22歳「記憶遺産と向き合う」 京都・舞鶴引揚記念館学芸員に
京都府舞鶴市は、舞鶴引揚記念館(舞鶴市平)で2人目となる学芸員を新規採用した。京都造形芸術大(京都市左京区)で文化財の保存修復を専攻した小川はる菜さん(22)。大学を卒業して今月、同館に着任した。記憶遺産に登録された終戦後の粗悪な紙資料保存の難題に対し、「一つ一つの資料と向き合い、役割を果たしたい」と意気込む。
記憶遺産登録の条件として資料の保存と活用が求められている。市は本年度から進める収蔵庫増設など同館の第2期整備事業にあわせて、専門の学芸員を配置した。
小川さんは芸術学部歴史遺産学科で文化財保存修復を学んだ。東日本大震災で被災した文化財を応急処置する文化庁の事業にも参加、海水に漬かった古文書や写真などの汚れを取り除くなど文化財修復の現場にも携わってきた。
小川さんは愛知県豊橋市出身で、学生時代にシベリア抑留者の放送を見たり、本を読んだりしたが、さらに知識を深めるため「日々、学んでいかないといけない。引き揚げのまち、舞鶴のことをよく知って大好きになりたい」という。山下美晴館長は、子どもたちへの教育も担当させたいといい、「若い感性とアイデアで伝えてほしい」と期待する。
【 2016年04月15日 17時00分 】