【競泳】江原、リオ五輪男子800リレー「金」狙わ“ないと”
五輪の競泳男子800メートルリレー代表で甲府市出身の江原騎士(ないと、22)=山梨学院大出、自衛隊=が、初出場金メダルに挑む。
13日、都内で取材に応じた江原は「(1分)45秒中盤で泳げばいける。(1番手の)萩野君のリードを保って逃げ切りたい」と語り、200メートル自己新での世界一を力強く宣言した。同じく山梨学院大出身の鈴木聡美(25)=ミキハウス=は女子100メートル平泳ぎでの2大会連続のメダルを狙う。
悲願の初五輪を決めた江原が、代表合宿中に改めて決意を語った。日本選手権(6日)の男子200メートル自由形で3位に入り、11日に800メートルリレー代表が正式発表された。江原は「(リオ代表入りに)ホッとした。(大会)初日の400メートルで五輪を決められなくて頭が真っ白になったけど、200メートルは4番以内に入ればいい、と気持ちを切り替えられた」と振り返った。
出るからには勝つ。「これまでは五輪に行けるだけでうれしいという気持ちだった。でも、400メートルの表彰式の後、松田(丈志、31)さんから『このメンバーなら金メダルもあるよ』と言われた。その瞬間に気持ちが変わった」。出るだけじゃつまらない。「タイム的には1分45秒台中盤で泳げば、自分の役割を果たせると思う。萩野(公介、21)君が1番で帰ってくると思うので、そのリードを保って逃げ切りたい」と江原。リレー1種目のみの出場となるが、200メートル自由形の自己ベスト1分46秒66より速いタイムで泳ぎ、金メダルを目指すことを誓った。
今春から自衛隊体育学校に入隊し、気分も一新。共にリレー代表に選ばれた小堀勇気(22)は「『“頑張らナイト”のような決めゼリフを封印する』と言っていた。国を守る立場にもなったし、社会人としての自覚も出てきたんじゃないか」と江原の変貌(へんぼう)ぶりを明かす。競泳男子では県勢初の代表として、1964年東京五輪以来の同種目でのメダルをもたらす騎士となる。(尾田 敏成)
◆江原 騎士(えはら・ないと)1993年7月30日、甲府市生まれ。22歳。新田小1年から岡島SSで本格的に水泳を始め、同4年時に初の全国大会出場。富竹中、山梨学院大付(現山梨学院高)を経て山梨学院大に進学。15年800メートルリレーで世界選手権代表入り。2月、400メートル自由形で3分38秒54の短水路日本新記録を樹立。172センチ、59キロ。趣味はサッカー。家族は両親と妹。