知ってる人には『今更感』があるかもしれませんが、
個人的に思い入れのある漫画なので、想い出の物語としてここに。
羽海野チカ先生の『ハチミツとクローバー』という漫画なんですけど、2000年4月~2006年7月に渡って発表された作品です。
非常に高い人気を誇った少女漫画ということもあり、これまでにアニメ放送や実写映画化及びテレビドラマ化もされましたので、知ってる方は非常に多いかと思います。
「まだ読んだことがない!」という人に是非ともオススメしたい作品です。
本当に「月に変わってオススメよ!」って感じです、はい。
ハチミツとクローバーの魅力。
共感に共感を呼ぶ恋愛ストーリーが一番の醍醐味です。
「あー、その気持ち、すっごくわかる!」っていう恋愛感情のオンパレード。
楽しさの中に切なさもあったり、片想いしたことがあるって人なら間違いなく共感できます。
笑える描写も結構多くてコメディー要素も強い本作ですが、美術大学という一風変わった舞台で繰り広げられてるにも関わらず、そこには『あるある』の世界も。
寮生活あるある、モテない男あるある、卒研あるある、片想いあるある・・・etc。思わずニヤリとさせられます。
コミックでいうと全10巻という読みやすいボリュームなのにも関わらず、笑いあり涙ありってのは驚愕です。
『叶わなかった恋に意味ってあるんだろうか』っていう葛藤など、何かを考えさせられずにはいられません。
恋愛バイブルとして、是非とも皆さまにオススメしたい作品です。
主なストーリー。
主人公の竹本祐太を中心に、様々な登場人物の想いや葛藤が交錯します。
主人公は花本はぐみという説もありますが、個人的にはドラえもんの主人公は『のび太』か、それとも『ドラえもん』か、みたいなことではないかと。
様々な恋模様と、卒業後の進路などの不安を感じながらも、それに真っ直ぐ向き合おうとする『青春ラブコメディー』・・・なのかな。
コメディーと言うには切なすぎる気もしますし、青春ラブストーリーの割には笑いの要素が大きい気も。
竹本が進級するにつれて、もちろん卒業するキャラクターも出てきますし、留年するキャラクターも出てきます。←えっ。
少しずつ成長していくキャラクターと、少しずつ変わっていく環境。
それに伴って、恋愛感情も大きくなっていくことに気付くわけですけど、それに気付かないフリをしたり、無茶な行動をしてみたり。
基本的には『竹本の恋は成就するのか!?』ってのがメインストーリーでしょうか。
サブストーリーが面白すぎて困るほどです、はい。
見どころ。
非常に多いんですけど、幾つか挙げます。
- 山田あゆみの一途な恋。
- 真山巧の恋の行方。
- 森田忍の破天荒さ。
- 花本はぐみが目指すもの。
- 竹本祐太の成長。
思い付くがままに列挙しました。
主人公と呼ばれる竹本佑太、そして花本はぐみの魅力はもちろん大きいです。
ただ、それを取り巻くキャラクターも負けてないってことを、声を大にして言いたいと思います。
個人的な感想ですけど、山田あゆみと真山巧の関係性なんか、もう楽しいのと切ないのと色々混ざってワケわかんなくなります。
『アイスをレンジで温める』みたいな。「それ冷たいの?熱いの?なんなの?」っていう不思議な気持ち。
これは『最後に結局は結ばれてハッピーエンド』っていうベタベタな展開に一石を投じる、いわば『革命』だと言っても過言じゃありません。
そして、物語の序盤では先輩たちにイジられてばかりで、尚且つ自分の恋愛感情とも上手く折り合いが付けられない竹本が、徐々に成長していく様子は必見です。
心に響く名言。
本当は漫画ありきで紹介したかったのですが、なにやら著作権とか難しい予感がするので、雰囲気だけご紹介します。
以下、全てコミックからの引用です。
ありがとうって思った でも あげられるものなんて 心くらいしかないから 君にわたそうと思った
はい、名言。泣ける。言われたい。そして、抱かれたい。
すっごく真っ直ぐな気持ちと純粋さがなければ、こんなセリフは言えません。
「自分の1番好きな人が」「自分の事を好きになってくれる」たったそれっぽっちの条件なのに どうしてなの 永遠に揃わない気がする
そうそう。「モテたい」って思わない人も結構いたと思うんです。
「モテたい」か「モテたくないか」の2択にするから「モテたい」ってだけで。
本当は、自分の好きな人さえ、こっちを見てくれたらいいんです、はい。
逃げないで 一緒にあがこう 逃げ出すのは 一瞬で出来るから
これが言えるってすごいなぁと。相手に対する信頼感が無いと、絶対に言えないと思うんです。
今まで、はぐれメタルばりの素早さで逃げてばっかりだったから、非常に刺さりました。
親が子供に教えなければならないのは「転ばない方法」ではなく むしろ 人間は転んでも 何度だって立ち上がれるという事じゃないか!?
もはや道徳。このセリフは、子育てバイブルとしての需要もありそうな名言です。
ただ、ここだけ抜粋してるから名言っぽいですけど、原作における、この名ゼリフ誕生の瞬間は、決してシリアスなシーンとかそんなんじゃありませんでした。
それはどっちも正しいんだ 大事なのはどっちの道を選んでも それを「言い訳」にしない事だよ
彼女とデートしていて「バニラアイスにするか、それとも抹茶アイスにするか」で悩む彼女に言おうと思って、心の底に保管してある名言です。
保管してるのはいいんですけど・・・未だ彼女ができません。
最後に。
読んだことない方、特に『恋愛ものでキュンキュンしたい人』や『現在、片想い進行中の人』は是非とも読んでみてください。
間違いなくオススメの漫画です。
随所に出てくる秀逸な表現もそうですが、なにより『考えさせられる描写』が多々あります。
「どういう意味だったんだろう?」って思って、考えるのもまた楽しかったり。
そして、圧巻のフィナーレにおいては「少女漫画で、こんな結末ある!?」って思うはず。
ぜひとも『ハチミツとクローバー』を読んで、愛しさと切なさと心強さを・・・。←なんやねん。