Ｎｅｗ池田勇太が３位タイ発進

　▽１４日▽三重県桑名市、東建多度ＣＣ名古屋（７０８１ヤード、パー７１）▽晴れ、気温２２・０度、風速１・２メートル▽賞金総額１億３０００万円、優勝２６００万円▽１３２選手（うちアマ２人）▽観衆２０３０人

　国内開幕戦で、イメージチェンジした前選手会長が好発進した。男子ゴルフツアーの東建ホームメイトカップ（中日スポーツ後援）が１４日、三重県桑名市の東建多度ＣＣ・名古屋で開幕し、ツアー通算１３勝の池田勇太（３０）＝日清食品＝が５アンダーで３位タイの好位置につけた。今季から髪形や服装を一新。慣れない姿に戸惑いながらも好スコアでまとめた。

　トレードマークだった角刈りではなく、タックが入った太いズボンもはいていない。好青年風に様変わりした池田が５バーディー、ボギーなしで国内開幕戦を滑り出した。

　アウトスタートで３つのバーディーを奪った。折り返した後も勢いは衰えず、３番パー３で約３メートルを沈めると、４番でも連続バーディー。「いいゴルフだったと思う。パッティングも悪くなかったので、いい位置につければパーになるというゴルフだった」と納得顔だった。

　昨年１２月に３０歳になったことや、新たなスポンサー契約を結んだことなどでイメージチェンジに踏み切った。頭髪はかき上げられるほどの長さ。汗をかくと細いズボンが肌に吸い付く感触に慣れず、ことしになって早くも２本のズボンが、尻の部分が破れて駄目になった。

　すっぱりと気持ちを切り替えたわけではない。ただ、新たな自分を見つけた新鮮さは感じている。

　「前は腹が出ても隠せたが、今は体形を維持しないといけない。これがかっこいいと感じるまでには時間がかかる。でも、違う自分というか、弟をつくっているみたいで楽しい」

　変えたのは外見だけではない。本格的な筋力トレーニングにも初めて取り組んだ。「オフの過ごし方は著しく変わった。個人トレーナーについてもらい、体の勉強を一生懸命にしている。飛距離はそんなに変わらないと思うが、球は強くなった」と早くも効果を実感。３期務めた会長の座から離れたこともあり、有意義な時間を過ごせているようだ。

　昨季まで契約していたメーカーとはボールのみの契約となり、現在もクラブの選定に頭を悩ませている。「あとは、より完璧に近いギアがそろえば求めるゴルフができるようになると思う」。用具を手の内に入れることができれば、３０代初勝利が見えてくる。　（堤誠人）