルンバッシャーやギアスなんかは割と簡単に手に入りますが、イイジマは持ってる人少ないはずです。更に!通常本亜種はコロンビア産しかありませんが、この標本のようなパナマ産のイイジマを持ってる人間は国内だと私以外にいるのかな?ってレベルだと思います。勿論世界でも一部の博物館を除けば個人のコレクターでもってるのは何人いるのか・・・。数少ない自慢の一品です(^^♪


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ボロボロでしたが、サイズはそこそこデカイギアス♀。本当はもう一つ60mm代の完品♀があって、それとどっちがいいか?と言われ悩みましたが、修理すればいいだけなのでこちらを選びました。箱から抜いた時は精々ボンド付け3箇所ぐらいのボロい標本だな、という印象でしたが実際には違いました。

接着箇所16箇所(画像の赤丸プラス1箇所)!一体誰が修理したのだろうか・・・お湯につけてみて分かりました。符節が寝ていてさらに曲がっていたので、再展足する為におこしたいなと思って力を加えてみたのですがどうも曲がらない。一瞬おっかしいなぁと思いましたが、やっぱり中に針金が入ってました。それも4箇所(笑)こんなんならもっと安くしてもらうよう言えば良かったかもです(^_^;)

そういえばこの♀、ちょっと謎なんです。ラベルには採取地Esau, Itapatinga となっているのですが、このItapatingaってどこだ!?更に誰legか書いてません。86年の標本なので、80年代のギアスと言えばGrossi leg.の標本がめちゃくちゃ多いですが、これはどうなのかな?Grossiさんが採ってきた標本ってIpatinga MGのやつばっかりじゃないっけ?ってかそこしか見たことないんですが。だけどこのItapatingaってどこよ?調べたけどこれBahiaの南側で出てきちゃうぞ。しかもEsauなんて場所出てこない、Esauって言うカフェならミナスジュライスに出てきたけど(笑)まあ位置的にBahiaの個体だったとしてもおかしくはないんですけどね。亜種ポリオニがいるのはもっと北のほうですから。ちょっとこれはラベルの誤字なのか、それとも本当にBahiaのなのか気になるので今度聞いて確かめて見たいと思います。



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どうでもいいですが私の作業机はこんな感じです。標本をやってるとボンドやらお湯につけた時の汁やらで汚れがちなので常に綺麗に保つようにしています。・・・と言っても画像は最近作った標本の箱詰めを行っている所なので少し汚いですが・・・(^_^;)




Posted by 魁秀(かいしゅう) on 05.2015   12 comments
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