ガザ地区の空手指導者拘束 イスラエルに抗議デモ

パレスチナ暫定自治区のガザ地区で、視覚障害のある子どもたちに空手を教えている指導者が、海外で開かれた大会のため選手を引率した帰りに、検問所でイスラエル当局に拘束され、抗議の声が上がっています。
イスラエル当局は今月11日、イスラエルとガザ地区の境界にあるエレズ検問所で、ガザ地区の空手指導者、ハッサン・ライイコーチの身柄を拘束しました。
ライイコーチは、去年6月からガザ地区で視覚障害のある子どもたちを対象に空手の教室を開き、今月海外で開かれた大会に生徒たちを引率するためイスラエルの許可を得てガザ地区を離れていました。しかし、今月11日に大会を終えた選手たちとガザ地区に帰るため検問所を通ろうとした際に、1人だけ拘束されたということです。
これを受けてガザ地区では13日、空手教室の生徒や関係者などおよそ70人が集まり、「スポーツに占領を持ち込むな」などと書かれたポスターや横断幕を掲げて抗議デモを行いました。参加した生徒の1人は「コーチが早く釈放され、これからも空手の練習を続けたいです」と話していました。
イスラエル当局は、NHKの取材に対し、「拘束理由は現在、確認中だ」としています。
パレスチナでは、スポーツ選手や関係者がイスラエルの検問所で身柄を拘束される事態がたびたび起きています。