【巨人】長野、恐縮100号も…ヤクルトに逆転負け3位転落

2016年4月15日6時0分  スポーツ報知
  • 1回2死、通算100号となる左越えに本塁打を放った長野は花束で祝福された

 ◆ヤクルト6―4巨人(14日・神宮)

 巨人は長野が初回に通算100号となる3号ソロで先制したが、ヤクルトに逆転負けし、3位に転落した。今季、下位打線に弱い先発の高木は、3回に9番・小川の安打から2四球も絡んで逆転を許すなど、3試合連続白星なしとなった。

 珍しく、長野の頬が緩んだ。ダイヤモンドを駆ける足も、どこか弾んでいた。「なかなか甘い球は来ないと思っていました。しっかりと(バットの)芯でとらえることができました。いつかは出ると思っていましたが、時間がかかり過ぎちゃって」。初回2死。小川の低めスライダーを完璧にとらえ、左翼席中段へライナーで放り込んだ。プロ野球史上276人目となる通算100号本塁打で先取点を奪った。

 未知の“重圧”と戦っていた。通算97本塁打で迎えた今季、開幕から2戦連発で早々と王手をかけたが、ここからが大変だった。「毎試合、花束を用意してもらってるんですよね? そのプレッシャーがハンパじゃないです。早く打たないと迷惑かけちゃう。リーチかけてから何日もたっちゃって…。それだけが気がかりなんです」

 まさかの理由だが、節目の記録はプロ初。気遣いの男にとっては大ごとであり、切実な悩みだった。16試合ぶりの一発で、ようやく大台に到達。ベンチ前、笑みを浮かべながらも申し訳なさそうに花束を受け取った背番号7は、「造花でした」とちょっぴり安心した様子だった。

 長野は「僕はホームランバッターじゃない」と自己分析するが、その秘めた打撃センスとパワーはワールドクラスだ。日大、ホンダとアマチュア時代から日本代表として国際舞台で戦い、その度にメジャーのスカウトや敵チームの猛者たちから「アメリカで一緒にやらないか?」と誘われ続けていたという。

 今では「あんな化け物だらけの中でやっていくのは、僕にはとうてい無理ですね。あの松井秀喜さんですら、『フリー打撃していて、惨めな気分になる』と言っていたくらいなので」と胸をなで下ろすが、その「化け物」たちが認めた潜在能力。控えめな言葉と同様、7年目での100号到達も、控えめなペースといえる。「プロで100本もホームランを打てるとは思いませんでした。でも、もっと打ちたいです」。長野の力は、こんなもんじゃない。(尾形 圭亮)

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