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地震情報

[発表時刻] 2016年4月16日 16時56分 気象庁発表

2016年4月16日16時54分ごろ地震がありました。

[震源地] 熊本県熊本など [最大震度] 3 今後の情報に警戒してください。詳細

(上)「共著者として沈痛の極み」

笹井芳樹副センター長=2014年4月16日、梅村直承撮影

 STAP細胞論文への不正が指摘されている問題について、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹・副センター長(52)が16日、東京都内で記者会見を開いた。主な一問一答は次の通り。

【出席者】笹井芳樹副センター長、加賀屋悟・広報室長、米倉実理事(コンプライアンス担当

【冒頭の発言】

 このたびはSTAP研究の論文に関し、多くの混乱とその齟齬(そご)による多くの心配、また、疑惑を招く事態になり心からおわび申し上げる。期待を寄せる人の信頼を損ね、おわび申し上げる。ネイチャーのアーティクル(論文)については二つの研究不正が委員会で決まり、共著者として沈痛の極みだ。本論文にとどまらず、日本の科学全体の信頼を損ねる事態になりかねないことも、コミュニティーに対しても心よりおわび申し上げる。

 2月中旬以降、論文に関する質問をいただきながら答えられずに申し訳なかった。疑問などを五つにまとめた。

【笹井氏の関与】

 小保方さんが若山(照彦・元理研チームリーダー)研究室で約2年間実験をし、研究ユニットリーダーになってネイチャーに投稿するまでには4段階がある。通常の論文では一つの研究室内で行われるが、今回は複雑だった。

 着想はハーバード大と若山研、実験は若山研で当時客員の小保方さんと若山さん、図表の作成も若山研。論文の書き上げに私は関わった。問題となった論文は若山研で一度書かれており、2012年春に投稿したがレフェリーの判断で却下されていた。私は書き直しの手助けをした。図表の書き換えなども手伝った。2012年12月、論文原稿の完成度が十分でないことから、ネイチャーへの投稿経験がある私が協力するようにとの要請を竹市雅俊センター長から受けた。

 2013年3月に小保方さんがユニットリーダーに着任して論文を投稿するまで支援をした。このとき若山さんは山梨大への引っ越しで大変だったので、その部分も代行した。ライブセルイメージングなどや追加実験などにも参加した。私は約2年間の過程で最後の2カ月、参加した。最終段階で参加した形だ。著者に加わることはしないつもりだったが、バカンティ(ハーバード大)教授からの要請で著者に加わった。若山さんからの要請もあった。

【不正をなぜ見抜けなかった】

 過誤を見抜けなかったことについては慚愧(ざんき)の念に堪えない。生データやノートを見る機会は無かった。小保方さんはリーダーであり部下ではないので、大学院生に(指導)するようなぶしつけな依頼は難しかった。そのため問題を見抜くのは困難だった。

 ライブセルイメージングに関しては分析したが、今回はさまざまな人が絡んでおり、通常とは異なり例外的な事情もあった。二重三重のチェック機能が働かなかった。若山さんと力を合わせて小保方さんへの注意喚起ができなかった。責任は重大だと認識している。

【小保方氏の採用について】

 2012年にあった採用審査の中では、人事委においてプレゼンをお聞きし、詳細な議論を行い、独創性や研究の準備段階を中心に審査をした。これまでの評価や推薦を基にして採用した。これらは通常の過程と同じで偏りはない。本人と会ったのは採用面接が初めてだった。挑戦的な研究を若手から提案することを求めており、30歳のリーダーは珍しいことではない。小保方さんの場合は生物系の研究者としての経験が浅いとは思ったので、教育育成をする計画を立てていた。

【撤回に同意するか】

 STAP現象の審議には理研内外の予断のない審議が必要で、それを待つのが最も大切だ。

【iPS細胞より優位であるような成果発表について】

 会見で「実用段階ではない」ことは強調した。STAPという現象を説明した論文だ。STAPの原理の補足説明の資料を用意したが、原理論でなく技術論として独り歩きし、iPS細胞に関して迷惑をおかけし大変申し訳なく、資料を撤回した。イラストによる説明をしたが、iPS細胞の説明として、当初の効率(山中因子による作製効率)を使って説明したため、効率が悪いような説明をしてしまった。STAPの優勢をことさら強調する意図がなかったことは理解してほしい。

【科学的な解説の要旨】

・STAP現象を前提にしないと説明できない部分がある

・ライブセルイメージングは自動的に撮影するため、人為的なデータの操作は実質上不可能

・STAPは特殊な細胞で、ESやTSとは全く異なり、混入することは考えられない

・キメラマウス実験でも、胚に移植されたものがESやTSとは考えられない

・STAP現象は現在、最も合理的な仮説として説明できる

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