銀行や信金の企業などへの貸し出し 増加も伸び鈍化

先月の全国の銀行や信用金庫による企業などへの貸し出しは、54か月連続で増加しましたが、増加の割合は、日銀のマイナス金利政策の下でもやや鈍ったことが分かりました。
日銀の発表によりますと、全国の銀行と信用金庫による先月の平均の貸出残高は498兆3300億円余りとなり、去年の同じ月と比べ2%増えました。
貸し出しは、企業が買収に使う資金向けや不動産の購入向けの貸し出しを中心に平成23年以来、54か月連続で増えていますが、増加の割合は2月の2.2%からやや鈍り、おととし4月以来の水準にとどまりました。
日銀は2月にマイナス金利政策を導入し、金融機関による貸し出しの金利を引き下げることで企業の設備投資を促そうとしています。
今回、貸し出しの増加が鈍ったことについて、日銀は「マイナス金利政策の導入からあまり時間がたっておらず、今後、貸し出しの増加につながるか注視したい」としています。
貸し出しの金融機関別の内訳では、メガバンクや信託銀行などの大手10行の合計が0.7%の増加だったほか、地銀と第二地銀は3.3%、信用金庫は2.3%、それぞれ増加しました。